「税理士からみた相続税」

 知人から紹介され、相続税の申告が必要な方がいるということで、相続税の申告を依頼され、現在、相続税の申告へ向けて作業を進めている案件がある。
 相続財産の評価の中でも、土地の評価は、簡単に評価できるものと、評価が難しいものの差が非常に大きいと感じている。

 当初の打ち合わせでは、土地が評価上の単位で6つ存在するということであり、物理的に時間を要する部分はあるものの、話を聞く限りでは、論点の数自体は多くないように感じていた。
 ただ、蓋を開けてみると、前面道路が狭くセットバックの検討が必要であったり、広大地などの検討も必要であったりと、土地によっては10種類程度の論点があり、さらには、当初教えていただいた土地以外にも被相続人の方が所有する土地が出てきたということも。

 相続の場合は、お客様にとって頻繁に発生するものではないので、どれくらいのコストがかかるか不安に感じておられる方も多いのではないかと思う。
 このため、できるだけ早い段階、おおまかに財産一覧を教えていただいたタイミングで、予想されるコストもお伝えするようにしていることと、相続後に相続税の支払いが発生するため、できるだけ良心的な価格を提示するように心がけていることもあり、当初の想定より時間・コストが超えてしまうことがある。
 お客様に納得していただいた上ではあるものの、追加のコストをお願いすることもあり、その場合には大変申し訳なく心苦しい次第です。
 相続の場合は、土地の評価の難しさや、後から財産が出てくる場合もあり、早い段階で時間やコストを予想することの難しさをあらためて感じた。