「本をめぐる状況」

 最近、持ち運び可能なディスプレイ上で、デジタル化された書籍を「読む」電子ブックリーダが次々に登場しています。
 音楽は何年か前からデジタル化が盛んになっており、インターネットから好きな楽曲をダウンロードして、iPodなどで聴くということも主流になってきていますが、今度は書籍がデジタル化され、インターネット上で「配信」されるという形に変化していくかもしれません。

 私自身は、1日1~2冊の本を購入して読んでいるという立場なのですが、現在の「出版媒体のほとんどすべてが紙書籍であり、ある程度の規模の出版社の出版物でなければ全国書店に流通しない」という状況について疑問を持っていますので、この流れに期待しています。

 現在の紙書籍の状況ですが、日本で出版される書籍の数は雑誌を除いて1日あたり200点ほどです。その膨大な量の中で、誰もが手に取れる書店に並ぶということは大変なことになってきています。
 特に、現在は著者の過去の売上がデータベース化され、販売部がそれを見ながら出版部数を決めているという状況にあるようです。一度「売れない」とカテゴリづけされれば、次以降は全国書店に流通するほどの数を刷られず、従って流通機会の少なさにより販売部数が減り、さらに次回の出版部数が少なくなっていく・・・という悪循環に陥っているという声も聞かれます。
 実際に、人から薦められた本などを探そうとしても、書店には並んでおらず、ネット書店でも品切れや絶版となっており入手できないということも多々あります。

 電子ブックというのは、そうした状況を一部打開するのに役立つのではないかと期待しています。
 当然、すべての著作物をデジタル化し、無償化することがよいとは思いませんが、今のままの構造にしがみついていても、結局は業界全体が衰退していくしかないように思うからです。

 過去、本をめぐる状況はさまざまに変化してきました。印刷技術がなく、ごく少部数が一部の人にだけ行き渡る時代から、印刷された本が広く行き渡る時代、さらに「ベストセラー」によって出版業界全体が大きくなり、現在のように様々な分野の様々な本が出回る状況を経て、本をめぐる状況は今あらたな局面を迎えています。

 今までの収益構造が通用しなくなったときに、その構造を保護し、新しいものを否定することで権益を保護しようとしても、必ず行き詰まる時が出てくるでしょう。
変化が起こったとき、まずその変化の中身をよく知り、積極的に価値構造の転換に乗っていくことが、今後いっそう重要になっていくのではないかと思います。

by 安藤

「最善の対応を」

先日、シューフィッターの方に足のサイズを測ってもらい、足の幅なども考慮した適正サイズを教えてもらいました。
ところが、残念なことにそのサイズはなかなか売られておらず、店頭で見つけることはできませんでした。しかし、サイズがないという状況は同じであっても各々の店の対応は違い、これについて少々考えさせられました。

店の対応で、多かった順に並べていくと、
① 申し訳ありませんが扱っておりません、というお店(10店ほど)
② 該当サイズはないけれど、良かったら中敷等で調整しますのでいかがですか、と言ってくれたお店(2店)
③ 当店では扱っていませんが、確か○○店で扱っていたと思います、と競合店を紹介してくれたお店(1店)

結果、③で教えてもらったお店にも適当なものがなかったため、②の対応をしてくれたお店から購入することにしました。

①のお店の対応でも特にマイナス感情を抱いたわけではありませんが、②、③の様な対応をしてくれたお店と比較してしまうと、もう一歩お客様のニーズに踏み込んだ一言なりがあれば、その時の売上につながらなくても、今後そのお店への関わり方や印象に大きな違いが残ったのに、と感じました。

③のお店がシューフィッターさんのいたお店なのですが、靴の選び方を長い時間丁寧に説明してくれ、該当サイズがない事を申し訳なさそうにしながら他店を紹介してくれました。
また、購入した②のお店ではこちらが恐縮するくらい何度も微調整をして下さいました。どちらの気遣いも本当にありがたかったので、また次の機会があれば是非利用したいと思っています。

ところで、自分自身の状況に置き換えてみると、会計事務所も専門知識を売りにしているサービス業です。
弁護士や司法書士の様な単発の仕事での関わりが多い士業と比べて、会計事務所は継続的に関与しているため、気安さからか分野外の相談を受けることもしばしばあります。そんな時に、専門外で知識がないのでわかりません、お答えできませんといった対応をしていては、例え会計の仕事をきちんとこなしていたとしても、お客様の満足感や信頼を得るには時間がかかってしまう気がします。
専門外であるなら、その分野に精通した専門家を紹介する、また、自分の知識やネットワークを駆使して最善の回答をする、といったことを心がけていけば、自分自身がその問題を直接解決できなかったとしても、出来うる限りの事をしたという事に関して、人は好印象を持ってくれるのだと思います。
仕事に取り組む姿勢として、良い気づきとなる出来事でした。

by 松浦

「どうぶつしょうぎ」

我が家では最近「どうぶつしょうぎ」をほぼ毎日しております。
通常の将棋は81升、20駒ですが、どうぶつしょうぎはライオン、きりん、ぞう、ひよこ(にわとり)の5種類で4駒、盤も縦3列、横4列の12升しかありません。ライオンを王に見立て、ひよこ(歩)が敵陣に入って裏返るとニワトリ(金)になるのです。このかわいらしい、楽しいゲームは2008年に日本女子プロ将棋協会の現役女流棋士が幅広い層(特に女の子)への将棋普及のため、ルールやイラストを考えたものだそうです。
 家族から将棋のルールを覚えるように前々から言われているものの、私がなかなか覚えられず、戦略どころかゲームとしても全然楽しめず、駒の字体の堅苦しい雰囲気などもすべてが嫌に思っていたころ、雑誌でどうぶつしょうぎの存在を知りました。
大人気で売切れが多く、入手に苦労しましたが先月やっと購入できました。駒一つ一つに動ける方向が書いてあるので、子供から大人まで楽しめ、シンプルなのに奥深い、本当に良くできたゲームだと思います。1ゲーム、30手~50手と早ければ5分、長くても15分程(弱いから!?)で終わり、ちょっとした合間の時間にも楽しめるところがいいです。

 ゲームとしてすばらしいのはもちろんですが、将棋普及のために「できるだけ小さく、駒も少なく。そして、将棋の特徴も生かしたゲームを作る」という考案者の理念にも、将棋のルールに苦しんでいた分、とても共感できました。

 「どうぶつしょうぎ」のおかげで少し時間の使い方が上手になりました。
特に、テキパキこなす必要性に迫られていなかった物事でも、ゲームをする時間をつくるために無意識に早く終わらせるようになったのです。
まとまった時間を作るのはなかなか大変ですが、ちょっとした時間ならまだまだ(?)創れそうです。

「どうぶつしょうぎ」に物足りなさを感じられる位になったら、ステップアップして将棋に再チャレンジしようと思います!
by古橋

有効活用

 身内の者が介護が必要な状況になり、急きょ介護施設を探すことになりました。
今まで老人の介護問題や施設の不足のニュースは見聞きはしていたものの、現実は想像以上で、特別養護老人ホームの入居も、一つの施設に2~300人もの人が申込をして待っているとのことでした。

 今回のことで介護施設を数か所見学してみた時に感じたのが、建物の造りがかんぽの宿や国民宿舎などにどことなく似ているということです。
不況の影響で「かんぽ」や公社、官公庁のみならず、企業も保養施設を売却するケースが増えているようですし、それをうまく改装して介護施設にならないのかとふと思いました。
私がすぐ思いつくようなレベルのことなので、既にそういった有効活用がされているだろうと思い調べてみたのですが、民間ではそういった事が行われていても肝心な国としての動きは鈍いようです。
そういえば以前に1万円で不動産会社に売却されたかんぽの宿が、6000万円で社会福祉法人に転売され、その後老人ホームとしてオープンした事が話題になったことがありました。
施設の転用自体のアイディアはすばらしいので、これが政治主導で動けると、無駄がなく良いですね。

 縦割りで動いていると横の繋がりが希薄になり、省庁間で無駄な動きをしたり、施設や情報の有効活用ができなくなってしまうのでしょうか。
仕事でも他の事でもそうですが、何事も縦の繋がりだけでなく横の繋がりも大切にしないと、せっかく良いものが身近にあったとしても無駄になってしまうのだと感じました。

by 加藤

目を惹く一言

日々目にする電車の中刷り広告や駅の壁面広告など、いろいろな情報があふれている中で、人の目を留めたり、気持ちを動かしたりするのはなかなか難しいものです。そんななか、 私はキャッチフレーズや語呂合わせの言葉など耳障りのよい一言を無意識のうちに探す癖があります。朝のラッシュ時などでも、人ごみで目だけはきょろきょろさせて、何かおもしろそうな情報はないかな・・・と。

 以前テレビで、書店の店員さんが書くポップで、本の売り上げが左右されるという話がありました。確かに、わたしも書店に行くと、必ずといっていいほどポップに目を向けます。買う予定のないものも、その言葉に惹かれて購入してしまうということもあり、たくさんある中から何かを選ぶときには、やはり目を惹く一言が効くのだと身をもって実感しました。

 そんななか先日、3ヶ月前から予約して楽しみにしていた劇団四季のオペラ座の怪人を見に行きました。きっかけは、駅に貼ってあるポスターに書いてあった『劇団四季のオペラ座の怪人は凄いらしい。』という言葉でした。ミュージカルに特別興味があったわけではないのですが、「何が凄いのだろう?」「どれだけ凄いのだろう?」となぜか気になって、心を動かされました。上演回数も5,000回を超えるロングラン公演ということで、わたしと同じようにこの言葉に心動かされて見に行った人がどれくらいいたのだろうと思うと何だか不思議な気持ちになりました。

 内容自体はもちろん良かったのですが、ふと目にしたそのキャッチフレーズに心動かされ、行動に移したこと自体がおもしろく感じられて、色々な意味で大満足な経験でした。

by 板谷

今、会社をたたんだら何が残るか?

会計事務所の仕事では、様々な会社の決算書を見る機会がありますが、その際に、「今、会社を清算したらどうなるか」という視点で見ることを意識しています。というのも、以前の職場で、「もう少し早く会社をたたんでいれば社長の自宅まで失う状態にならなかったのに」と残念に思う会社があったからです。
通常、銀行からの融資や個人資産の貸付けが可能な限り、会社は倒産することはないかと思いますが、それらが不可能になった時には、すでに手遅れとなっていることが多いです。最悪の場合、経営者の自己破産ということにもなりかねません。

そこで、事業の撤退時期の判断ミスを防ぐためにも、次の手順による決算書(貸借対照表)の簡易診断をお勧めします。
(1)資産合計に、下記の様なものをプラス・マイナスする。
①回収できない債権(不良売掛債権や貸付金など)をマイナス
②有価証券、ゴルフ会員権は時価との差額をプラス・マイナス(下がっているときはマイナス)
③有形・無形固定資産の合計をマイナスし、売却可能なもの(土地など)がある場合には、おおよその時価相場をプラス
④生命保険で解約返戻金があるものは、資産計上額との差額をプラス
(2)負債合計に、下記の様なものをプラス・マイナスする。
①返済しなくても許される同族関係者からの借入金等をマイナス
②リース契約で、未払計上されていないものをプラス
(3)(1)から(2)をマイナスする。

一般的には、(3)の金額が大きくプラスで、毎期安定的に利益が出ているということであれば事業継続良好と考えられます。また、(3)の金額がマイナスでも、個人資産(現金預金や換金性の高い有価証券など)を資産合計に加算してプラスになれば、その時点では会社をたたむことは難しくないでしょう。
一方、それでもマイナスのままであり、今後充分な利益が見込めない場合には、現状のまま事業を継続すべきかどうかご検討頂くことをお勧めします。このままではご自宅などの生活基盤を失い、ご親族に迷惑を掛けることも考えられるからです。

これは、一つのものさしに過ぎませんが、決算期ごとに比較することによって、会社の将来を考える良い材料になると思います。
ただし、多額な売却益が見込まれて税金が発生する場合や、特殊な取引が含まれる場合などは、上記のとおりにならないこともありますので、ご興味のある方は担当者までご相談いただければと思います。

by 加古宗利

大義名分

 皆さんは何かものを買うときに、もっともらしい理由をつけたりしませんか?
 私は、生活必需品以外で欲しいものを買うときに、これはあの仕事が終わったご褒美なのだと自分に言い聞かせながら買ったりします。
 例えば、バレンタインのチョコレートを買いに行ったときに、「自分へのご褒美にプチ贅沢!」なんてキャッチフレーズを見たら、つい財布の紐を緩めてしまう女性は多いはず。
 
 こんな風に人は何かものを買う時に、何かしら自分自身で納得のいく大義名分を考えながら、購入の意思決定をしていることが多いのでは?と考えました。
 消費者の購買行動を簡単に、
①商品を知ること
②購買意欲が沸くこと
③購入の意思決定をすること
 という順番に並べた場合、②までの条件を満たしたとしても、この不景気では③をクリアすることが難しくなってきます。
 そんなとき、③をクリアするための大義名分を消費者に与えられることができれば、もっと消費は加速し経済は活性化するのではないかと思いました。

 一方、消費を加速するために、子供手当てや高速道路の無料化、税金の減税や補助金など様々な政策がとられています。
 高額の買い物をしようとしたとき、当然ながら少額の買い物をするときより慎重になり、大義名分以外にも更なる後押しが必要になってくると思います。
 そんな場合には、一時的であろうとも税金の減税や補助金などの政策はありがたいものだと思います。

 しかし、少数で多額の消費に目を向けた国の政策を期待するだけでなく、少額であってもより多数の消費に目を向けた企業のマーケティング戦略に着目した方が、経済は活性化していくような気がします。
 こんな世の中だからこそ、より多数の消費者の購入意欲が高まる楽しいイベント時に、購入の意思決定を促すような大義名分で、日本経済を元気にしていく企業の戦略をおもしろいと思いました。

by 村上

目標を明文化してみる

新年を迎えて、昨年心の中に立てた目標を思い返すと達成しているものが少なく、

ここ数年はそんなことの繰り返しであったと気づきました。

これまでは目標を宣言するわけではなかったので、「達成できなくても来年やればいいか」といった甘えをうんでいたのではないかと思います。

また、高すぎる目標を設定してしまったことも、早々にあきらめることになっていた気がします。

そういったことが達成できない大きな要因であった思います。

そこで、今年は文章にして残すことにより、自分にプレッシャーをかけ、

それによる達成度がどう変化するかをこの場を借りて実験してみようと思います。

<今年の目標(健康面)>

(1)毎月1キロのダイエット

(2)腕立て伏せ100回

ダイエットの必要性は、健康診断の度に指摘を受けていたことですが、

現在の体重では健康面だけでなく仕事のスピードにも悪い影響を与えている気がしています。

また、腕立て伏せは10年前にも目標として立て、150回までできるようになりましたが、

今回は体力の低下も考えて目標値は控えめにしました。

今年の目標は、達成可能性を高めることを重視していつもよりハードルは低めにし、

ブログに記録することにより、自分に逃げ道をなくすことにしました。

日々これらの目標を忘れずに努力をして、一年後の結果を楽しみにしたいと思います。

by 加古宗利

目標を明文化してみる

新年を迎えて、昨年心の中に立てた目標を思い返すと達成しているものが少なく、
ここ数年はそんなことの繰り返しであったと気づきました。
これまでは目標を宣言するわけではなかったので、「達成できなくても来年やればいいか」といった甘えをうんでいたのではないかと思います。
また、高すぎる目標を設定してしまったことも、早々にあきらめることになっていた気がします。
そういったことが達成できない大きな要因であった思います。

そこで、今年は文章にして残すことにより、自分にプレッシャーをかけ、
それによる達成度がどう変化するかをこの場を借りて実験してみようと思います。
<今年の目標(健康面)>
(1)毎月1キロのダイエット
(2)腕立て伏せ100回

ダイエットの必要性は、健康診断の度に指摘を受けていたことですが、
現在の体重では健康面だけでなく仕事のスピードにも悪い影響を与えている気がしています。
また、腕立て伏せは10年前にも目標として立て、150回までできるようになりましたが、
今回は体力の低下も考えて目標値は控えめにしました。

今年の目標は、達成可能性を高めることを重視していつもよりハードルは低めにし、
ブログに記録することにより、自分に逃げ道をなくすことにしました。
日々これらの目標を忘れずに努力をして、一年後の結果を楽しみにしたいと思います。

by 加古宗利

「寄付金控除」

確定申告はサラリーマンで副収入のない私は本来必要ないのですが、申告をする予定です。それは、寄付金控除を受けようと思うからです。

一年ほど前から、ある非営利団体の寄付に毎月協力しています。
以前から協力したいと思っており、望んでいた業界で仕事が出来るようになったことをきっかけに始めました。

その寄付により行われる援助プログラムでは、一口に一人援助を必要とする子が充てられ、その子の成長を通して地域の発展改善を見守るというものです(本人に直接お金が渡るわけではありません)。定期的に子供の成長やプログラムの進捗状況のお知らせなどが届くので、その度に協力できていることが嬉しいなと感じます。
援助プログラムは数年から10年くらいの計画で行われているので、計画が無事に終了するまでお付き合いできることを目指しています。
このことによって、長く寄付を続けていけるように仕事を頑張ろうとの気持ちも沸いてきます。お互いに良い効果があるならこれ以上いいことはありませんね。

今はちょうど確定申告シーズン真っ只中です。
寄付金控除は、“所得控除”であるため、寄付した分だけ税額が減るというわけではありません【“寄付”=すべてが控除の対象ではなく、足切り額もあります。また、控除を受けるためには、領収書・その団体等が寄付金控除の対象となるものであることの証明書等の添付が必要となっています】。
減税の効果としては少額にとどまるところでしょうが、多額の寄付をした場合、または、寄付をしたけど対象となるものかな…と気になることがありましたら、遠慮なく担当者までご相談下さい。

by 松浦