「いつもと違う頭の使い方をした業務」

先日お客様の経営分析の仕事をさせていただきました。
小売業を営むそのお客様は従来、原価に加えて販売スタッフの人件費や交通費等、販売に直接かかるコストを見込んだ上で、上げるべき売上の最低ラインを決めていました。
ところが年月を経るうちに環境や会社の状況が変わり、その最低ラインの売上を上げていても、いざ月次決算を作成してみると予想していた利益とのずれが生じるようになってきているようでした。
そこで現状での目安となるコストを算定するよう、ご依頼があったのです。

月次決算は毎月私が作成しており、会社の大まかな概要は分かっていましたが、さらに詳細に請求書等を調べて分析しました。
その結果、見込んでいたものと金額が異なっていた項目や想定していなかった項目があり、また営業以外の間接部門のコストも会社の拡大と共に大きくなってきていることが改めて明確化しました。

次に、この結果をどうまとめればよいか考えました。
お客様がひと目見て分かり、その内容がご要望に合致し、役立てていただけるように。
省けるところは最大限省いて極力シンプルにしながら、お客様が知りたい情報は過不足なく表現できるように。
石田からアドバイスをもらいながら、お客様の気持ちを想像しつつ知恵を絞って1枚の紙にまとめました。

結果的に、お客様には喜んでいただくことができたようです。
決算書や申告書を作成する通常業務にもやりがいを感じますが、それとはまた異なるこのようないわば正解のない仕事は、想像力がかきたてられ、勉強になりました。
会計の知識はこのように役立てることもできると実感した業務でした。

「力のある言葉」

 知人の紹介で無農薬の野菜を届けてもらうようになり、数ヶ月経ちました。
 農家の方が自分で育てた野菜を家まで届けにきてくれます。
 70歳位の女性の方なのですが、夏場は夜7時過ぎまで畑に出ているようで、配達は色々回って我が家には9時頃、その後もまだ何件か残っていて、一体何時に休んでいるのだろうと思うほどお元気な方です。

 届けてもらうついでに立ち話をするのですが、これが楽しみでもあります。
 例えば、夏の終わりに頼んだニラが短く細々としていた時は、
 「最近の天気が従来とは違ってきており、そのせいで多くの野菜が本来育つ時期に元気に育たない。人間は鈍感だし、暑ければクーラーのきいた部屋に逃げ込めば済むから気づかないことを、自然は教えてくれていると思う。」
とおっしゃっていました。

 また、無農薬の野菜にはよく虫がついているのですが、これについては
 「畑の虫を全部駆除すれば良いということではない。自分にとって都合の良いものも悪いものも存在するのが世の中なのだから、都合の悪いものだけ排除しようとせず受け入れることも必要だと思う。そうでないと、巡り巡って自分達のエネルギーを弱めていくことにつながるのでは。」
というような話をしてくれました。

 普段あまり自然に触れない生活になってしまっていることもあり、話を聞くことによりはっとさせられ、何かしら気づきを得ることが多いように思います。
 何かを究めた方の実体験に基づいた話には説得力があり面白く、安心安全な野菜だけでなく会話からも活力をいただいているな、といつも感じています。

「蜂に刺されて」

 家族で出かけたテーマパークで、スズメバチに刺されました。
 足首に突然ものすごい痛みを感じ、見ると靴下の上から蜂が刺していたのです。

 その後、係員がパーク内の救護室への車を呼んでくれたのですが、車が到着するまでに20分かかりました。
 救護室では軟膏を塗って患部を冷やしてもらいましたが、それ以上のことは病院に行かないとできないとのこと。

 スズメバチに刺されるのは人生初でしたので大丈夫でしたが、もし2回目だった場合、アナフィラキシーショックを起こす可能性があるといいます。
 これは、1回目に刺された際に蜂毒に対してアレルギーが出来ることにより、2回目以降に刺された時にじんましんや呼吸困難・血圧低下等の症状を引き起こすことです。
 最悪だと死に至るということで、国内でも毎年数十人が亡くなっているそうです。

 アナフィラキシーショックは刺されてから15分位で発症することが多いそうなので、今回の私の状況のように車を20分間待っていたのでは手遅れになると思いました。
 今振り返ってみると、突然のことに気が動転して、その場ではどうしたらいいか考える余裕などなく、ただおろおろしてしまっていました。
 今後は蜂の毒吸引器と軟膏を携帯し、刺された際の応急処置はできるようにしつつ、迷わず救急車を呼ぶことにしようと思います。

 今回のことで、蜂に限らず、日ごろからリスクを想定して備えておくことの必要性を実感しました。
 起きてからどうすべきか考えたり調べたりするのでは手遅れになりかねません。
 備えとは物の備蓄に限らず、こうなったらこうする、とイメージしておくことが最も大切であると思いました。

「学童キャンプでのトーチトワリング」

 子供が通っている学童のキャンプに参加してきました。
 今年入会した我が家は親も子も初参加で驚くことばかりでした。

 特に印象深かったのが、4年生以上の子供達が毎年行っているトーチトワリング(通称「トーチ」)です。
 「トーチ」とは、棒の先にタオルを巻きつけて火をつけたものを回して踊るパフォーマンスで、愛知県では伝統的に小学校の林間学校等で行われているそうですので、ご存知の方も多いかもしれません。
 愛知県とその周辺でしか行われていないらしく、関東出身の私は全く知りませんでした。
 火のついた棒を子供が振り回すと聞いて大変驚きましたが、数ヶ月前に自分のトーチを釘を打って作成するところから始まった取り組みの過程を見ているうちに、本番の演技が楽しみで仕方なくなりました。
 毎日のように練習して「阿修羅」「バラ大車輪」等の名前のついた様々な技を習得し、学年で踊る曲を選んで皆で振り付けを考え、それを覚えてまた練習。
 完璧にできるようにならないと危ないので、指導員の厳しいテストに合格しない子は本番で火を付けられません。
 テストになかなか合格できず涙を浮かべながら練習している子には、こちらももらい泣きさせられました。

 当日はキャンプファイヤーの時間に、無事に全員でそろって火を付け演技することができました。
 暗闇に描かれる炎の輪が大変美しく、子供達の表情は真剣そのもの。
 完成度の高い演技にとても感動しました。
 火への恐怖や緊張を乗り超えてやりきった子供達の顔を見ると、達成感や仲間との一体感を感じているのが伝わってきて、胸が熱くなりました。

 始めは「トーチ」に乗り気でなかった子供もいる中、全員参加にこだわり、子供達それぞれの個性に合わせてここまで導いてくださった指導員さんの情熱には、感謝と尊敬の念しかありません。

「こんなに手に入らないものだとは」

 小学5年生の息子に初めてテレビゲームを買うことになりました。
 任天堂の「スイッチ」という新しいゲーム機です。
 今までうちでは買ってもらえないだろうと半ばあきらめていた息子は大喜びして、早速買いに行きました。

 ところが、売っていないのです。
 電気店、おもちゃ屋、ショッピングモールのおもちゃ売り場、地元の書店と見てまわりましたが、どこも「品切れ、入荷予定なし」となっており、予約すら受け付けていません。
 インターネットで調べてみると、日本全国大変なことになっていると初めて知りました。
 電気店の抽選販売では抽選に参加する人の列が店の周囲を2周した、とか、先着〇名に販売という店では徹夜で並ぶ人がいる、等々。
 転売屋と呼ばれる人が仕入れ、値をつり上げて販売していることも、品薄に拍車をかけているようです。

 任天堂の発表では、今期(18年3月期)の生産台数は当初800万台の予定から倍増の1,600万台以上に引き上げるとのことですが、この様子ですとそれでも間に合わないほどの需要があるのでしょうか。
 それとも出荷量を調整して小出しにし、人気や品薄感を演出しているのか、とすら勘繰ってしまいます。

 ついでに気になって任天堂の株価を見てみました。
 「スイッチ」発売日の3月3日頃からずっと上昇傾向にあり、6月下旬の決算発表後に調整はあったものの、この間の株価上昇率は約50%にもなっています。
 同期間の日経平均は2,3%程度の小幅な上昇に留まりますので、このようなところからも販売好調が覗えると思います。

 あまり労力をかけてまで買う気はないのですが、楽しみにしている子供のためになるべく早く入手できないものかと思案しています。

「素敵なオフィス」

 担当させていただいているお客様で、オフィスの新設を計画している会社があります。
 従業員の士気を高めるためのオフィスというコンセプトで、色々考えられているようです。

 オフィスといえば、今まで訪ねたことがある中で忘れられないオフィスは、東京のグーグルのオフィスです。
 従業員が家族や友人をオフィスに招待できる制度があるらしく、勤めている友人に招待してもらいました。
 日本屈指の賃料の高さであろう六本木ヒルズを贅沢に使い、ゆったりとした配置の中に様々な工夫が施されていました。
 会議スペースは部屋ごとに趣向が凝らされ、お祭りをテーマにしたスペース、銭湯をモチーフにしたスペース、和室など、遊び心に富んだ部屋が次々と現れて、一瞬会社ではなくテーマパークに来ているような気がしました。
 休憩場所も、巨大な画面にグーグルマップが表示されていたり、防音室に楽器が置いてあったり、卓球台が置いてあったりといった具合。
 カフェスペースでは飲み物や軽食がいつでも取り放題、社員食堂も多種多様なメニューが無料で食べ放題でした。
 
 こんなに素敵なオフィスに勤めていたら、どんな気分になるのでしょう。
一般的に、きれいなオフィスでも毎日通っていると当たり前になってしまうという話を聞いたことがあります。
 しかしさすがにグーグルの場合は、メディアでも取り上げられるほど圧倒的な快適さを誇るだけあり、従業員にも好評で満足度が高いようでした。

 これは極端な例としても、毎日長時間過ごす場所ですから、オフィスを整えることはそこで働く者にとって案外影響が大きいのではないかと思います。
 人手不足の昨今、採用や従業員の定着に、素敵なオフィスが一役買うかもしれません。
 冒頭の、お客様の新設オフィスの完成が楽しみです。

「子供が学童に入りました」

この4月から子供を学童に行かせることにしました。
 時短で仕事をすることにより子供には極力負担をかけないように努めてきましたが、それでも放課後に1人でお留守番をしている日が結構あり、子供にとっても自分にとっても何だか中途半端だなと思ったからです。
 学童の見学に行ってみると、皆がのびのびと遊んでおり、子供はここに通いたい!と強く希望しました。
 名古屋市の学童は公営ではなく負担は小さくないので迷いましたが、指導員さん達が愛情を持って見守ってくれている点と、安心して外遊びができる環境に惹かれ、入会に至りました。

 入ってみると、子供は思った通り大変楽しく過ごすことができているらしく、私が家にいる日でも学童に行きたがるほどです。
 遊び方もドッジボールや秘密基地作りなど、「こういう風に遊んでほしい」と思う健康的な遊びで体や五感を使っているようで、テレビやゲームのない環境がとてもいいなと感じます。

 私にとっても、今までは何があっても自分しかいないという思いで育児をしていたところ、学童が頼れる存在として、予想以上に大きな余裕をもたらしてくれています。
 勤務時間も伸ばすことができ、忙しい時期など早速助かっています。
 
今まで「いずれもっと仕事をしたい」と思ってきましたが、学童のおかげで思ったよりも早く前進することができそうです。

「ゼミ同窓生とのひととき」

 先日、大学のゼミの教授が定年で退官されるということで、お祝いの会に参加するため東京へ行ってきました。
 はじめの挨拶で先生は、「大学を出て就職すると、周囲は皆ライバルということになるので、友人は作りにくい。今日は私(教授)とは話さなくてもいいから、旧交を温める時間にしてほしい。」とおっしゃいました。

 私の世代は「就職氷河期世代」と言われ、就職活動には大変苦労した覚えがあります。
 特にバブル崩壊で痛手を負った金融機関への就職は厳しく、内定していた証券会社が大学卒業前に破綻、就職留年を余儀なくされた同級生もいました。
 就職後もリーマンショックが起きたり、金融再編成により合併が続いたりと、平坦な道のりではなく、新卒時の就職先と同じ名前の会社に今もいる人はごくわずかでした(同級生では製造業に就職した1人だけ)。
 同級生たちと話をしていると、どの人も年齢を重ねた分それぞれ苦労してきたのだろうなという感じがして、人間的に丸くなったなあという印象を持ちました。
 
 名古屋にいると同窓の方にお会いすることはあまりないので、出身大学を意識することはほとんどないのですが、先生の言われたとおり、旧友というのは良いものだなと改めて感じました。
 それから、それぞれのフィールドで活躍する皆にまた笑顔で会えるよう、自分なりに今与えられた役割を全うし、納得のできる生き方をしていきたいと思いました。

「公認会計士の研修制度」

 確定申告に3月決算の準備等、会計事務所にとって3月は忙しい季節です。
それに加えて、会計士にはもう1つやらなければならないことがあります。
 公認会計士の資格を名乗り仕事をする以上、継続的専門研修の履修が義務付けられているのです。
 
 この制度は、公認会計士としての能力の維持・向上を図り、社会の信頼を得続けるために、継続的に勉強をしていくという趣旨で設けられています。
 具体的には、毎事業年度(4月~翌3月)に必要単位数(通常40単位)以上の履修と申告が必要となります。
 義務不履行者に対しては、監査業務の辞退勧告、氏名等公示、会員権停止1年及び行政処分請求、退会勧告及び行政処分請求、といった厳しい措置が講じられることがあるといいますので、何が何でも単位を取らなければなりません。

 監査法人に勤めていた頃は、社内で集合研修があり、申告についてもまとめて手続をしてくれていたので、特に意識しなくてもいつの間にか必要単位が履修できている仕組みになっていました。
 現在は、石田会計でも社内研修は毎月ありますが、この制度の対象となる研修ではありませんので、会計や税務に関する書籍や制度指定の記事を読んでレポートを書いたり、Eラーニングで研修を受講したりと、自分で色々工夫して取っています。

 レポート1件につき1~2単位、Eラーニング1時間で1単位程度ですから、40単位取るのはなかなか大変なのですが、半ば強制的なこういう機会こそ知識をアップデートできる良いチャンスと思って取り組んでいます。
 来年こそは1年かけて余裕を持って履修していきたいと思いながら。

「携帯電話ショップで」

 先日、携帯電話の機種変更をしようと思い、携帯電話ショップに出かけました。
 よく言われることですが、そこで改めて携帯電話の料金体系の分かりにくさに直面しました。
 同じ機種を買うにしても、機種変更、他社からの乗り換え、新規で値段が違いますし、通話プランも沢山あり、割引も多様で一度では決めることができませんでした。
 
 何度かショップに説明を聞きに行く中で、すごく感じの良い販売員に出会い、印象に残りました。
 なぜ良い印象が残ったのか後で思い返してみると、こちらの聞きたいことに過不足なくきちんと答えてくれた、というのが一番大きい理由だと思いました。
 分かりにくい料金体系を前にどうしていいかもやもやしていたところ、その人に話を聞いているうちに自分の頭の中が整理され、どの機種でどのプランを申し込むかをはっきりさせることができたのです。
 販売員なのですから、質問に答えるのは当たり前といえば当たり前のことなのですが、そのためには商品知識を頭に入れておかなければなりませんし、相手の聞きたいことを的確につかまなければなりません。
 好印象を残すほどの対応をするのは、誰にでもできることではないと感じました。

 後日、その販売員を指名予約して契約をしたいと思いショップに電話をしたところ、その人はいないと言われました。
 繁忙期の応援で、本社からたまたま来ていたということでした。
 
 うまく言えませんが、やはり仕事に対する姿勢や志は、言外に伝わってくるものだと感じる出来事でした。
 私も担当させていただいているお客様には常に心をこめて接し、この販売員のようでありたいものだと思いました。