「企業再生に携わって」

 企業再生に携わっている知人から、企業再生業務の中でも特に財務や会計分野を手伝って欲しいと依頼を受けることがある。
 企業再生業務は、企業が金融機関借入を返済することができなくなり、助け舟を求められることが多い。

 金融機関借入が無ければ、業績が悪化してから、会社を自主的に解散するという選択肢を比較的取りやすい。
 しかし、業績が悪化した企業に金融機関借入が残っていると、全額返済できなければ会社を自主的に解散するという選択肢が取れず、取りうる選択肢が非常に限られるだろう。
 このため、社長が解散したくても、止む無く事業を継続して金融借入を返済していくのか、破産という道を選択するのかぐらいしか実質的には残されていないケースが多い。

 金融機関借入のある業績悪化企業が何もしなければ、「業績悪化」→「資金繰り破綻」→「破産」という道を辿ることになる。
 もし、社長に再生したいという思いがあれば、資金繰りが破綻する前に、
・経営面・事業面の良い所や悪い所の調査、改善策の提案
・財務の状況や資金繰りの調査、金融支援を受けるための返済計画の作成
など、専門家の協力を得ながら、「資金繰り破綻の回避」→「再生」という可能性にかけることができる。

 専門家が協力したからといって全ての企業が再生できるわけではなく、また会社の事業そのものが改善しなければその場しのぎの行為になってしまうこともある。
 ただ、業績悪化企業の社長は、金融機関対応や資金繰りに時間を取られることが多いため、第一義的には、改善策や返済計画の作成などで金融支援を引き出し、社長を資金繰りのための奔走から開放してあげるのも重要な役目だろう。
 私は財務状況の調査や返済計画の作成で関わることが主だが、関わった企業が数年後再生を果たしていればこれほど嬉しいことはない。

「新たな発見、経験」

 1月号のブログでも少し触れたのだが、愛知県代表として全日本シニアという年代別のバドミントン全国大会に出場することに決まりました。
 今年の全国大会は11月に石川県金沢市を中心とした会場で開催されることが決定しており、私は35歳以上~39歳以下の部に出場することになった。

 さらに全国大会で上位に入ることができれば、次は世界シニアという年代別の世界大会に出場することができる。
 さすがにそこまでいくと、私には関係ない話になると思うのだが・・・

 今回は、愛知県大会の30歳以上39歳以下の部でベスト8に入ったため(35歳以上39歳以下で考えると恐らくベスト4ぐらいだと思うのだが)、愛知県代表に選ばれることができたと思う。
 ただ、全国大会ともなると、過去にインターハイに出場したことのある選手など、かなり強い選手が出場してくるので、客観的にみて1回戦を勝ち抜けることができるかどうかだろう。

 費用や時間を考えると、せめて1回戦は勝ち抜けられればと思うのだが、どちらかというと弱い相手と戦って勝つより、強い相手と戦って負けるほうが個人的には面白みを感じるので、歯が立たないぐらいの相手に負けるのも良いのかなと。
 自分より強い相手と戦うと、経験したことのないような返球や体の動き、シャトルのスピードなどを経験できるので、面白く新たな発見もあるし、次の試合時にその技術を使える場合もあるからだ。
 仕事でもそうだが、いつも同じ種類の仕事をするのも良いが、違う種類の仕事をしてみるのも面白いし、自身の経験値にもなる。
 バドミントンの全国大会は仕事とは違うが、どんな新しい発見、経験ができるか楽しみだ。

「年次有給休暇」

 従業員の方であれば年次有給休暇、一般的には有給休暇と呼ばれているが、付与されていることと思う。
 有給休暇は、雇入れの日から6ヶ月間継続して勤務し、その間の全労働日の8割以上出勤した労働者の方に対して、最低10日を付与しなければならないとされている。
 継続勤務が6ヶ月を超えた場合には、例えば、1年ごとに、1年半勤務すれば11日、2年半勤務すれば12日・・・6年半以上勤務すれば20日という具合に。
 ただし、有給休暇の繰越は2年と定められているので、取得可能な有給休暇は最大で40日になる。
 ここまでは、一般的に知られていることと思う。

 さらに、パートタイム労働者の方にも有給休暇が付与されるというのを、ご存知の方はどれくらいおられるだろうか。
 例えば、週所定労働日数が4日以上の方であれば、1年ごとに、半年勤務すれば7日、1年半勤務すれば8日・・・6年半以上勤務すれば15日という具合に付与される。
 また、週所定労働日数が1日の方であれば、1年ごとに、半年勤務すれば1日、1年半勤務すれば2日・・・4年半以上勤務すれば3日という具合に付与されることとなる。

 ただし、雇用契約で定められた労働日の8割以上を過去1年間に出勤していなければ付与されない。
 会社が定めた就業規則に基づき、事前に届出を提出するなどの手続きはもちろん必要になるし、万が一会社の運営を妨げると認められる場合には、希望日が変更されることもある。
 パートタイムの方の活用が増えてくれば、有給休暇の取得にも注意を払う必要があるだろう。

「認定支援機関」

認定支援機関という言葉をご存じでしょうか。
正式には、「経営革新等支援機関」という名称で、中小企業・小規模事業者が安心して経営相談等が受けられるために、税務・金融などの専門知識や実務経験が一定レベル以上の者に対して、国が認定する公的な支援機関です。
当法人でも代表の石田・長尾の名前で支援機関として認定がされております。

認定支援機関に経営相談等をするメリットは様々です。
例えば、設備投資をご検討のケースですと、まず当法人にご相談をいただき、そのアドバイスを基に設備投資をしていただくと、その取得価額に応じて法人税・所得税の税額控除などの適用が可能となる場合があります。(ただし、製造業や建設業など、一部対象外となってしまう業種もございます。)

また、昨年施行された「中小企業等経営強化法」に基づき、支援機関である当法人を活用していただけるシチュエーションはより増加しております。
経営力向上計画のお手伝いをさせていただくことにより、償却資産税の軽減が3年間可能となったり、ものづくり補助金の加算対象としても扱われることになりました。

上記のように、認定支援機関の立場としてお客様をサポートさせていただける機会は多いかと思います。
これらの優遇措置は、設備投資の時期や計画書の作成時期によっては適用を受けられない可能性もございます。
設備投資や経営力向上計画の作成などをご検討のお客様は、是非事前に当法人までお話をいただければ幸いです。

「医療法人の動向」

 公認会計士による監査というと、一般的には上場企業が受けるもの、大企業が受けるものというイメージを持たれているだろう。
 実は、平成29年4月2日以降に開始する会計年度から、医療法人においても公認会計士による監査が義務化されている。
 ただし、全ての医療法人ではなく、医療法人のうち負債の額が50億円以上、又は収益額の合計が70億円以上であるものなど、一定規模以上の医療法人に限られる。

 医療法人は株式会社等と比較して経営の透明性が低く、法令等遵守体制の構築が十分に担保されていない、などの理由による。
 医療法人により違いはあるものの、収入の大半が税金で賄われているため、不正に税金を受け取っていないか第三者にチェックして欲しいということなのだろう。

 監査法人で勤務している元同僚などの話を聞くと、監査法人など監査業界においても人不足が恒常的になっているようだ。
 どれくらいの医療法人が監査対象になるのかわからないが、1,000法人ぐらいだろうか。
 ただでさえ人手不足と言われているのに、これだけの医療法人の監査を監査業界として受託できるのだろうか。
 人手不足を残業でまかなうという、いわゆるブラック会社化するかもしれない。
 一方で、仕事を増やしたい、事業を拡大したい公認会計士にとってはビジネスチャンスだ。

 また、医療法人側からすると、社会的な信頼性を得られる、内部統制の整備・運用の精度を高められる、不正の防止・発見効果が上がるなどメリットはあるが、コスト負担も大きい。
 現時点で監査対象ではない医療法人は、監査対象になる条件に該当しないように運営していくのも選択肢の一つだろう。

「株価評価方法の変更」

 税務署内部の文書(調査官が従うもの)である財産評価基本通達というものが、平成29年4月27日付で一部改正された。
財産評価基本通達は、基本的には相続税や贈与税の場面で準拠するもので、大きな会社であろうと小さな会社であろうと、上場していない会社の株価を算定するのは難しいので、株価の算定方法が定められているのだが、上場していない会社の株式評価に関して基準が変更された。

 中小企業の株価を算定する際には、特殊な企業を除いて、貸借対照表の純資産の価額を使用した方法と、類似業種の会社を比較した方法を併用して評価することになる。
 債務超過会社などを除き、一般的には純資産の価額を使用した方法のほうが株価が高くなるので、できるだけ類似業種の会社を比較した方法の割合を増やしたほうが、株価引き下げ効果が出るのである。
 今回、一部を除いて類似業種の会社を比較した方法を使えるハードルが下がったため、中小企業によっては株価を引き下げられる可能性がある。

 さらに、類似業種の会社を比較した方法の計算過程において、評価会社の利益金額の影響度合いが3/5から1/3に低下したため、それなりに利益を計上している会社は、同じ決算内容だったとしても株価を引き下げられる可能性がある。

 基本的には相続税や贈与税の場面で使用する評価通達なので、株価を低く抑えられたほうが税金は少なくて済む。
 過去から決算内容に変化がないにもかかわらず、株価が下がる場合もあることから、株主の異動をお考えの方は担当者までご相談いただければと思います。

「学校法人の世界」

 最近、学校法人森友学園に関するニュースが減少してきたが、国が国有地を不当に安く払い下げたのではないか、校舎建築に関する補助金を不当に得ていたのではないかと、問題になっていたものである。

 私も、学校法人の監査を引き受けている身なので、決して他人事ではない。
 そもそも学校法人(私立学校)とは公益法人の一つであり、私立学校法に基づき設立された法人である。 なぜ、問題が大きくなったかというと、原因は多数あると思うが、補助金が絡むことも一つの大きな要因であると思う。
 要するに、我々の納めた税金である。
 学校法人の運営に必要な資金、つまり、校舎の建築や教育関係の備品の購入、教員の人件費などは、生徒からの授業料や、国・都道府県などからの補助金により賄われている。
 補助金の割合は大きく、授業料を除くと大半が補助金であることも珍しくなく、一般企業とは異色の世界である。

 国や都道府県などから一定以上の補助金を得ている学校法人には、公認会計士による監査が必要になるのだが、私もその一翼を担わせていただいている。
 森友学園は一つの取引につき3通りの契約書を作成していたという報道もあり、本当か嘘かわからないが、にそこまで書類を用意されて嘘をつかれたり、非協力的な対応だと、監査をしても発見できない。
 そもそもこのようなことが問題になる学校法人を認可すべきではないだろう。

 会計税務のお手伝いは税金の納付側としてであるが、学校法人の監査は、補助金(税金)の使い道が正しくなされているかという視点の業務と言える。
 税金を納められているお客様の気持ちを汲み取り、有効に使われているか、正しく使われているか、しっかりチェックしなければならないとあらためて感じた。

「花粉症から」

 3~4月は花粉症に悩まされている人も多いのではないだろうか。
 花粉は1年中飛んでいるので、1年中花粉症に悩まされている人もいると思うが。
 私もいつ発症したのかは不明なのだが、10年前ぐらいから花粉症を発症している。
 花粉の多い日は、気づかないうちに鼻水が出ていたり、PM2.5の濃度が高い日は頭がボーっとしてしまう。

 ふと思ったのだが、田舎に住んでいる人に花粉症の人はなぜ少ないのだろうかと。
 私の祖父・祖母は京都北部の田舎町のさらに山間部に住んでいて、都会より花粉は多いはずなのだが、祖父・祖母のご近所さんに花粉症の人を見たことがない。
 さらに、花粉症が話題になったこともない。不思議だなと。

 花粉症の発症について、はっきりとした原因はわかっていないようだが、自動車排気ガスなどに含まれる大気汚染に関わる粒子が、大きく影響しているという説がある。
 花粉だけを吸い込んだときに10の花粉で花粉症を発症するとしたら、大気汚染に関わる粒子についた花粉を吸い込むと5の花粉で花粉症を発症してしまうようだ。
 都会のほうが花粉症になりやすいと考えられる原因は他にもいくつかあるようだが。

 花粉症の程度がひどい人は、この時期だけ田舎で仕事をするという方法も一つではないだろうか。
 業種・職種や企業の方針などにもよるが、今の時代、ネットがあれば仕事に影響しないという人達も以前に比べ増えているようだし。
 もし、仕事に影響が出なければ、作業効率は間違いなく上がるだろうし、自らの健康状態も良くなるはずだ。
 可能な企業なら、企業にとっても良いことだし、従業員に取ってもプラスになるので考えてみる価値はないだろうか。

「人手不足はこんなところにも」

先日、外出先で早く昼食を済ませたいと思っていたところ、近くに松屋があり、早く済ませるには絶好の店だと思い入店した。
混んでいること自体には特に何も感じなかったのだが、席に座り料理が出てくるのを待っている人がやけに多いなと、違和感を覚えながら私も席についた。

すると、お水を運んできてくれて注文を確認してくれたのが初老の女性で、少し珍しさを感じた。
私が利用した際の松屋などの牛丼チェーン店は、学生アルバイトや外国人留学生が多かったからだ。
それはさておき、料理が出てくるのを待ちながら厨房の様子を伺っていると、厨房で料理を出している人も同年代の女性だった。
びっくりした。牛丼チェーン店が、昼の時間帯に60~70代の女性だけでオペレーションを担っている姿に。
男性・女性に限らず60~70代の方が、牛丼チェーン店で働くのに適していないということではなく、特に街中の店舗でのオペレーションは、少ない人数で効率的に行う必要あるため、20代にとっても体力的にハードだからだ。

これまでの店舗の状況を見る限り、学生や外国人留学生などを優先的にアルバイト採用してきたと思われるが、若手と言われる人を確保できなくなったということだろうか。
逆に言えば、あらゆる年代の層にとって活躍のチャンスが増えるということでもある。
私が当法人に勤務し始めた頃は、転職市場では35歳を超えると転職に不利であると言われていたが、今では35歳どころか40歳を超えても、それなりの能力があれば転職しやすくなったという話も聞く。
年齢を重ねても、税務会計以外の分野で活躍できるチャンスがあることは面白いし、税務会計プラス他の分野で何か経験してみたいと思う。

「税制改正から」

 税制改正大綱という言葉を聞いたことがあるだろうか。
 会計税務業界に従事するものにとっては毎年恒例のもので、翌年度以降の税制をどのように変えるかをまとめたものである。また、税理士会だけでなく、様々な業界団体の要望も盛り込まれることが多い。
 基本的には、この税制改正大綱をもとに税法が改正されることになる。

 平成29年度の税改正大綱は昨年12月に公表されており、過去の予定からすれば、平成29年1月中に税制改正法案が国会に提出され、平成29年3月下旬に税制改正法案が成立というスケジュールになると予想される。
 そして、平成29年4月1日に施行されて、税法が改正されるという流れになっている。

 諸外国の税法はわからないが、日本の税法は毎年改正が行われ、会計税務に従事する者にとってはその都度アップデートすることになる。
 ただ、当法人へ顧問契約の変更を依頼されるお客様の過去の申告書を拝見すると、前顧問先でアップデートができていないのではないかと疑う事例がある。
 たしかに、アップデートにはそれなりの労力がいるのかもしれないが、税理士として当然のことであり、できなくなれば引退する時なのだろう。
 お客様の要望に応えていけるよう、税制改正のアップデートだけではなく、知識・経験のレベルを上げられるよう精進しなければと思う。