大変お世話になりました。

この度、3月末日を持ちまして退職することになりました。

思えば、2008年の入社当初はリーマンショックによる不況の影響により、多くのお客様は業績が悪化している時でした。
担当間もない頃の決算は前期比マイナスの結果が多く、どうすれば業績が良くなるかについて日々悩んでいたことが思い出されます。
その後、業績が回復する過程を共有でき、良い経験をさせていただきました。

また、所長の石田をはじめ、石田会計のスタッフには良い刺激を受けました。
特に、石田の発想力による会計事務所の常識を覆す仕事の手法は、他では得られない貴重な経験となりました。
この6年半の経験は私の人生の大きな財産となります。
「中小企業の良き応援団になりたい」という気持ちを忘れずに、今後も同じ業界で頑張っていきます。

皆様には大変お世話になり、本当にありがとうございました。
もし街中で見かけることがありましたら、声をかけていただければ幸いです。

新年の抱負

昨年は、会計事務所のサービスの可能性を模索する中で、新しい挑戦ができ、一定の成果を得ることができました。
ただ、経験を知識として蓄えるという意識に欠けていたかもしれません。
そのため、新しい経験をその後の仕事に生かすという面では不十分だったと思います。

今年は、一つひとつの経験をノウハウとして提供できるレベルにするための方策を考えます。
これまでの経験を無駄にしないために、お客様に最善の提案が常にできるような引き出しを増やすための仕組みを考えたいと思います。

そして、プライベートでは、自分自身の体力強化に取り組みたいと思います。

マイカー通勤手当の改正と年末調整

早いもので今年も年末調整の時期となりました。
今年は所得控除や税額控除に関して実質的に影響のある改正はないようです。
ただ、自動車等の通勤手当について非課税限度額を超えて支給している会社においては、例年にない手続きが必要となります。

今年の10月20日にマイカー・自転車通勤者の通勤手当の非課税限度額の改正が施行されました。
内容は、距離区分に応じた非課税枠の増額と、新たに55キロメートル以上の区分が設けられたことです。
非課税枠の増加額は1ヶ月あたり100円から7,100円となっており、通勤距離が長いほど増加額が増えます。

この改正の注意点は、今年の4月1日以後の支給についても対象となるところです。
施行日より前に支払ったものは、支払いの際に所得税の源泉徴収を終えており、今から修正する訳にはいきませんが、年末調整においては反映させなければなりません。
また、退職者に既に源泉徴収票を発行済みである場合には、修正したものを再度交付することになります。

今回の改正は、消費税率アップを反映させたものだと思いますが、増税後半年たってからの改正で、さかのぼって影響があるため注意が必要です。
従業員の方にとっては有利な改正であるため、給与規定等で通勤手当が非課税限度額で規定されていた会社については、今回の改正を反映するかどうか一度検討していただければと思います。
具体的な非課税限度額や手続きについては国税庁のHP等でご確認ください。

視覚化のメリット

会計事務所の仕事では主に金額を扱うため、必然的に多くの数字とにらめっこという日々です。
ただ、単なる数字の羅列だけでは内容を把握しにくいので、図やグラフを作成することで分析等をしやすくしています。
こういった視覚化のメリットは数字以外にもたくさんありますが、最近経験した事例を2つご紹介します。

(1)経理業務の視覚化
あるお客様で経理業務の効率化を検討していました。
経理業務といっても、小口現金や売上管理、給与計算等に細かく分かれますが、口頭での説明では全体像を把握するのは困難です。
そこで担当者に各業務ごとのフローチャート(流れ図)を書いてもらいました。
フローチャート化してみると理解しやすくなるだけでなく、仕事の無駄に気づいたり、効率化のアイデアを思いつくことができました。
さらには、経営者も業務内容を把握できるので、経理の現場で起こりがちな不正のリスクを減らす効果も期待できそうです。
担当者が退職した際の業務引継もしやすいといったメリットもあります。

(2)点在している不動産の視覚化
不動産オーナーの相続対策を検討していたときのことです。
土地を多数所有されていたため、面積や地番等の情報だけでは不動産の全体像が把握しにくく、なかなか良いアイデアが思いつきませんでした。
そこで、都市計画図を貼り合わせて一枚の用紙にまとめ、土地を持ち主別に色分け表示し、用途や評価額、賃貸情報(収入やコスト)を補足情報として書き込みました。
一枚の図にまとめることで、土地ごとの距離間や形、収益力が把握しやすくなり、売却する際の優先順位を考える上でも有益なものとなりました。

このように視覚化には、理解を助けるだけでなく、リスク対策になったり、効率化等のメリットも期待できます。
会社の業務において時間がかかりすぎているものがあれば、まずは視覚化してしてみてください。
きっと、問題点が浮かび上がってくると思います。

インターネット通販とリスク

先日、知人のお店がオープンするということで、開店のお祝いに観葉植物をお贈りさせていただきました。
観葉植物のような個体差のあるものは店舗で実物を確認しないと心配だったので、今までは店頭で購入していましたが、今回初めてインターネットで注文することにしました。
というのも、納品後に実物の写真がメールで送られてくるサービスがあったからです。
実際に送られてきた写真では、お祝いの名札も確認することができ、良品を届けてもらえたようでホッとしました。

経済産業省の調査では、消費者向けの電子商取引は平成24年は9.5兆円となり、前年比で12.5%の増加となっています。
といっても、取引全体に占める割合はまだ3%程度なので、今後ますます増加するでしょう。
ただ、商品が届かなかったり、違うものが届くといったトラブルも増加しているようです。
やはり、インターネット通販には取引相手の顔が見えない分、リスクが伴ってきます。

リスクは完全になくすことは不可能でも、減らすことは充分可能だと思います。
例えば、その会社のホームページを詳細にチェックすることは有効です。
連絡先が携帯電話番号であったり、宛先が郵便局留めであったりしたら注意が必要でしょう。
また、返品や交換についての条件がどうなっているかも確認すべきですね。
今回注文したお花屋さんのケースでは、代表者の顔写真が載っていたり、注文時の質問内容が「贈り物をより良い形で届けたい」という気持ちが伝わってきて、安心して注文できました。

インターネット通販での購入は、買いに行く手間(時間)を節約でき、時間を選ばず、しかも比較的低価格となっており非常に便利です。
しかし、店頭購入と違って互いに顔を合わせない分、リスクが高くなります。
リスクの少ない取引をするためには、店側の連絡先等に問題がないか、そして人間味が感じられるかどうかがポイントだと思います。

ビールと酒税の今後

今年の夏も毎日暑い日が続きますが、ビール党にとっては、ビールがおいしい季節ですね。
1日の疲れを癒してくれるビールは私も大好物で、自慢できる話ではありませんが、多額の酒税を負担している自負があります(笑)。
この酒税はビールを始めアルコール飲料にかかりますが、その税収は減少傾向のようです。

明治・大正の時代には国税の税収の3割を超え、税収ランキングで1位になったこともある酒税ですが、平成25年度の割合は2.7%となっています。
その約半分を占めるのがビールなのですが、近年酒税の低い発泡酒や第3のビールが人気のため税収が減少傾向です。
ちなみに、1缶350mlの酒税は、ビールが77円、発泡酒が47円、第3のビールは28円です。
これが価格差の要因となって、酒税の低いものが売れるようになっています。
1日1缶飲む人であれば、ビールを第3のビールに変えるだけで年間2万円近くの節約になるので当然の流れでしょう。
これに対し、今後発泡酒や第3のビールに対する課税をビール並みへ増税する動きがあるようです。

他のアルコール飲料に比べ、ビールだけ酒税が高いと個人的にも思っていました。
そもそも、外国と比較するとどうなんでしょう。
現在の日本のビールにかかる酒税は、ビールで有名なドイツよりも20倍以上高いようです。
アメリカと比較しても12倍程度と、日本が突出して高いことがわかります。
日本の税制でありがちな、「取りやすいところから取る」ということのように思います。

嗜好品には担税力があるから課税するというのは理解できます。
ただ、極端な課税方法を採用するのは、税金の大原則である「課税の公平」に反している気がします。
「取りやすいところから取る」のではなく、健康面に配慮してアルコール度数を基準にして税金をかけるといった、多くの人が納得のできる方法にするといいのではないでしょうか。

生命保険の目的と出口戦略

生命保険は会社の経費のなかで重要度が高いものですが、契約した目的がすぐ思い浮かぶ方は少数ではないでしょうか。
個人的には生命保険を契約する目的として特に重要なのは、以下の2つだと考えています。
・経営者の万が一に備える
・節税対策
それぞれの目的に沿った契約をするための注意点を考えてみたいと思います。

まず、経営者の万が一に備えた保険は、会社が黒字か赤字かにかかわらず必要なものだと思います。
というのも、会社を存続させるか否かにかかわらず、その後に多額の資金が必要となるケースが多いためです。
契約にあたって適正な保険金額は会社によって様々ですが、以下の3つの合計額がひとつの目安となります。
①借入金残高
②半年分の固定費(人件費等)
③遺族が受け取る死亡退職金
そして、長期間継続して支払えるものでなければなりませんので、掛け捨てタイプの商品が資金繰り上も良いと思います。

継続的に利益が出ている会社は節税対策として高額の保険も契約されていると思います。
この場合は、解約返戻率が高い時期に解約することが前提となりますが、「解約時の収益をどうするか」という、いわゆる出口戦略が大切です。
例えば、主要メンバーの退職金の支払いや臨時的な損失の時期とセットにすると節税効果が期待できます。
また、法人税の実効税率の引き下げが実現すると、現状の収益を先送りするだけで税率の差額分の節税効果がありそうです。

経験上、生命保険を契約した理由を伺うと、「良い保険だと勧められたから」「目先の納税を減らしたいので」といった回答が多い気がします。
しかし、保険はその目的を明確にした上で長期的な視点で検討しないと、思わぬ損失が生じることが多いものです。
また、会社の経営状態の変化により契約の見直しも必要となってきます。
後になって後悔することのないよう、契約前や見直し時には事前にご相談いただければと思います。

充実した時間を、長く

個人的な話ですが、今年、厄年(本厄)を迎えました。
昨年から地元の同年会で厄払いをしていますが、いよいよ人生の折り返し時期になったのかなと思います。
振り返れば、ここ数年は1年が過ぎるのが早いと感じていますが、これには法則がありました。

「人が感じる時間の長さは、自らの年齢に反比例する」というものです。
これは、フランスの学者の名前をとって、「ジャネーの法則」といわれています。
例えば、50歳の1年の長さは、5歳の1年に比べ10分の1に感じるというものです。
心理的な時間の長さは、経験則から今までの人生の長さが分母になってしまうのです。
確かに、小学生の頃は1日が長かったですね。

ただ、同じ1週間の中でも、1日の感じ方が長い日と短い日があると感じます。
イベントが盛りだくさんな日はとても長く感じますが、なんとなくテレビを見て過ごした日は短い印象があります。
旅行においても、初日は充実感があり長く感じますが、最終日はあっという間に終わる気がします。
長く感じればよいというものではありませんが、時間には限りがあるので、充実した時間を長く過ごせるのが理想ですね。

ジャネーの法則からすると、年齢を重ねるにつれ時間の経過が早く感じるのは避けられそうにありません。
ただ、感じ方に影響を与えるのは年齢だけでなく、心理的なイベント(新しい・未経験・驚き・感動・達成など)の有無も関係がありそうです。
自然に発生するイベントを待っていては進歩がないので、意識的に増やす努力が必要となりますね。
これからは「時間は加速度的に過ぎていく」ということを念頭におき、充実した日々を送れるように計画したいと思います。

税制改正と徴税コスト

消費税率がアップして1ヶ月ほど経ちますが、まだ買い物の際に違和感を感じています。
何しろ今回の増税は17年ぶりなので、慣れるまでにしばらくかかるでしょう。
この消費税をはじめとした税金は行政サービスに対する会費のようなものなので、その必要性は誰もが認めるところです。
もちろん、この会費を集金するためにはコストがかかっています。

税金を徴収するための費用を徴税コストといい、税務署の人件費をはじめとした直接的な費用のことを指しますが、その結果が国税庁等から毎年発表されています。
それによると、ここ数年は100円の国税を得るのに1.5円超のコストがかかっており、地方税については2円超が必要のようです。
これが高いか安いかは判断が難しいのですが、単純比較はできないにしても、国税については米国に比べ3倍以上の費用がかかっているようです。

徴税コストの中身は、何も税務署関係のものに限らないと思います。
スーパーも増税にあわせて値札を付け替えなければなりませんが、これも徴税コストの一種でしょう。
会計事務所に対する支払額もこの中に含まれると思います。
ただ、これらは会社にとって直接売上に貢献するものではないので、商売上間接費に過ぎないものです。
この間接費を減らしていけば国際競争力が高まると思うのですが、ここ数年の税制改正をみると、ますます複雑化していてコスト削減が難しい気がします。

最近では税務申告は電子申告が当たり前となりました。
石田会計においても、法人・個人ともに90%以上の利用率となっており、書類の印刷・郵送といった手続き関係のコスト削減を実感しています。
しかし、新しく創設された「地方法人税」のように、効率的な徴税に程遠い改正が後を絶ちません。
将来、マイナンバー制度を正しく活用し、税法がシンプルになって、現在の徴税コストが高いと思えるようになってほしいと思います。

意識の変化

会計事務所は税金の計算をするのが本業ですが、お客様にとって有益な情報を提供することも大切な業務です。
その情報提供の一環として、石田会計では全スタッフがブログを毎月書いています。

ただ、月1回でもブログを書くのは簡単ではありませんでした。
所内のブログ検討会議では、単なる感想文だと容赦なくダメ出しを受けてしまいます。
そのため日頃から情報ネタを探す習慣がつきました。
おかげで、以前よりネタが増えた分、お客様への提案内容にもプラスに働いていると感じます。

ニュース100号という節目に過去に書いた60ほどのブログを読み返してみましたが、「即効性のある情報提供をしたい」と考えていたため、少し税務会計の内容に偏っていたように思います。
今後はもう少し内容のバランスを考慮して、ブログの作成をしたいと思います。