「挑戦し続けることの大切さ」

 先日、愛知県美術館で開催していたシャガール展に行ってきました。誰しも一度は聞いたことがある画家の名前だと思いますが、私も同じようにシャガールに詳しいわけではなく、何となく絵のモチーフと色彩が気になって訪れました。

 入り口からはパリ・オペラ座の天井画の下絵が何枚も並んでいました。さすがに実物を見ることはできないので、たくさんの下絵が展示してあるのだと最初は思いましたが、思いつくままに感覚的に描いているイメージとは違い、試行錯誤しながらモチーフや色彩を入念にチェックしているのがうかがえました。

 続いて舞台美術や衣装、彫刻、ステンドグラス、タピスリー(織物)など媒体の異なる作品が展示されていました。特にタピスリーは、絵の具のように色が完全に混ざり合うことはなく緻密に描くことはできませんが、生地の厚みや質感、凸凹などが独特で、何より少し遠くから見てもとても迫力があって絵とはまた違った良さがありました。キャンバスに描かれた絵もありましたが、並んで展示されていなかったら同じ絵だと気付かないほど色彩や情感が異なるものもあって多彩な表現力に驚きました。

 最後に唯一シャガールの制作風景の撮影を許されていたイジスによる写真が展示されていました。シャガールの作品のスケールの大きさに圧倒され、完成までに何枚も描かれた下絵や色々な媒体に挑戦してきた作品などを思い起こしました。

 今回シャガールの作品を見ていて一番強く感じたのは、晩年まで衰えない旺盛な探究心と制作意欲でした。常に挑戦し続けるエネルギーの強さがひしひしと伝わり、その大切さを改めて感じました。

「危険性を意識した上で上手に使う」

つい先日、名古屋市内でLINEを使った強盗致傷事件が発生したというニュースが目に留まりました。被害者は、犯人とLINE上で知り合い、「これから遊ぼう」と約束して住所を伝えたところ、家に来て暴行を加えられた上に現金を奪われたそうです。

LINEとはスマートフォン等の携帯電話やパソコンで無料通話とメッセージの送信ができる人気の無料アプリケーションです。実際、私も家族や友人とのやりとりはほとんどLINEを使っています。複数の人で同時にやり取りをすることも可能なので、打ち合わせ等をするときにも非常に便利です。
また、スタンプ機能もあり、文字の代わりに画像を送ることによって、自分の今の感情を簡単に表現することもできます。

今まで、便利なアプリとしか思っていなかったので、このアプリの危険性について意識したことはありませんでしたが、今回の事件を知り、考えてみることにしました。

よく指摘される危険性としては、利用するにあたって電話番号の登録が必要なため、何かしらの不具合が発生してしまった時にその情報が流出してしまう恐れがあること、新規に契約した携帯電話の番号を以前誰かが使用しており、かつ他のLINEユーザーのアドレス帳に載っている状態だった場合、見知らぬ人の友達リストに表示されてしまう恐れがあることだそうです。

実際に、母のタブレットにLINEを設定したときに見知らぬ人からメッセージが届くということがありました。上記の事件の被害者も犯人とLINE上で知り合ったということですので、同じようなことがあったのではと推測されます。様々な人と気軽に連絡をとれる便利なツールではありますが、その反面、コミュニケーション相手の素性がよくわからない状態で安易に自分の個人情報を相手に伝えてしまうことによって、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうという危険性もはらんでいます。

ただ、便利なものであることには変わりはないため、そのような危険性があることを十分に理解した上で上手に活用していきたいと思います。