『仕事のストレスとは?』

 労働保険の年度更新時期になりました。 
 近年、「うつ」などの精神障害による労災は右肩上がりで給付額も増加のため、労働安全衛生法の改正が検討されています。
聞き慣れない法律ですが、定期健康診断はこの法律に基づいて実施されています。
 改正の柱として、「ストレスチェック制度」が創設される予定です。(50人未満の会社は努力義務とされる予定)

 ストレスチェック実施後、希望する労働者が医師と面接し、必要に応じて会社は作業の転換、労働時間の短縮などの措置を講じる義務が出てきます。
 定期健康診断の結果は本人の同意なく会社に結果が通知されますが、ストレスチェックは本人の同意がない限り会社に情報開示されないようです。
 どれくらい有効なのか疑問ですが、メンタル面への関心が高まることは確実ですね。

 どんなストレスチェック方法が出てくるのか興味深いですが、仕事のストレスを客観的に位置づけようとした人がいます。
 ストレス研究の心理学者カラセックの「仕事要求度・コントロールモデル」では仕事でストレスに感じるかは次の3つの要素が絡む度合いであるというものです。
・仕事の要求度・・・仕事量、納期の長短、難しさ
・仕事の裁量度・・・仕事を自由にする裁量がどの程度あるか?
・上司や同僚の支援・・・困ったとき、周りの人がサポートしてくれるか?
  仕事が多くても、自分で自由にできる権限が与えられていたり、上司や同僚がサポートしてくれる状態があれば、感じるストレスは軽減されたり、むしろいい刺激になります。逆に要求度・裁量度・サポートが低いと受身でモチベーションが上がらず、こちらもストレスです

 「仕事の要求度」はなかなか自由にできない要素ですが、「仕事の裁量度」「上司や同僚の支援」は、ある程度会社で工夫ができる要素なので仕事量を減らさずストレスを減らす方法は可能なのです。実に興味深いですね。