「就職活動」

税理士試験が間近に迫り、私も含めて税理士試験に挑戦している受験生はこの時期は試験に向けてのラストスパートに追われている毎日です。
現在のように働きながら試験勉強を進めていくことももちろん大変ですが、2年前の私もそうだったように試験後に就職を考えている方も、この時期の勉強と就職活動との両立はなかなか大変なのではないかと思います。 

一方で、採用する会社側においても採用活動はとても重要であり、良い人材はすぐに内定が出てしまうため、他との差別化を図り、早くから人材を確保する事が大切になります。
特に、大手思考が強い一般企業の就職活動では、大手から順に人材が決まっていく傾向は少なからずあるかもしれません。
しかし、中小企業の事を知ってもらうことで、中小企業ならではの魅力・やりがいを伝えることができ、良い人材を確保することは可能であると思うので、そのような場を設けるなどといった投資はとても重要になってくると思います。 
 
また、税理士業界は一般企業ほど大手思考は強くはない業界ですが、人材が大きなウエイトを占める業界であり、それによって事務所の雰囲気や方向性がかなり決まってくると思います。
石田会計においては、自分がやりたいと思った業務は先輩スタッフの指導のもとで積極的にチャレンジできますし、他の事務所ではなかなか経験できないような幅広い業務に早くから携わることができます。
 
そういった面からも、数年前に就職活動をしていた経験からしますと、会社の規模に関わらずその会社に入社したらどういった仕事ができるのか・どんな経験が積めるのか等がかなり知りたい部分になってくると思います。
会社の事業内容と共に、その辺りの情報を提供することで中小企業に興味を持ってくれる方が増えていき、会社にとってより良い採用活動が行われればと思います。

「相手の満足を得る」

先日、友人がパン教室を開く準備をしているとのことで、授業のデモンストレーションにお付き合いしました。
生徒のレベルに応じて、メニューの選択や話す内容などを考えるのが一番難しいとのことで、一緒に相談しながらすすめていきました。

例えば、体験教室に来た生徒さんに対しては、時間も手間もかからず簡単にできて、美味しいものが好まれます。もう一度やってみたいと思ってもらうことが最優先だからです。
一方、何度かやったことがあるという生徒さんには、日常の中で取り入れることができるようなものを提案できると良いようです。たとえば食パンやバターロールなどにひと手間加えて、朝の食卓に出せるようなものであれば、またやってみようという気持ちを引き出すことができそうです。
さらに上級者の方には、こんな方法でもできるというアレンジの方法を提案します。パンは生地を発酵させて作るのですが、その時間が長すぎても短すぎてもふわっとしたおいしいパンにはなりません。技術の部分を教えることで、パン作りの工程での驚きを与えて興味を惹きつけます。

ただ、これらは想像でしかないので、一方通行になってしまう可能性もあります。教室に来てもらった生徒さん皆に満足してもらうことができるよう、一人一人に対応していくことはとても難しいなあと思いました。その相手がどうしたら満足してくれるかを考えることもとても大切ですが、それに加えて相手の要望を聞いて、それを叶えることも満足を得る一つの方法かもしれないと思いました。

「挑戦し続けることの大切さ」

 先日、愛知県美術館で開催していたシャガール展に行ってきました。誰しも一度は聞いたことがある画家の名前だと思いますが、私も同じようにシャガールに詳しいわけではなく、何となく絵のモチーフと色彩が気になって訪れました。

 入り口からはパリ・オペラ座の天井画の下絵が何枚も並んでいました。さすがに実物を見ることはできないので、たくさんの下絵が展示してあるのだと最初は思いましたが、思いつくままに感覚的に描いているイメージとは違い、試行錯誤しながらモチーフや色彩を入念にチェックしているのがうかがえました。

 続いて舞台美術や衣装、彫刻、ステンドグラス、タピスリー(織物)など媒体の異なる作品が展示されていました。特にタピスリーは、絵の具のように色が完全に混ざり合うことはなく緻密に描くことはできませんが、生地の厚みや質感、凸凹などが独特で、何より少し遠くから見てもとても迫力があって絵とはまた違った良さがありました。キャンバスに描かれた絵もありましたが、並んで展示されていなかったら同じ絵だと気付かないほど色彩や情感が異なるものもあって多彩な表現力に驚きました。

 最後に唯一シャガールの制作風景の撮影を許されていたイジスによる写真が展示されていました。シャガールの作品のスケールの大きさに圧倒され、完成までに何枚も描かれた下絵や色々な媒体に挑戦してきた作品などを思い起こしました。

 今回シャガールの作品を見ていて一番強く感じたのは、晩年まで衰えない旺盛な探究心と制作意欲でした。常に挑戦し続けるエネルギーの強さがひしひしと伝わり、その大切さを改めて感じました。

「危険性を意識した上で上手に使う」

つい先日、名古屋市内でLINEを使った強盗致傷事件が発生したというニュースが目に留まりました。被害者は、犯人とLINE上で知り合い、「これから遊ぼう」と約束して住所を伝えたところ、家に来て暴行を加えられた上に現金を奪われたそうです。

LINEとはスマートフォン等の携帯電話やパソコンで無料通話とメッセージの送信ができる人気の無料アプリケーションです。実際、私も家族や友人とのやりとりはほとんどLINEを使っています。複数の人で同時にやり取りをすることも可能なので、打ち合わせ等をするときにも非常に便利です。
また、スタンプ機能もあり、文字の代わりに画像を送ることによって、自分の今の感情を簡単に表現することもできます。

今まで、便利なアプリとしか思っていなかったので、このアプリの危険性について意識したことはありませんでしたが、今回の事件を知り、考えてみることにしました。

よく指摘される危険性としては、利用するにあたって電話番号の登録が必要なため、何かしらの不具合が発生してしまった時にその情報が流出してしまう恐れがあること、新規に契約した携帯電話の番号を以前誰かが使用しており、かつ他のLINEユーザーのアドレス帳に載っている状態だった場合、見知らぬ人の友達リストに表示されてしまう恐れがあることだそうです。

実際に、母のタブレットにLINEを設定したときに見知らぬ人からメッセージが届くということがありました。上記の事件の被害者も犯人とLINE上で知り合ったということですので、同じようなことがあったのではと推測されます。様々な人と気軽に連絡をとれる便利なツールではありますが、その反面、コミュニケーション相手の素性がよくわからない状態で安易に自分の個人情報を相手に伝えてしまうことによって、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうという危険性もはらんでいます。

ただ、便利なものであることには変わりはないため、そのような危険性があることを十分に理解した上で上手に活用していきたいと思います。

「会計監査の啓蒙活動として」

2014年5月に日本公認会計士協会から、「監査業務と不正に関する実態調査」というものが公表されているのをたまたま目にした。

調査結果では、回答者(公認会計士)の約半数が、「不正等との遭遇あり」と回答している。
アンケート対象者に対する回答率が7.5%なので、公認会計士全体の傾向を正確に反映しているとは言えないかもしれないが、それでも多いなと感じた。

「不正等との遭遇あり」とは、
・被監査会社の従業員等による資産の流用・窃盗を発見した
・会計基準から逸脱した財務諸表の故意による表示
などである(中小企業においては会計基準に従った財務諸表を作成する義務はないので、会計基準に従っていないからといってここでいう不正に該当するわけではない)。

また、不正との遭遇の時期では、「0-3年くらい前」が3割弱ほどあったが、驚きはなかった。ニュースにならないだけで、適時開示されているものでも、毎月どこかの会社で不正が起こっているからだ。

この実態調査は、会計監査の実態について、不正という切り口から社会一般に理解してもらうことが、目的のひとつのようだ。
監査は不正を発見することを直接目的としたものではないが、発見すれば当然不正に対応しなければならず、監査人側でも相当の労力を費やす。また、市場から批判にさらされるため相当のプレッシャーを受けたり、監査法人内でのプレッシャーもあるだろう。
社会一般に理解してもらうのであれば、このような監査人の苦悩も表現されれば良かったのではと思うのは私だけだろうか。

生命保険の目的と出口戦略

生命保険は会社の経費のなかで重要度が高いものですが、契約した目的がすぐ思い浮かぶ方は少数ではないでしょうか。
個人的には生命保険を契約する目的として特に重要なのは、以下の2つだと考えています。
・経営者の万が一に備える
・節税対策
それぞれの目的に沿った契約をするための注意点を考えてみたいと思います。

まず、経営者の万が一に備えた保険は、会社が黒字か赤字かにかかわらず必要なものだと思います。
というのも、会社を存続させるか否かにかかわらず、その後に多額の資金が必要となるケースが多いためです。
契約にあたって適正な保険金額は会社によって様々ですが、以下の3つの合計額がひとつの目安となります。
①借入金残高
②半年分の固定費(人件費等)
③遺族が受け取る死亡退職金
そして、長期間継続して支払えるものでなければなりませんので、掛け捨てタイプの商品が資金繰り上も良いと思います。

継続的に利益が出ている会社は節税対策として高額の保険も契約されていると思います。
この場合は、解約返戻率が高い時期に解約することが前提となりますが、「解約時の収益をどうするか」という、いわゆる出口戦略が大切です。
例えば、主要メンバーの退職金の支払いや臨時的な損失の時期とセットにすると節税効果が期待できます。
また、法人税の実効税率の引き下げが実現すると、現状の収益を先送りするだけで税率の差額分の節税効果がありそうです。

経験上、生命保険を契約した理由を伺うと、「良い保険だと勧められたから」「目先の納税を減らしたいので」といった回答が多い気がします。
しかし、保険はその目的を明確にした上で長期的な視点で検討しないと、思わぬ損失が生じることが多いものです。
また、会社の経営状態の変化により契約の見直しも必要となってきます。
後になって後悔することのないよう、契約前や見直し時には事前にご相談いただければと思います。

「株主総会」

 先日、初めて株主総会に参加してきました。
 今回参加したのは、名古屋市内に本社がある食品会社大手・カゴメ株式会社の株主総会です。
 カゴメは、主力商品に「トマトジュース」などがあり、とても有名な企業なので、総会日は平日だったにも関わらず最寄駅から会場まで参加者で長蛇の列ができていました。

 株主総会が始まると、前期の決算報告・当期の業績見通し・役員選任などの説明がありました。
 一通り説明が済んだ後に株主から一括して質問を受ける形となっており、決算の数字のことから新商品のことまで様々なジャンルの質問が飛び交っていました。ある程度の事前打ち合わせはあったかもしれませんが、どういった質問にも議長である社長が適切に回答されており、さすがだなと感心してしまいました。

また、これらの質問の中で、カゴメは経営陣が直接株主との交流会を開催していることを知りました。工場見学会や料理教室などを名古屋に限らず東京・大阪などでも定期的に開催しており、株主と経営者側との交流というのはこれまであまり耳にしたことがなかったためとても新鮮に感じました。
 こういった活動や株主優待制度などもあって、カゴメの2014年3月末現在の株主数は19万名を超え、その総株主のうち99.6%が個人株主であり、しかもその約1/3は主婦層とのことでした。

このように、主婦層の支持を得ることで消費のベースを確保することができますし、主婦層同士の情報のやり取りで支持を広めていける可能性もあります。
 さらに、カゴメといったら「トマト」と世間から認知されるほどに一つのことを専門的に取り組んでいっていることも、個人株主に支持されている理由ではないかと思います。
 ターゲットを絞って専門的に取り組んでいくカゴメの経営方針は見習うべき点が多く、有意義な株主総会となりました。

 『仕事のストレスとは?』

 労働保険の年度更新時期になりました。 
 近年、「うつ」などの精神障害による労災は右肩上がりで給付額も増加のため、労働安全衛生法の改正が検討されています。
聞き慣れない法律ですが、定期健康診断はこの法律に基づいて実施されています。
 改正の柱として、「ストレスチェック制度」が創設される予定です。(50人未満の会社は努力義務とされる予定)

 ストレスチェック実施後、希望する労働者が医師と面接し、必要に応じて会社は作業の転換、労働時間の短縮などの措置を講じる義務が出てきます。
 定期健康診断の結果は本人の同意なく会社に結果が通知されますが、ストレスチェックは本人の同意がない限り会社に情報開示されないようです。
 どれくらい有効なのか疑問ですが、メンタル面への関心が高まることは確実ですね。

 どんなストレスチェック方法が出てくるのか興味深いですが、仕事のストレスを客観的に位置づけようとした人がいます。
 ストレス研究の心理学者カラセックの「仕事要求度・コントロールモデル」では仕事でストレスに感じるかは次の3つの要素が絡む度合いであるというものです。
・仕事の要求度・・・仕事量、納期の長短、難しさ
・仕事の裁量度・・・仕事を自由にする裁量がどの程度あるか?
・上司や同僚の支援・・・困ったとき、周りの人がサポートしてくれるか?
  仕事が多くても、自分で自由にできる権限が与えられていたり、上司や同僚がサポートしてくれる状態があれば、感じるストレスは軽減されたり、むしろいい刺激になります。逆に要求度・裁量度・サポートが低いと受身でモチベーションが上がらず、こちらもストレスです

 「仕事の要求度」はなかなか自由にできない要素ですが、「仕事の裁量度」「上司や同僚の支援」は、ある程度会社で工夫ができる要素なので仕事量を減らさずストレスを減らす方法は可能なのです。実に興味深いですね。