「新年の抱負」

昨年は同業・異業種を含め、多くのセミナーや勉強会に参加する機会に恵まれました。
新しい方々との出会いや、未知の分野の話などは大変興味深く楽しいものです。
一方で、セミナー講師として皆さんの前で話をする機会も徐々に増えてきました。
分かりやすく伝えることに悪戦苦闘しています。
そこで今年は、物事を自分の言葉で端的にまとめることを意識しようと思います。
できるだけ簡単に分かりやすく説明したり、別の事例に置き換えたりしながら物事を整理する癖をつけようと思います。
そのためにも、たくさんの文章を読んだり、色々な人のセミナーに参加したりして勉強の機会を増やしながら、分かりやすいかそうでないかだけでなく、どこが分かりやすかったのか等の原因や理由を追究していきたいです。
良いものを真似しながら、自分の中に取り込んでいけるよう努力したいと思います。

「食事会でのハプニング!」

先日、仕事の関係で親しくしているメンバー10人程で食事会を行いました。
美味しい食事をいただきながら談笑していると、店員さんが飲み物を持って来た次の瞬間、バランスを崩して、トレーの上にのっている飲み物2杯が、友人の肩の辺りからかかりました。
もちろんスーツはびしょ濡れの状態で、袖口からポタポタ垂れています。

それに対するお店側の対応が、納得できませんでした。
「すみませんでした。」と言っておしぼりを持ってきてはくれましたが、その後は普通にコース料理を運んでくるだけです。
ずいぶん経ってから、男性の店員さんが来てお店の名刺を渡し、「クリーニングの領収書を送ってくだされば、料金を支払わせていただきます。」との対応でした。
その場の雰囲気への配慮もあり、お店側に対してクレームは一切言いませんでしたが、その対応の不味さに場がしらけてしまいました。

この実体験を受けて、その後は楽しい食事会から一転、各々の対場から意見交換となりました。
メンバーの中にいた一人は弁護士的立場から、損害賠償額の妥当性は実費相当で間違いないが、振込先を教えることは個人情報ですし、そもそもこの場で解決出来ないことが更なる問題を生むきっかけになるとの意見。社会保険労務士的立場からは、従業員教育が行き届いていないことの問題点を指摘していました。
いずれにしても、緊急事態であることは間違いありませんので、その場の迅速な対応が何より大切だと感じました。失敗は誰にでもあることですので、そこは仕方がないとして、その後の対応でお店の印象を悪くしてしまうことは、料理が美味しいお店だけに大変勿体無いことだと思います。

友人は、「せっかくこんな思いをしたから、今回の出来事を仕事でも何でもいいので皆さんの話題に使ってください。」と笑っていましたが、大変なハプニングを目の当たりにし、違った意味で忘れられない食事会となりました。

「財産承継のいろいろ」

 最近よく耳にするようになった「家族信託」についての研修会に参加しました。
信託といっても、いわゆる信託銀行などとは違い、家族内での契約によって自分の生存中から死亡時、そして死亡後までの財産の管理・承継について決めておくことができるというものです。例えば、父親が持っている不動産を子供を受託者として契約を結んでおくことで、認知症等になって十分な管理ができなくなった場合にも、父親に代わって子供がその不動産を運用・処分することができます。現在の後見制度では、不動産を守ることはできても運用・処分まではできませんので、人によっては使い勝手が良い制度といえるかもしれません。また遺言などの場合は相続人の指定までですが、信託の場合には二次相続発生以降の代々にわたる承継者まで指定することもできます。

 さらに近頃は、飼い主が自分の死後に備えて、ペットの飼育を任せられる人を定め、そのために残した財産を管理する「ペット信託」という手法もあるようです。
自分の財産の承継方法を自分自身で決めることができるというのが、現在の流行りなのかもしれません。

 相続対策などというと、どうしても暗いイメージが付きまとい、先延ばしにしがちですが、自分の財産の使い道を決めておくことで争族対策の一助になると思います。また生前贈与・遺言・死因贈与・信託など、財産の承継方法は様々です。そして、各人の状況にあわせて、これらの中から一つないしは二つ以上の方法を組み合わせて設計していくことで、より理想に近い承継が可能になります。

 まずは、自分自身が自分の財産をどのように使いたいのかを考えるところから始めてみてください。また納税額が大きくなる場合には財産の自由が利かなくなってしまいますので、そのような場合には節税対策は大きな意味を持ちます。財産を動かすことで思わぬ税金が発生することもありますので、その際は、ご相談いただければと思います。

 「『サラメシ』ご存知ですか?」

 NHKの『サラメシ』という番組をご存知ですか?
私は、この番組がかなり気に入っており、毎週欠かさず見ています。
この番組タイトルの『サラメシ』とは、「サラリーマンの昼飯」の略で、いわゆる会社員や、様々な職種の人の昼食を切り口に、日々の仕事や人となりをおもしろおかしく伝えるバラエティ番組です。

 ちなみに前回は、食品メーカーのトライアスロン部に所属する料理好きの男性のお話でした。食事も仕事のうちとして、主菜・副惣菜3品・お味噌汁・釜炊きご飯を毎食作るほどの気合いの入れようです。あわせて、トライアスロン部の過酷な練習風景も紹介されていました。トライアスロンには、水泳・バイク・ランの3つの競技に加えて”トランジション”と呼ばれる4つ目の種目があるそうです。これは、水泳から自転車、自転車からランへと移行する際の着替えのことで、上位の選手になるとこの時間が勝負を分けるそうです。そこで、水泳の終盤に差し掛かったところで・・・この後は、自転車を止めて、靴下と靴を履いて・・・という一連の行動を頭のなかで復唱してみるそうです。そんな訓練のおかげで、普段から常に次のことを考えて行動するようになったとのことでした。確かに、仕事にも料理にも重要なことだと思いました。

 また、ランチに向かうサラリーマンに声を掛け、ついて行ってインタビューする「サシメシ」というコーナーもあります。ランチを食べながらということもあり、堅苦しくない雰囲気も手伝って、サラリーマンの本音が垣間見えるものとなっています。

 だれもが毎日のようにとっている昼食をテーマに、様々な職業を紹介していくこの番組は、単におもしろいだけでなく、会社員や職業人として共感できる部分や勉強になる部分も多く、お勧めです。

 「目的意識」

東京湾で50年ぶりに海水浴が解禁になったというニュースを見ました。テレビの映像では水の濁りがありましたが、猛暑を少しは和らげてくれるような気がしました。

 ところで、私の地元の篠島にも海水浴場がありますが、実は数少ないウミガメの産卵地でもあります。
 始まりは4年前の夏、ウミガメが砂浜で産卵し、海に帰っていくのが発見されました。
 それを機に、小学生が”篠島ウミガメ隊”と銘打って、ウミガメの産卵地である砂浜の清掃活動をし、ウミガメの産卵の保全に一役かっています。
 今までにも、「クリーンアップ大作戦」などと謳って、海水浴場をきれいにする取り組みは何度かありましたが、今回ほどの盛り上がりはありませんでした。やはり目的意識があるのと無いのとでは大きく違うようです。

 ウミガメが産卵上陸するための条件は、きれいな砂浜であるのは勿論のこと、砂の質や粒の大きさが産卵に適していること・沖合にウミガメの餌となる魚介類や海藻が豊富にあること・砂浜が広く、産卵場所が波に洗われる心配のないことなど。
 地元の海が、”きれいな海”だというお墨付きをもらえたようで、とても嬉しいです。
 その後、昨年にもウミガメがやって来ました。が、今年はまだ見られておらず、いつ来ても良いようにと、小学生がせっせと取り組んでいるそうです。

 先日、夏期休暇で帰省しました。観光客が多いこの時期には、花火やバーベキューなどで、どうしてもゴミが目立っていたのですが、ウミガメポスターを掲示したり、清掃活動を呼びかけることで、以前よりも明らかにきれいになっていました。ひとつのイベントとして取り上げることで、島民の砂浜の清掃という行為が、ウミガメの産卵の保全という目的意識に変わっているのだと思います。

「情報の一元化と管理体制」

 平成28年1月から導入が開始されるマイナンバーについて、近頃は新聞やニュースでよく目にするようになってきました。また諸外国との情報提供制度も整備され、様々な情報が一元化され管理される流れのようです。
税務面に関しても、その利用の詳細等が明らかになってきています。

 例えば、銀行等に対して、今後はマイナンバー(個人番号及び法人番号)によって検索できる状態で預貯金情報を管理する義務が課されます。
これにより、社会保障制度における資力調査や国税・地方税の税務調査において、マイナンバーが付された預金情報が効率的に利用できるようになります。

 さらに国際税務においては、非居住者の口座情報を交換することについてG20サミット等で合意したことを受け、銀行等の一定の金融機関は、非居住者に係る口座情報を税務署長に提供する制度が整備されました。よって平成30年以降は外国居住者が日本の金融機関に口座を開設した場合には金融機関は国税庁に報告し、国税庁は租税条約等に基づき、外国の外務当局に対して年一回まとめて情報提供をすることになっています。
 
 このように、マイナンバーで検索することにより、その人の預貯金や国外の口座情報までもが瞬時に浮かびあがってくる管理体制は、使い道によっては大変便利ですが、そのナンバーの管理が非常に重要となります。
 弊社でも、今後お客様の情報をお預かりする機会が増えることが見込まれます。一元管理の利便性だけに捉われることなく、より一層慎重な対応を心がけたいと思いました。

「古民家風」

「古民家風」という言葉をご存知ですか?

”古民家風カフェ”や”古民家風居酒屋”などというと、古い民家を改装してカフェや居酒屋にリフォームするというのが一般的なようですが、最近は、新築なのに敢えて内装を古民家風にするということも多いようです。

先日、内装業をされている方と話す機会がありました。
その方も、古民家風に造りあげることに特化した技術を持っており、初めて聞くことばかりで驚きの連続でした。
いわゆる古民家ですので、例えば壁や床の木材を使い込んでいるように塗装するのは勿論ですが、ここで職人さんの感性と技術が必要になるようです。
例えば、この家に人が何十年と住んでいたら、実際にその家はどのようになっているかを想像するのだそうです。
窓の位置から推測すると、柱のこの部分に陽が差し込むので、手前側の木は日焼けしてこんな色になるだろうとか、奥に行くにつれてだんだん色が変化していくだろうとか・・・。ここは人がよく手を触れる部分だから、他より変色が進んでいるだろうというように、日常生活をイメージして、より現実に近い古民家にしていくのだそうです。
そうすることで、造られた空間が、実際に年月を経て出来た空間に負けないものになるのだそうです。

敢えて古風に造るということに違和感を感じていましたが、その技術や努力を聞いてみて、それも一つの芸術なのかなと、受け入れることができました。温かみがあり、味わい深く、ゆったりとした気持ちにさせてくれるというのも理解できるような気がしました。本物以上に本物らしく造ることが、本物に見せるコツのようです。。。

「シェアオフィス」

 先日、シェアオフィスの内覧会に行ってきました。

 シェアオフィスとは、複数の利用者が同じスペースを利用するもので、デスクや会議室、ネット回線、接客スペース等のオフィス機能が整備され、また希望者は住所登記も可能になります。通常、一般的なオフィスを借りるよりも低料金であることから、開業間もない起業家や個人事業主を中心に利用が増えているようです。また、貸主の側からは契約期間が最長2年と短いことから、賃料の不払者への対策にもなると話題のようです。

 今回参加した理由は、顧問先から「現場を見学して、もし自分が借りるとしたら、もっとこんなものが欲しいという要望を教えて欲しい」と相談を受けたためです。近頃は、シェアオフィスで開業したという税理士事務所もあると聞きますので、私自身もどんなものか興味がありました。
 実際に見学してみた感想としては、個人のスペースは机1つ分と限られていることで必然的に荷物の量が制限され、また入り口に受付が設けられてはいるものの、やはりオープンスペースでの接客は情報漏洩になりかねないと思いました。ただ、職種によってはパソコン1つで仕事ができる方には十分なスペースですし、起業家が集まっていることから、その中でのネットワークもできるというメリットもあります。仕事の内容と時期をみて上手く利用することができれば、良いシステムだと思います。

 一方で、自分がどれだけ不自由なく仕事ができているかということも実感できました。調べものがあって書棚に行けば、書籍や最新の情報誌が揃っており、また実務上の処理に困ったときなどは同様のケースが無かったかと周囲の上司や同僚に、すぐに聞くことができるのは何よりの財産だと感じました。現状に感謝しつつ、業務に取り組みたいと思います。

「日帰りバス旅行」

 先日、税理士会の日帰りバス旅行に参加しました。

 名古屋駅に集合し、バスで2時間程で最初の目的地である二見浦に到着しました。
海岸沿いを散策しつつ、二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)に参拝しました。
ここに祭られている猿田彦大神の使いはカエルとされており、神社の境内には「無事カエル」「貸したものがカエル」「お金がカエル」と呼ばれるカエルをモチーフにしたものが数多く献納されていました。
 また境内の沖にある夫婦岩は、男岩が高さ9メートル、女岩が高さ4メートルで、長さ35メートルの大注連縄(おおしめなわ)が5本張られています。
日の出の景色が有名な夫婦岩ですが、実際に岩の間から日の出を見ることが出来るのは5~7月の期間に限られるそうです。
 私たちが着いたときは、ちょうど干潮の時間で、海岸から夫婦岩までが陸続きになっており、海に浮かぶ様子とはまた違った景色を味わうことができました。

 昼食は、名物の活き伊勢海老をお刺身や蒸し料理でいただきました。蒸し器の蓋を押し上げるほど暴れる伊勢海老は、やはり新鮮で大変美味しかったです。

 その後、伊勢神宮へ向かう道中では、ちょうど桜の時期に間に合い、満開の桜並木の中をバスで通り抜ける景色は圧巻でした。天気もよく澄み渡った空気のなか、伊勢神宮の参拝をし、その後はおかげ横丁の散策を楽しみました。

 この日帰り旅行は、私自身が税理士会の厚生委員として企画から関わっており、より一層楽しく充実したものに感じました。参加者は同業ではありますが、様々な世代の方々とご一緒できる機会でもあり、そのような方々との出会いも含めて、大変充実した旅行でした。

「会社法の改正」

 今年の5月1日より会社法の改正施行が決定しました。
 
 そもそも「会社法」は、平成18年5月からスタートした新しい法律です。それまで会社の法律は、「商法」や「有限会社法」など様々な法律に分散していましたが、これが「会社法」として一本化されました。
このときの改正は主に中小企業を含む会社全般を対象として、経営の自由度の拡大を目的に行われたのが特徴です。例えば、有限会社の廃止や資本金1円会社の設立、1人取締役会社などは記憶に新しいと思います。
これにより、起業の幅も広がったのではないでしょうか。

 ところで、今回の改正は主として上場会社を対象とし、経営者に対する規律の重視に重点がおかれているようです。
そのうち、中小企業にも影響のありそうな点としては、「多重代表訴訟」が挙げられます。「多重代表訴訟」とは親会社の株主が、子会社の取締役・監査役などを訴えて損害賠償を請求できる制度です。持株会社(ホールディング・カンパニー)等のグループ経営が普及する中、親会社の子会社に対する監督が不十分などの理由により、子会社の不祥事や業績の悪化がグループ経営に悪影響を及ぼし、株式価値を毀損する事態が懸念されています。
そこで、このような事態から親会社の株主を保護するという観点から新設されました。
この制度が適用されるのは、100%親子会社のうち子会社株式の簿価が総資産の20%を超える重要な子会社のみに限られますが、中小企業でもこの条件が満たされる可能性がある場合には適用されます。

 会社法に限らず、法人税・所得税など様々な法律が毎年のように改正を加えられています。株式会社をめぐる最近の社会経済情勢を反映し、適宜改正が盛り込まれていく法律に、背景を理解しつつ対応していきたいと思います。