「シンプルに考える」

 世の中には、「非常に難しく見えるが、分かってみるとたいしたことでは無かった。」ということは多くあると思います。
 以前、難解な問題を抱え頭を悩ませており、時間だけが刻々と経過していたとき、ある方にこう言われたことをいまだに覚えています。
 「複数の事象を同時に考えて問題を解決できるのは天才。天才じゃないのなら、問題を分解してシンプルな問いの集まりにして、ひとつひとつに答えを出し、それを積み上げることで解決を図るべき。」
 今でも、困難な事象に出会ったときは一度立ち止まり、こう考えるようにしています。

 先日、担当させて頂いている会社で、「海外支店を出したいのですが何か留意すべきことはありますか?」と聞かれました。考えられることは山のようにあるのですが、思いつくままに回答しただけでは留意すべき点に漏れも生じるでしょうし、体系化しないと効率的な解決にも繋がらないと思い、一度問題を分解、整理することに努めました。

 まず、ゴールは、海外支店の会計を、日本と同じ会計基準で取り込むこと。そのためには入出金情報と、決算時点の未収、未払等の情報を得ること。未収、未払の情報は決算前後に請求書等を送って頂くとして、入出金情報を得るためには現地で銀行口座の開設が必要であり、海外支店の口座開設に関して規制は無いか確認を要する。また、海外口座にはどんな入出金が考えられるか。出金の権限は誰に与えるのか、等。
 上記のように分解、整理していくと、各時点時点で留意するべき点が見えてきました。

 実際に業務を行ってはいない私が一人で留意点を全て挙げることも困難であるため、問題を分解、整理したことで会社の方とも円滑に相談ができ、非常に有意義だったと思います。

 一見複雑な事象に出会い物怖じする前に、一度シンプルに考えられないか立ち止まることを今後も心がけていきたいと思います。

「若さを武器に」

 先日、税理士講座を受講していた専門学校の合格祝賀会に参加してきました。
 長い間お世話になった講師の方々に今までの感謝の気持ちを伝えることができ、改めて「合格したんだ」と実感するとともに、これからより一層気を引き締める必要があるということを再確認しました。

 また、立食形式の祝賀会であったので、今まで面識のなかった他の合格者の方々とも多く交流することができました。
 税理士試験の特徴でもあるのですが、参加されている合格者の方の年齢は、二十歳の方から自分の親と同世代の方までと幅広く、様々な年代の方と交流を持つことができ、非常に貴重な時間となりました。

 その中で感じたのが、合格者の方はそれぞれの年代で幅広くはいるものの、やはり若い世代の方が少ないということです。
 国税庁が出しているここ数年間の分布表を見ても、35歳以上の方が合格者の過半数を占めている状況となっていますし、祝賀会の際に税理士事務所を経営されている方々と話していた際にも、「若い世代の求人が思うようにいかない」と仰っていました。

 ただ、その一方で、某会計ソフト会社の方と話した際には、「最近では若さを売りにして20代で独立する方も結構いる」と仰っており、若い年代が減っているからこそ、その点を武器にすることができる、とも感じました。
 若さを武器にできるのも今のうちだけであると思いますが、まずは20代のフットワークの軽い税理士になるため日々の業務に全力で取り組み、その過程で他の強みも見出せるようにしていきたいと思います。

 「お気軽にご相談ください」

先日、今年から個人事業を始めたという方からご連絡があり、弊社にお越しいただきました。こちらから出向くことも可能ですが、初対面ということもあり、弊社を直接見て雰囲気を少しでも知っていただくことで安心感が生まれればとの思いからです。

 ご自身で会計ソフトを購入されネットで検索しながら、仕訳もある程度まで入力したものがあっているかどうか見てほしいとのご依頼でした。中身を拝見してみると、かなり複雑な処理がされており、間違いではないのですが、これでは手間がかかりすぎてしまうのでは・・・という印象でした。仕訳の誤りを指摘しつつ、あわせて入力パターンについてもお伝えしました。個人事業の方であれば、お金の流れは預金か現金か事業主自身のいずれかに限られますので、そこを軸に処理していくことで単純でミス無く処理が可能になると思います。

 また、メールや電話とは違い、顔を突き合わせることで会計処理のみではなく、業務についてのお困り事なども話していただけました。さらに、来年以降のことにも話しがおよび、今後の売上見込みをお聞きしつつ、税額算定の仕組みや資金繰りなど前向きなご提案をさせていただきました。

 近頃は、ネットで検索すれば、たいていのことは答えが見付かりますが、そこに行き着くまでの道のりや、その後の展望については各々の状況に応じて全く異なります。お話を伺いつつ、その方に最も適した方法をご提案できればと思っております。より良い方法が見付かるかもしれませんので、些細なことでもお気軽にご相談いただければ嬉しく思います。

仕事観いろいろ

先日、友人から相談を受けました。
「自分のペースで好きなだけ仕事をしたいのに、会社から早く帰るように言われる。
管理職待遇なので残業・休日手当は無く、深夜残業手当は出るが、申請するつもりはなく、そもそも十分な処遇を受けているので不満もない。何か問題なのか?」との趣旨でした。
 
 今までは「会社が労働者を働かせる際に気をつけること」という視点から法律を考えることが多かったのですが、「仕事意欲のある労働者の弊害になるもの」という視点から考えたことがあまり無かったので新鮮でした。
 
 まず、残業代が無いからいくらでも働かせてよいという解釈はなく、管理職は役員ではなく労働者なので、有給、労働日と休日の明確な線引きが必要で、もしケガなどした場合は労働時間か否かで労災の適用にも影響します。
 会社も心身の健康を害するような労働を看過してはダメですし、ブラック企業というレッテルの社会的制裁は重いものです。
 また、国の方針として労働時間削減、有給消化促進などいわゆる「時短」を進めているので企業側も対策を余儀なくされています。
 もちろん一時的なものではないため国策「時短」の大きなトレンドは今後も続いていくでしょう。今春にも一定条件がありますが、有給消化義務を含む労働基準法の改正がある予定です。
 
 「仕事への熱意、モチベーションを上げるにはどうすればいいのか?」といった人事面の相談や、そのジャンルの啓発研修・書籍も多くあります。
 仕事意欲のある人にとって法律やトレンドの「時短」がボトルネックになっていると考えると「もったいないなぁ」と複雑な悲しい気持ちになります。

 法律がボトルネックの場合は経営努力で改善できませんが、意欲・能力を生かせるような幸せな労働環境整備には経営者の影響が大きいと思います。
 参考になるような事例があればご紹介できるよう、今後も情報収集・自己研鑽に努めていきたいと思います。

「企業版ふるさと納税」

 現在のふるさと納税は、個人が限度額の範囲で寄付をした場合には、所得税や住民税から2,000円を超えた分が控除されることに加え、寄付をした自治体からお礼品がもらえるため、非常に関心の高いものとなっています。また、昨年は確定申告不要制度が開始されたこと、限度額が増えたことにより、利用件数、金額ともに拡大したようです。

 このふるさと納税が企業でもできる仕組みが平成28年度税制改正で検討されています。法人が国や地方公共団体に対して行う寄付は、現行の制度でも全額経費になりますが、今回の改正ではさらに法人税等から税額が控除される優遇制度を設ける予定です。つまり、寄付金として支出した金額が経費になり、かつ、税額も控除される制度です。税額控除を受けることができる金額は会社によって異なりますが、寄付をした金額の最大30%です。

 企業版ふるさと納税の対象となる寄付金は、自治体が行う事業のなかでも、地方創生につながるものでなければならず、事前に認定を受けたものである必要があります。詳細はまだ決まっていませんが、東京都や特別区など財政力の高い地方公共団体や、法人の主たる事務所が立地する地方公共団体への寄付は対象外で検討されています。

 平成28年4月1日以後に開始する事業年度より適用予定ですが、この制度ができることによって、企業にとってどのようなメリットがあるのか今後も注目するとともに他の改正事項についてもご案内していきたいと思います。

「新年の抱負」

私事ではありますが、昨年末の税理士試験の結果発表により、無事に最終合格を果たすことができました。
登録手続きが完了していないため、現状は「税理士」と名乗ることはできませんが、これから手続きを進めていく予定ですので、登録完了の際には改めてお客様にもご報告をさせていただきます。
税理士試験合格者という名に恥じぬよう、これからは今まで以上に精進し、税金のことだけではなく様々な面でお客様に頼っていただけるような税理士を目指していきたいと思います。
 
また、プライベートの面では、「週1回は自炊をする」を目標に掲げていきたいと思います。
一人暮らしを始めて約2年が経ちますが、恥ずかしながら自炊はほとんどしておらず、外食などに頼りきっている毎日なので、今年は週1回は自炊をすることにより少しでも食生活を改善し、体調管理に気を付けていきたいです。

「人」

個人的なことでありますが、昨年の晩秋に子供が誕生しました。
世間一般で言う子供のことは、好きなほうではなかったと思うのだが、自分の子供が誕生してかわいいと思えているのでほっとしている。
心境の変化だろうか、他人の子供を見てもかわいいと思えるようになったのも、良いことなのだろう。

昔、子供はいつまで見ていても飽きないと聞いたことがあるが、確かに生まれて1ヶ月や2ヶ月の赤ん坊を見ていると飽きない。
泣きたいときに泣く、眠たくなれば寝る、ミルクが欲しくなれば泣く、うんこをしたいときにうんこをするなど、まさしく本能のままに生きているからだろうか。

そういう姿を見ていると、子供が親からあれをやったらだめ、これをやったらだめと言われている光景が思い起こされた。
他人に迷惑をかけることは避けなければいけないが、本能のままに生きている姿を見て、これが人間の本来あるべき姿なのではないかと思う部分もあるので、できるだけ制限をかけないような育て方ができれば良いと思う。
あくまでも理想なのだが・・・。

企業経営の分野で言うと、人材の教育と似ているのではないかと思う。
特に新入社員の場合は、他の企業の色がついていないから、育つも育たないも自社の教育次第になるだろうから、まさに子育てと言えるのではないだろうか。
人材の教育は難しいことからすれば、子育ても難しいことは容易に想像できる。

子供をお持ちの経営者の方はもちろんですが、人材の教育という面でも経験豊富だと思いますので、機会があれば子育て論について教えていただければ幸いです。