人の心は見ることができませんが、心遣いは見える、というように「思い」や「考え」は言動に表れます。
しかし、実生活では自分の「思い」と「行動」の間に、矛盾がある場合が多々あり、意識的・無意識的にも私たちは自分の考えを変えて行動を正当化し、矛盾を解消して暮らしています。
悪いことでは無く、この心理作用自体は正常なもので、うまく作用しないとストレスがたまってしまいます。
例えば、ダイエット中なのにケーキを食べる、禁煙中なのにタバコを吸う、など考えと行動が矛盾する時は自分の行動を都合よく正当化しているのです。
正当化のパターンが人それぞれあり「その人らしさ(パーソナリティ)」の要素になっています。身近にもいませんか?またそのパターンのヘリクツ!?と思う時ありますよね(笑)
この心理作用に関する面白い実験がアメリカでされています。
男子学生に単純作業をさせ、作業後、男子学生は女子学生に対し「楽しい仕事だった」と嘘をついて貰います。男子学生は3グループに分け報酬70ドル、1ドル、報酬なし、という条件です。
結果、報酬1ドルのグループが嘘をつくのが上手だったという結果になりました。たった1ドルで「つまらない」のに「楽しかった」と嘘をつくくらいなら「楽しかったことにしよう」と言動を正当化し心理的なバランスをとるのです。
報酬なしのグループは「つまらない」作業を「楽しかった」と嘘をつく対価がなく、つまらないものはつまらない、と考えと行動が一致しました。
一方、報酬70ドルのグループは「つまらない」作業を「楽しかった」と嘘をつく対価を得ているので、「つまらない」ものは「つまらない」と自分の考えを変える必要がなく、「楽しかった」と言えるのです。
「考え」と違う「行動」に値段がつくと考えることが私には新鮮でした。
よくよく考えてみると、ご褒美如何で自分の考えや行動が変ることは誰でも経験されていると思うので、これからは自分の心理変化に気をつけてみようと思いました。