おすすめの統計

 自社の給与水準は世間相場、同業他社の水準に比べてどうなのか?と質問を受けたり、 最近では法改正の影響もあり高齢者の再雇用処遇、年金関係の相談も多く受けます。

  個々の年金と報酬の相談などは具体的にご提案ができるのですが、処遇水準となると悩ましい問題です。

  参考程度でいいので目安・比較対象がほしい!との希望とは裏腹に、しっくりくる統計資料がないと思ったことはありませんか?

 労働関係の一次統計が下記HPにあるのですが、この中にもある私が面白いな、と思う「ユースフル労働統計(労働統計加工指標集)」を少し紹介します。

・http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/index.html

 すべてHPで確認できますし、購入もできます。ちなみに既に2012年版が出ています。

  例えば、賃金格差をみると・・・

 年齢別、性別、産業別、学歴別、企業規模別、都道府県別などありますので、比較的自社の平均水準を算出できると思います。

 一例として・・・年齢間賃金格差指数(産業別)をみると、5歳単位で産業別になっており、新卒時の指数を100とすると、50歳になると製造業の場合200なので新卒年収の2倍が目安です。

 また、別の統計で、企業規模間賃金格差(学歴・性別)をみると1000人以上の企業を指数100とすると10~99人の規模は指数75なので大卒・男性の場合、上場企業の3/4が目安になると思います。

「ユースフル」という名の通り、参考になりそうなものが多く、読みやすい解説がついているのでお勧めです。

  ほかにも部長、課長比率のデータもあります。

 部長・課長が一番多い業種は建設業で一番少ないのは運輸業・通信業になっています。そのため、運輸業・通信業は部下の数が一番多く、80~100人、建設業では10人~20人だそうです。産業別に違うところもおもしろいですね。

  経営者向けというわけではないので幅広い人に活用いただける興味深い内容だと思います。

 世間相場が常に気になる方、忘れた頃に気になる方、ふと急に気になる方・・・ユースフル労働統計を頭の片隅にでも置いておいていただければと思います。

1.01の法則

 先日、知人に面白い言葉を教えてもらいました。
1.01の法則 

 1.01の365乗=37.8

  こつこつ努力すれば、やがて大きな力となります。
0.99の法則 

  0.99の365乗=0.03

  逆に、少しずつさぼれば、やがて力がなくなります。
 こちらは楽天の三木谷社長が以前執筆された本の一節であり、インターネット上で最近再び話題になっているようです。
この法則は要するに「1.00」をベースとして考えた際、1.01のようなちょっとした努力や成長でも365日積み重ねると大きな力になると言うものを数式にしたものです。

 コツコツやりなさいと言った格言やことわざは、「千里の道も一歩から」、「塵も積もれば山となる」に代表されるように昔からたくさんありますが、1.01の法則は数字で明確になっているからか、私にとってはこちらの方が直接心にズシリと響きました。

 知人はタイの方のフェイスブックで見つけたようですので、数式になっている分、海外の人にも受け入れやすいのかもしれませんね。

 1.01と0.99はたった0.02しか違わないのに…
たった一年でとんでもない差がでてしまいました。
少しの違いですがその違いを積み重ねていくと、このように結果的として歴然とした差が出てくるのですね。
0.99の法則につながっていることで努力を怠ることの恐ろしさまで伝わってきます。

 当たり前と言えば当たり前のことですが、表現のチョイスが面白いと感じました。

 三木谷浩史社長の本「成功のコンセプト~Principles for success~」をさっそく読んでみたいと思います。

少数派も検討する

「人の行く 裏に道あり 花の山」
この株式相場の有名な格言をご存知でしょうか。

これは多くの投資家がとる行動とは逆の行動をとったり、注目を集めていないものに注目することが、大きな成功につながるという意味のものです。
投資には勝ち負けの要素が多分に含まれますが、他の人と同じ行動をとっていては勝機が少ないということでしょう。
個人的にも、昔、勉強を兼ねて株式投資をしていたときに、財務内容は良いが人気のない株式に狙いを定めた結果、うまくいったことがありました。

そして、この格言は株式投資だけでなく、ビジネス全般においても有効だと思っています。
昔の職場を含めると、私が担当させていただいたお客様は100社を超えますが、独自の行動をとっている会社は業績が良かったと思います。
その行動例を一部ご紹介します。

(1)交際費削減の時代の中で、あえて交際費を増やす。
統計上、交際費はバブル景気の頃に比べ半減しています。
接待が多い時期よりも少ない時期に行った方が、同じ10万円を使うにしても効果は全く異なるとの考えです。

(2)不況時に人材採用を増やす。
不況時は多くの会社で採用数を減らすので、その分優秀な人材を確保するチャンスが増えます。

(3)景気の良いときに投資を減らして余剰資金を作り、不況時に投資を行う。
不況時は多くの会社で資金繰りが悪化し投資が縮小します。
そういう時期に投資計画を立てることにより、通常よりも安く設備投資ができたり、ローリスク・ハイリターンの投資商品に巡り会えることがあります。

これらの行動例は、需給関係を意識して、少数派にまわった方が競争相手が少なく、良い条件で取引できることを狙ったものです。
勝ち組の多かった高度経済成長期とは異なり、今日の低成長期においては、周りと同じことをしていては生き残ることは難しいでしょう。
ただ、多数派と異なる行動をとることは、孤独や不安と戦うことになりますが、その方が本当の成功を収める可能性が高まると思います。
もちろん、常に少数派が良いわけではありませんが、経営判断をする上で、少数派の選択も検討すると良いのではないかと感じています。

by 加古宗利

「数字のからくり」

 先日、こんな経験をしました。

 以前から気になっていた商品がバーゲンになっていたので、それを買いに行った時のことです。

 そのお店には、『2点以上購入で、さらに10%OFF』の表示がされていました。

 そこで店内をざっと見てみたのですが、他に欲しいものも無く、目的の商品だけを持ってレジに並びました。すると、店員さんから決まり文句のように「もう1点購入いただけば10%OFFになりますよ。」と言われました。

 分かってはいたのですが、無理して買うのも・・・と思い、結構ですとお断りをしました。

 すると、その店員さんは近くにあった商品を手にとって、「これを持って帰っていただくだけで、1点目の商品がさらに安く買えるんですよ。」と。

わたしは一瞬、何のことを言っているのか理解できなかったのですが、目の前で電卓をたたき、計算してくれました。

 店員さんによれば、1点目15,000円の商品に2点目1,000円の商品を購入することで、2点で14,400円になるのです。つまり、そんなに欲しくないかもしれませんが、2点目の商品を持ち帰るだけで、もともと欲しかった1点目の商品がさらに安く買える計算になるのです。

 わたしは、欲しい商品をもう1点探すことしか考えていなかったのですが、うまく利用すればそんなお得な方法があるとは・・・と大変驚きました。

 不要なものを手にすることへの是非はあるかもしれませんが、今回は使い続けられそうな商品を勧めてもらえたので、喜んで2点購入し、さらに10%OFFしてもらうことにしました。

 自分では気付くことのできなかった、数字のからくりに驚くとともに、店員さんの親切に感謝しました。もしかしたら販促の意味もあるのかもしれませんが、わたしにとっては大満足の結果でした。

「怒りのマネジメント」

人並に悩んだり、イライラしたりする事がありますが、気持ちの切替えに時間がかかる点を改善したくて、時々心理学や思考法に関する本を読みます。
先日、“「怒り」のマネジメント術”(安藤俊介著)という本を読んだのですが、いくつかはっとする気づきがあって興味深かったのでご紹介します。

怒りのメカニズムは、
①出来事との遭遇
②出来事の意味づけ
③怒りの感情の発生 となっているのだそうです。
①→③ではなく、出来事に対して怒りの感情が湧いてくるかは②のステップが介在します。
その人が出来事に対して「許せない・間違っている」と意味づけた時が③につながります。

“同じ出来事でも怒る人もいるし怒らない人もいる。出来事は出来事でしかない。”冷静な時に聞けば、それはそうだ、という感覚ですが、そうでない時は、誰もが当然腹が立つ(私は正しい)というような感じで怒っていないでしょうか?しかしその「許せない・間違っている」という感覚は人によって千差万別です。
“怒ることによって何か得をすると思っていませんか?怒ると自分の思い通りになると思っていませんか?”との問いかけには、そういう時もあるかも…、と痛い所を突かれた感じです。

本の中では、対症療法的・体質改善的アドバイス両面が書いてあり、なるほどと思うことが多かったです。
例えば、即効性のあるものとして、怒りにレベルをつけるという方法があります。10段階として、“今の怒りは4だな、5だな・・・”という具合です。目の前の怒りから意識をそらすという点で有効です。
体質改善的なものとしては、自分の怒りを記録する事、があります。自分の怒りやすいパターンや地雷の様なものを記録から分析し、問題となるものを避ける、避けられないなら心構えをするといった行動につなげます。

怒ってはいけませんというのではなく、目標はあくまで怒りの“マネジメント”とし、“必要のない事では怒らない、怒るとしても表現や場所を選ぶ、怒りに振り回されない対処をする事が自分と周りの幸せのために大事”と伝えています。
怒りの感情に縁のない方はなかなかいらっしゃらないと思うので…、皆さんもご一読いかがですか?

歯の治療

先日、平成24年分の確定申告により医療費控除を受けました。 あろうことか名古屋に来る前に前歯2本が抜けてしまい(元々乳歯だったのでいつかは抜けると言われていた)、口腔外科のある歯科医院でインプラント治療を受けているためである。 医療費控除を受けられるのは嬉しいことだが、前歯が抜けたことのほうが何倍も悲しかった…。

 

長い目で見るとインプラントが良いと勧められたのと、この先何回も歯をいじられたくないと思いインプラント治療を行うことにした。治療を始めたのだが「インプラントってこんなに時間がかかるの?」と驚きだった。素人の発想だが歯を埋めるだけだと…。 簡単に流れを説明すると、『仮歯の設置⇒CT撮影⇒顎の骨にボルトを埋める⇒ボルトが顎の骨になじむまで2ヶ月程度経過観察⇒上下歯の型をとり義歯を作成⇒義歯をボルトの上に付ける』といった具合。 思ったよりも大変だった上に、歯の治療嫌いの私には忍耐も必要だった。

 

医療費控除の話も少し触れてみよう。国税庁のホームページ「医療費控除の対象となる医療費」では、歯科医師による治療の対価及び医師等による治療に直接必要な義歯の購入費用は、医療費控除の対象として認められている。 ただ、「一般的に支出される水準を著しく超えると認められる特殊なものは医療費控除の対象になりません。」と書いてあるので、「インプラント治療はどうなの?」と思う人もいるかもしれない。 そこで、念のため名古屋の税務署に問い合わせてみた。インプラント治療は医療費控除の対象となると明確に即答してもらえたので問題はないようだ。

 

私のインプラント治療は終盤に差し掛かっている。この先、医療費控除が受けられたとしても歯科治療の世話になりたくないのだが、そうもいかないのだろう。

「相続税と贈与税の税制改正(一部)」

 去る1月末に平成25年度税制改正大綱が公表されました。
法人税については減税についての改正、所得税・相続税については増税・減税が混在した改正内容になっています。最終決定されましたら、石田会計からも詳細をお伝えしていきますが、一足先に相続税と贈与税の改正内容を一部ご紹介したいと思います。

 相続税の中で大きな改正の一つだったのが相続税の基礎控除の引下げです。
基礎控除とは相続財産がいくらまでなら税金が生じないという控除額を表します。
今までは5,000万円+1,000万円×法定相続人の数が基礎控除額として控除されていました。
今後は3,000万円+600万円×法定相続人の数が基礎控除額として控除されます(平成27年1月1日以降発生する相続より適用予定)。

 例えば父が亡くなり、妻・子が2人なら8,000万円まで税金が生じなかったのが4,800万円までとなります。今までよりも相続税を意識しないといけない人が増加するのは確実になりそうです。 ちなみに現在、死亡した人のうち相続税が発生している人は全国平均でおよそ4%といわれています。この改正により4%から6%に上昇すると見込まれています。
地域別にみると、東京では13.53%、愛知では11.82%、大阪7%になり、やはり大都市圏での影響は大きくなります。

 また贈与税では税率の見直しがされました。
20歳以上の者が直系尊属(父母・祖父母など)から贈与を受けた場合には基本的には税率は引き下げとなる方向です。(4,500万円超の場合は逆に引き上げになります)。
その他の贈与場合には1,000万円~1,500万円までの贈与の場合は税率が引き下がりますが、3,000万円超の場合には逆に引き上げとなります。(平成27年1月1日以降の贈与からの適用予定)。

 また直系尊属が孫(30歳未満に限る)に教育資金をまとめて贈与するような場合には、1,500万円までは贈与税がかからない枠が構築されました(平成25年4月1日~27年12月31日までの間に拠出されたものが対象予定)。ただし、一定の要件を求められます。

 今回の改正では基本的に相続税は増税傾向に贈与税は減税傾向にありましたので、相続税の生前対策として贈与を上手に活用することはますます大切になってきそうです。
気になることがありましたらご相談頂ければと思います。