「できることとやるべきこと」

 1~2年前だったと思いますが、友人と仕事の話をしていた際、「明日でいい仕事は明日やるという考え方に変えた」という発言に新鮮な気持ちになったことがあります。
 勤勉な日本人の傾向としては、何事もできることは前倒しで、今日やれることはやってしまおう、という考えの方が多いのではないかと思います。その逆にあたる“後回し・先送り”、という言葉にはやるべきことをやっていないというマイナスの印象があります。

 前倒しのメリットは、余裕のある状況を作り出すので突発的な事態にも慌てないで済むことと、締め切りに追われるストレスがないことでしょうか。勿論それは素晴らしいのですが、自分の時間は限られていますし、むやみにできることをやっていこうとすると残業しがちになりそうです。
 どちらの考えが良いという結論になるものではないと思いますが、“できること”ではなく“すべきこと”を吟味した結果、明日でいいことは後回しでいいのだと思います。

 つい残業しがちな私は冒頭の言葉を聞いてから、あえて、明日でいいことは明日にしようということを意識するようになりました。以前は後回しにしている仕事があると重要度にあまり関係なく何となく嫌な気がしていたのですが、考えた上での後回しという意識を持つことで気持ちがすっきりしていることが多くなったような気がします。このように優先順位をきちんと考えられることは仕事の効率化や満足度の高い仕事の提供に繋がると思っています。
 頭の回転が鈍い時は、調子を上げるために急ぎではない仕事から片付けて気分を上げていくこともありますが、そんな時もやるべきことに支障をきたさない範囲でと意識しています。最近、ようやく頭になじんできた気がします。

「家計の管理」

最近結婚し、家計を管理することになったため、『誰も教えてくれないお金の話』という本を読んでお金の使い方を勉強しました。その本から「自分は節約しているつもりなのになかなか貯金ができない」、「月末になると手元にお金がない」という誰でも陥りがちなお金の問題の解決方法を学ぶことができました。

毎月の家計を突き詰めて考えると「収入―支出」というとてもシンプルな構造になります。つまり月末に手元にお金がないという状況は、自分の労働の対価である収入と支出のバランスが取れていないという状況を示します。お金の問題を解決するためには、「毎月入ってくる収入」と「毎月手元にどれだけ残せるか」の両方を考える必要があるのです。

お金の問題を解決するために必要な作業が2つあります。
(1)P/L損益計算書(家計簿)をつける
家計簿をつける目的は、家計の現状を数字で判断し、お金の流れを把握することです。毎月のお金の流れを比較し続けることで、費用の割合を知ることができ、身の丈以上の生活をしていないか確認することができます。
家計における効果的な節約の順番は、①固定費の節約②ムダ使いの節約③変動費の節約(食費、衣料費等)④時間の節約だそうです。

(2)B/S貸借対照表をつける
資産=持っている資産の総額、負債=借金の額、純資産=資産から借金を引いた本来もっている額となります。家計簿では収入と支出しか分かりませんが、純資産が分かると「家計が本質的に安定しているか」が数字で見えてきます。
目標となるべき純資産の年代別の数値ですが、20~29歳:年収と同じくらい、30~39歳:年収の2倍、40~49歳:年収の3倍、50代以上:年収の5倍だそうです。

この本を読んでさっそく家計簿を購入し、つけることにしました。また、B/Sを作成し、長期的な視点からも家計のバランスを整えて「ゆとりのある生活」をおくれるようにしていきたいと思います。

「当たり前を見つめ直す」

週末を利用して、東海地区初上陸として話題となっている会員制大型スーパーマーケット「コストコ」に行ってきました。
週末ということもあってか、店の周りには長蛇の列ができており会員登録をするのに1時間ほど待ち、会員証を受けとった後に再度20分近く待ってやっと入店できました。

いざ店内に入ってみると、大型倉庫内に食料品・日用品など様々なジャンルの商品が、ロールパンは36個で1袋、インスタント麺は40袋あたりでの販売という、近所のスーパーマーケットでは考えられないほどの販売単位で売られている中、周りのお客さんを見渡してもカートが溢れるくらいに商品を購入しており、コストコの人気ぶりがうかがえました。

コストコがここまで人気の理由はやはり、ロールパン36個で498円(1個当たり約13円)などという「超低価格」にありますが、この「超低価格」は、
①箱売りなどによるまとめ売り
②商品を売れ筋商品のみに限定
③メーカーから運ばれた商品をその状態のまま棚に運んで売り、品出しの手間を省く、
といった経費の削減により実現されています。

さらなる経費の削減として、CMやチラシなどの広告・BGMや店内の装飾をほとんど行わず、広告宣伝費などにお金をかけないという点も徹底されています。
スーパーマーケットなどにとってチラシなどの広告宣伝はして当たり前で、多くのお店は広告宣伝を行っているイメージがありましたが、コストコにおいて広告宣伝はあまり重要視されていない点に驚きました。

自分の生活においても、無意識のうちに自分では普段当たり前だと思って取り組んでいることが数多くあると思います。
でも実はその当たり前と思っていることは違う視点から見たら重要ではないこと・不必要なことであり、もっと重要なことが他にあるかもしれないということを常に意識し、仕事・勉強をはじめ毎日の何気ない行動においても当たり前となっていることを今一度見つめ直してみようと思いました。

「古墳見学」

 先日、家族で守山区の志段味(しだみ)古墳見学のイベントに参加してきました。

 名古屋市は上志段味地区を「歴史の里」として保存する計画を以前からすすめています。斜面に石や埴輪をならべて、古墳の中に鏡や武器などお供えものを入れ、当時を再現し、周辺をサイクリングロードなどに整備してちょっとした観光地にする予定らしく、とても楽しみです。
 志段味には古墳時代前期の大型な前方後円墳、中期の帆立貝型古墳、後期の小型古墳といった多くの種類の古墳が歩けるくらいの狭い地域に密集しているため貴重な史跡となっています。

 古墳といっても現在は小高い丘に草木が生い茂っており、前方後円墳といわれても上から見れないので形状がよくわかりません。見学イベントということで、普段、立入り禁止の白鳥塚古墳に入った(登った?)時に、石英(水晶)があちこちに落ちていました。1700年ほど前に並べられたものなのね・・・と考えながら石を拾い、不思議な気持ちになりました。持ち帰り禁止らしく、ちゃんと戻しました。
 埴輪も出土するそうで、多くはドラム缶のような円筒埴輪で、人型や馬型の埴輪は少ないそうです。歴史などの知識や情報が多くなると見方が変り、楽しめるものです。星を見るときギリシャ神話を知っていると楽しいのと同じですね。

 日本一大きい大仙陵古墳(東京ドームの2倍強)を造るのにどれくらいかかるか?ゼネコンが算出した面白いデータがありました。
 前提は、埴輪は既製品の仕入、一日8時間、月25日労働、牛馬は使わず人力で試算など色々条件がありますが、推定総工期は15年、総工費796億円、作業員のべ680万人とのことです。姫路城の推定総工費も800億円と同じ位でした。
ちなみに駅前の大名古屋ビルヂング建替は工期3年、総工費が400億円らしいので、古墳のすごさが少し理解できたような気がします。

 ぜひぜひ整備して史跡を大切にしていただきたいものです!

「第一印象」

 人は全く知らない初対面の人を、信頼できるか、仲良くなれそうかなど判断することが大好きで、自分が判断したことを変更したくないようです。
「第一印象」が大切なのは誰もが知っていますが、わずかな偏った情報で人柄の全体像が形成されてしまい、修正が難しいから「大切」なのです。

「なぜ人は相手を判断したがるのか?」色々な実験・研究がなされています。
①Aさんは「知的で勤勉で、頑固です」
②Aさんは「頑固で、知的で勤勉です」と紹介した場合、①②で情報は同じでも伝える順番が違うだけで①はいい人、②は悪い人という印象を持ち、その後なかなか変更されないのです。
「知的→勤勉→頑固」という順番に情報が入ってくると、「頑固」は一般的にはマイナス要素にも関わらず、知的で勤勉なら自分の意見がしっかりいているから、頑固な面もあって当然だ、と解釈・理解し、「頑固→知的→勤勉」の順に情報が入ってくると、頑固な人は知的で勤勉でも対人関係で失敗し、社会で成功はしないだろう、とマイナス評価になるのです。
 これは「初頭効果」といい、人は後から入って来る情報は最初の印象に合う場合受け入れられやすく、合わないと捨て去られたり、変形されて都合よく取り込まれるのです。第一印象が変更されにくい理由でもあります。

 初頭効果以外にも相手への理解を邪魔するものがたくさんあります。
 偏見や先入観、「恋は盲目」に近い心理で悪いところが気にならなくなる場合、周囲(自分にとって権威者の場合は特に)の意見に左右され判断が鈍る、などが挙げられます。

 大切なことは、人の印象形成は公正ではないことを受け入れる、自分自身を知る、相手を早分かりしようとしない、感受性を磨くことだそうです。
 相手に与える印象を今一度省みるとともに、自分が相手から受ける印象をどのように解釈しているのか意識していきたいと思います。

税務調査に備えた年末調整

今年も残すところあと2ヶ月となり、税務の世界では年末調整の季節となりました。
平成25年の改正点は、例年の所得税に復興税(2.1%)がプラスされることと、給与がかなり高い水準の方(年間1,500万円超)については、必要経費部分(給与所得控除額)が減額となり、結果として税額が増加することです。
といっても、今年の1月以降に支払われている給与から改正は織り込み済みのため、年末に多額の税金を払うわけではありません。

年末調整といえば、生命保険や地震保険等の控除証明書を準備するイメージがあると思います。
ただ、金額的な影響を考えますと、生命保険等の控除額は数万円程度なのに比べ、扶養控除額は数十万円単位なので圧倒的に重要です。
扶養控除額が多すぎるときは税務署から連絡がきますが、少なくても連絡はきませんので、控除もれがないようにご注意下さい。

ところで、税務調査を念頭に置いた場合、年末調整で最も重要なことは、「給与から所得税が正しく天引きされているかどうか」だと思います。
所得税の天引き方法には、主に「甲」と「乙」の2種類の方法があり、年末調整時に記入する扶養控除等申告書(通称「まるふ」)が提出されていれば「甲」、そうでなければ「乙」となります。
「甲」の方が天引きする税金は少ないのですが、提出もれがあるのに「甲」で天引きをしているケースを調査の現場で何度もみてきました。
そうなると、天引き不足分をペナルティーと併せて納付することになってしまいます。

また、年末調整時に「翌年分」の申告書を提出するのが一般的ですが、新入社員等で前年に提出していない方は「その年」の分の提出も必要です。
新入社員は入社日に、育児休業等で復帰した従業員は復帰した日に、「その年」の申告書を書いてもらうといったルールにしておくと提出もれを防ぐことができ、不必要な納税を回避できると思います。

by 加古宗利

「森の野外映画祭」

先日、ノリタケの森で開催されている「森の野外映画祭~芝生で楽しむシネマナイト~」に出掛けました。

これは、園内の赤レンガ前ひろばで映画上映とライブ演奏を行なうイベントで、昨年好評だったことから今年も開催されたそうです。
赤レンガの建物をバックに、スクリーンとステージが設置されており、テーブル席の他、芝生スペースも設けられていました。

イベントは2部構成になっており、まず第1部ではその日の映画にちなんだ音楽が演奏されました。司会者の方から、「映画の世界が広がるような音楽を披露します。」との言葉通り、しっとり聞かせるようなものから、聞き手も手拍子で参加するような楽しい音楽まで充実の内容でした。
日没後の真っ暗で静かな中での演奏は、ピアノやトランペットの音がとても澄んで聞こえます。
その後、軽食の休憩をはさみますが、食事も映画にちなんでおり、その日はキッシュが提供されました。こんなところにも、ちょっとした工夫があり感心しました。

そして、いよいよ第2部のメインイベントである映画鑑賞が始まりました。
気楽に楽しむことをテーマにしており、芝生の上にレジャーシートを敷いて寝転がっている人もいて、みんな思い思いに楽しんでいるようでした。

主催者側が、”野外で見てみたいと思わせる、音楽が素敵な映画”というコンセプトで選んだこともあり、映画の中には広い草原や夜空など臨場感のわく場面が多くありました。
また劇中音楽も、第1部で演奏されていたものが多く、心地よく耳に入ってきました。
映画館で見るのとは違い、風の音や温度変化を感じながらの映画鑑賞もまた一味違って、おもしろいものでした。

「原価管理の話」

顧問先の社長や従業員の方と話をしていると、原価管理や原価計算といった言葉が出てくることがある。
原価管理や原価計算は、公認会計士試験の受験科目でもあったのだが、非常に難しく奥が深い科目だったことを思い出した。
せっかくなので原価管理について少しばかり紹介させてもらおうと思う。

原価計算基準によると、原価管理とは「①原価の標準を設定してこれを指示し,②原価の実際の発生額を計算記録し③これを標準と比較して,その差異の原因を分析し,④これに関する資料を経営管理者に報告し,原価能率を増進する措置を講ずること」と書かれている。

これを読んだだけではわかりにくいが、原価管理を簡単に言うと、
①あるべき原価を設定する
②実際にかかった原価を計算する
③あるべき原価と実際にかかった原価を比較し、その差異を分析する
④差異があるものについて改善策を講じる
といったことであろうか。
原価管理を行うことで工程の組み替えによる原価の削減などにつなげることができ、利益を増やすことができる。また、どの商品を製造販売すれば利益を増やすことができるのかの意思決定などにも役立つ。

日本経済が成長していた時代は、商品を作れば売れる時代だったため、原価のことをそれほど気にしなくても利益が出たのだろう。
今は、昔に比べれば商品を作っただけでは売れない時代になっていて、値下げ圧力もあるだろうから原価を下げることが重要になってきていると思う。
原価管理について、相談などありましたら、その企業にあった方法を一緒に考えていければと思います。