「めんどくさがりの効用」

 何を隠そう、私はもの凄くめんどくさがり屋です。
すぐサボることを考えてしまいます。

 ただし、それはやるべきことをやらずに投げ出す意味ではありません。
なんとかうまいことサボって、楽に同じ価値の成果物を作れないか、と考えることです。

 例えば弥生会計の入力。
初めて弥生会計に触れたのは今から2年前、ちょうど当法人に勤めるようになってからでした。
その時、一つ一つの取引を記帳するにあたり、
「日付を入力し、勘定科目をリストダウンから選択、金額を入力して、摘要に文字を打ち込む。」
という原則的な方法をとっていました。
始めは、仕訳を入力することで試算表が出来上がっていく様が新鮮で楽しくできていたのですが、同じような取引ばかり入力するので、段々めんどくさくなってきました。

 すぐさまgoogleを開き「弥生会計 仕訳 コピー」と検索して、
「Ctrl+l」で仕訳コピー、「Ctrl+y」で仕訳貼り付けができることを知りました。
それを使うようになってから、同じような取引に対してリストダウンから勘定科目を選択する時間、摘要に文字を打ち込む時間は無くなりました。
他にも、
「勘定科目や補助科目を頭文字を打ち込むだけで呼び出す」
「定型仕訳を辞書登録し、複雑な振替伝票を一瞬で出す」
「alt+←or→でページ戻し、送り」等、
よく使いそうなショートカットキーを覚え効率化を模索しています。

 エクセル作業でも同じです。
セルや文字の色を変える、表を作る等のよく使う作業はショートカットキーを設定し、ボタン一つでできるようにしています。

 めんどくさいと思ったことはうまくサボる方法をこれからも考えていきたいですし、便利だと思うことは所内でも、またお客様に対しても還元していくことで効率化を目指し、より価値の高いサービスの提供に努めて参りたいと思います。

「フォワードの法則」

 先日、娘の発表会で親子連弾(一台のピアノを二人で弾く)をしました。

 今年で3回目で、年明けから一日30分ほど夕食後の練習生活が半年以上続きました。少し背伸びをしたレベルの選曲をしたため、想定以上に練習と時間の工面が大変でしたが、今となってはすべてがいい思い出です。
 娘のレッスンに同行し、先生からアドバイスを受けるのですが、あまりに練習通りに弾けず、この歳になっても緊張するものなんだ、と技術面以外の課題にも悩んでおりました。
 
 色々、緊張対策?などをネットで調べたりする時期が続く中、ある本に出会いました。
 スポーツ選手のメンタルトレーニング専門の医師が演奏者向に書いた本で、本番で「気分がいい」状態を自分で作るには「フォワードの法則の3つのマインド」が大切と知り、心に響きました。(例はスポーツ選手が多いですが、演奏者向けにはコンクールなどを想定して書かれています。)
 
 一つ目は「尊重・尊敬」で、どんな人のアドバイスも受け入れる。
人は尊敬している人の意見は受け入れるが、そうでない人の意見は聞くだけで、受け入れない、という心理を意識的に変えるものです。マイケル・ジョーダンも「リスペクト」が成功のカギと色々なインタビューで話しています。
 二つ目は「応援」して自分のエネルギーを高めるのです。
応援すると自分もパワーがつく、という経験はオリンピックで記憶に新しいのではないでしょうか?相手のプレー如何で自分の心が乱れるよりも、心から応援する方が平常心を保てる、とタイガーウッズも語っています。
 三つ目は「感謝」で、高橋尚子さんは「あなたのおかげで自分も頑張れる!」とライバルに感謝して走ると、「負かしてやる!」と思って走るときに比べタイムがいいそうです。筋肉の緊張や血管収縮が少ないため酸素効率もいいそうです。
 
 演奏家やスポーツ選手など数秒・数分の世界で評価されるには、日々の練習のみならず一瞬にかける思いや、本番に強くなるためのメンタルトレーニングなど色々な試練があると痛感し、大変勉強になった夏でした。

「ブランディング」

 先日友人から、勤務先の会社で″自社をブランド化する″ことが決まり、そのために社内の意識改革としてトップキャラバン(職種やキャリアを越えた意見交換)が行われたという話を聞きました。自社の強みをアピールし、そこに価値を見出す消費者とのマッチングにより関係性を確固たるものにするのが狙いのようです。

 ブランディングとは、辞書によると商品やサービスのコンセプトを特定のユーザーに価値があると認識させ、市場でのポジショニングを築く戦略のことです。
あわせて、会社のブランド化について調べてみると、企業はブランディングの確立によって商品に対する価値とともに、共感や信頼などを得られるため、差別化ができた顧客を獲得することができるようです。
ブランディングと聞くと、高級ブランドをイメージしがちですが、特別なことではなく、近所の本屋さんや八百屋さんなど、ブランドとは縁がなさそうな商売でも、そこで商品が買われるのは消費者が価値を感じているからです。

 例えば、使い勝手の良さであったり、商品の新鮮さであったり、店主の気立てであったりを消費者が価値として認識し、お店もその価値を商売の強みとしているためです。
つまり、私たちがもっと意図をもってブランディングを意識することで、より消費者に支持され、成功に導ける可能性があがるようです。

 たくさんの税理士事務所があり、たくさんの税理士がいるなかで、自分自身も強みやウリを見出だしてブランド化していけるよう努力したいと思いました。

「103万円の壁が崩れる!?」

「配偶者控除」の検討がニュースになっています。
 103万円の壁を150万円に引き上げるとか、「配偶者控除」の代わりに「夫婦控除」の導入が検討されるとか、新聞の報道でも二転三転しています。
 最終的にどうなるかはまだ分かりませんし、結局何も変わらないのかもしれません。

 「配偶者控除」とは、専業主婦やパートタイムで働く妻がいる世帯の税負担を軽減する制度です。
 具体的には、妻の給与収入が年間103万円以下なら、夫の給与所得から38万円が差し引かれて所得税が計算されるため、夫の税負担が軽くなります。
 加えて、妻の収入が103万円を超えなければ、妻自身も所得税を負担しないで済みます。
 103万円を超えることによる税負担等を避けるため、働く時間を調整して収入を103万円以下に抑える主婦が多く、配偶者控除が適用されている人は1400万人に上っています。

 昨今、女性がこの控除適用を受けるために本格的な就労をためらうことが、女性の社会進出を妨げている面があると言われてきました。
 また、従来の家族形態に当てはまらない世帯が増え、「配偶者控除」は時代にそぐわない、既に存在意義が希薄化したものとの見方が広がっています。

 今回もし「配偶者控除」が廃止されることになれば、これまで恩恵を受けてきた層は増税となる可能性があり、当然反発が出ると思います。
 しかし、「103万円以下に抑えよう」という余計な計算をしないで済むようになることは、税制に左右されずに働き方の選択肢が広がることにつながると思います。
 働く主婦として他人事でない私としては、女性がより前向きに働けるような、公平な税制となることを期待しています。

「異文化に触れる」

 先月、スペインに一週間ほど行ってきました。
 ここ数年、日本でもスペインバルのお店が増えてきた印象があり、パエリアやアヒージョなどのスペイン料理はわりと馴染みがありましたが、スペインでは一日5回食事をとるようで、日本の食生活と大きく異なっていました。
 日の出、日の入りが日本より2-3時間遅いことが影響しているようですが、7-8時頃に朝食、10-11時頃に間食、14-15時頃に昼食、18-19時頃に間食、21-22時頃から夕食というイメージで、飲食店がオープンする時間も日本より遅く、なかなかリズムがつかめませんでした。
 夕食の時間が遅いので、朝食は軽く済ませて、間食にバケットやサンドイッチを食べたり、昼食がメインになるようで、仕事はどうしているのだろうと思いましたが、自分や家族など仕事以外の時間を大切にするという文化の表れで、仕事に対する価値観が違うのかなと思いました。

 また、旅行中に駅構内で働いている人に道を尋ねたとき「案内係りではないので、インフォメーションで聞いてほしい」と何度か案内所を教えてもらう場面がありました。
 日本人は丁寧な人が多いですが、スペイン人は自分の仕事に対して担当業務や職務範囲を明確にもっていて、はっきりと自分の意見を主張するという印象も受けました。

 日本では現実的でないこともありますが、日本の常識の範囲を超えた外国の文化や価値観に触れることも新鮮でおもしろいなと思いました。

「メリハリをつける」

会計事務所の業務というと、年末からの半年ほどは、年末調整、確定申告、法人決算などが重なり繁忙期です。
 一方その時期を外せば、通常の月次処理や、決算月の異なる法人の申告作業が主たる業務となり、締切に追われるようなケースは少ないように感じます。

 よってこの時期は、新規業務の受注、自己研鑽、あるいは繁忙期に溜まった疲れをリフレッシュするなど、自分の時間を作りやすい時期になります。
 私は、溜まった疲れを取って気分を一新してこれからの業務に取り組めるよう、数日間有給休暇を頂き、以前から気になっていた和歌山県の白浜を訪ねたり、趣味の時間に充てたりすることができました。

 しかし、このように自分の時間を作りやすい環境で働くことは当たり前のことではないと最近よく思います。
 先日食事をした友人からも、前回いつ有給休暇を取得したかも思い出せない程に働き詰めで自分の時間が作りづらい、といった話を聞きました。
 その会社ではスタッフの不満も多く、離職率も高いようでした。

 どの業種であれ、どの会社であれ繁忙期はもちろんあると思います。
 ただ、最近になってワークライフバランスがより注目されているように、やはりどこかで自分の時間が使えるようなバランスは大切で、それが結果として我々スタッフの満足度の向上、更にはお客様へのサービスの向上に繋がっていくように感じます。
 自分の恵まれた環境に感謝しつつ、メリハリをつけた業務を今後も心掛けていきたいと思います。