「法定調書におけるマイナンバー制度」

マイナンバー制度がスタートしたことにより、法定調書を税務署に提出する場合には、支払いを受ける者のマイナンバーの記載が必要になりました。
 そこで法定調書の提出範囲に応じ、対象者からマイナンバーを収集するとともに、本人確認としてマイナンバーの確認と身元確認を行っていただくことになります。

 ただし、税務署への提出義務がある者からしかマイナンバーの収集はできないこととなっていますので、注意が必要です。
 例えば、不動産の賃貸借契約については、通常、契約内容で賃料が定められており、契約締結時点においてその年中の支払い額が明確となる場合が多いので、その時点で回収しておくとスムーズに進みます。
 一方、年の途中に契約締結したことから、今年は支払調書の提出が不要でも来年以降は必要になると思われる場合には、翌年の支払調書作成・提出事務のために収集することが認められています。
  なお、収集したが結果として提出不要となった場合には廃棄するなど適切に対応してください。

 収集の方法については、
「国税分野における番号法に基づく本人確認方法」(国税庁)の33ページ参照。
対面や書類等を活用した本人確認方法の具体例が示されています。
https://www.nta.go.jp/mynumberinfo/pdf/kakunin.pdf

 事務負担の増加に加え、個人情報を扱うため慎重な対応が求められます。
 社内でのルール作り等により、収集する側にとっても、される側にとってもスムーズな運用がなされるといいなと思います。

「リーダーシップ理論」

先日参加したセミナーで、リーダーシップ理論について勉強しました。
たとえば突然リーダーになるようにと言われて戸惑っていたり、実はあまり気が進まなかったりする人もいるかもしれません。
そんな人たちのために、目指すべきリーダー像について経営学の知見から考えてみようというものでした。

 世界最先端のリーダーシップ研究で共通認識となりつつあるのが、以下の2つです。
①アメとムチをうまく使う”管理型”(トランザクティブ型)
②チームのやる気を引き出す”啓蒙型”(トランスフォーメーショナル型)
このうち、現在のような先行き不透明な時代や不確実性の高い事業環境下においては、いわゆる”啓蒙型”のリーダーが業績を高めることが分かっているようです。

 啓蒙型とは、仕事の方向性を示して、部下をケアしながらまとめていくリーダーのことです。
 ミッションを明確に掲げたり、常に新しい視点を持ち込むなどの興味をひく行動は不可欠ですが、前向きで楽観的なビジョンを打ち出すことにより、事業の将来性や魅力を分かりやすい言葉で伝えることにより、自然と部下の意欲を向上させるというものです。

 リーダーと聞くと、パワフルな統率力を発揮してメンバーをぐいぐい引っ張る、いわゆる男性的なイメージが期待されやすいのですが、実は物腰柔らかく、自己主張がさほど強くないほうが、これからの求められるリーダーシップスタイルなのかもしれません。
時代や環境によって、求められるリーダー像が異なる点は、大変興味深く感じました。

「ブランディング」

 先日友人から、勤務先の会社で″自社をブランド化する″ことが決まり、そのために社内の意識改革としてトップキャラバン(職種やキャリアを越えた意見交換)が行われたという話を聞きました。自社の強みをアピールし、そこに価値を見出す消費者とのマッチングにより関係性を確固たるものにするのが狙いのようです。

 ブランディングとは、辞書によると商品やサービスのコンセプトを特定のユーザーに価値があると認識させ、市場でのポジショニングを築く戦略のことです。
あわせて、会社のブランド化について調べてみると、企業はブランディングの確立によって商品に対する価値とともに、共感や信頼などを得られるため、差別化ができた顧客を獲得することができるようです。
ブランディングと聞くと、高級ブランドをイメージしがちですが、特別なことではなく、近所の本屋さんや八百屋さんなど、ブランドとは縁がなさそうな商売でも、そこで商品が買われるのは消費者が価値を感じているからです。

 例えば、使い勝手の良さであったり、商品の新鮮さであったり、店主の気立てであったりを消費者が価値として認識し、お店もその価値を商売の強みとしているためです。
つまり、私たちがもっと意図をもってブランディングを意識することで、より消費者に支持され、成功に導ける可能性があがるようです。

 たくさんの税理士事務所があり、たくさんの税理士がいるなかで、自分自身も強みやウリを見出だしてブランド化していけるよう努力したいと思いました。

「法人番号」 

 個人にマイナンバーが付されたことは、情報管理等の面からも大きな話題となりましたので、みなさんご存知のことと思います。
一方で、法人にも13桁の法人番号が付されていることはご存知でしょうか?

 先日もお客様から「書類に法人番号を記載する欄があるのですが、法人番号とは何ですか?」とのお電話をいただきました。
実は、法人番号はマイナンバーとは扱いが異なり、インターネットで公表されています。
例えば「法人番号検索」とキーワードを入力して検索すると、国税庁の法人番号公表サイトにつながります。
そこに法人名を入力すると、登録されている法人番号や所在地等が表示される仕組みになっています。
したがって、その法人の名称・所在地・法人番号は誰でも自由に利用可能となっており、そのうえ法人番号の指定後に名称や所在地等に変更があった場合には情報が更新されるとともに、変更履歴も併せて公表されることになっています。

 さらには、国税庁では法人番号の利活用の例として、法人番号公表サイトを利用して、ダウンロードしたデータから「法人番号指定年月日」で絞込みを行えば、新たに法人番号を指定した法人(新規設立法人)を抽出することが可能となり、従来に比べ、効率的に新規営業先等の開拓が実施できるようになるとしています。
つまり、これを利用することにより法務局等に出向かなくても、営業に利用できるような新設法人の情報が得られることになります。

 国税庁のホームページに利活用の例が記載されていますので、何かしらのメリットが享受できればいいなと思います。
http://www.houjin-bangou.nta.go.jp/

「学資金等の取り扱い」

役員や使用人に、仕事に関係のある技術や知識を習得させるための費用や学校の授業料などの学資金を支給する場合があります。
この場合には、支給したこれらの費用が一定の要件を満たしていれば、給与として課税しなくてもよいことになっています。
このうち、「学資金」については、平成28年度の税制改正で非課税となる範囲が見直されました。

 これまでは、役員や使用人に学資金を支給する場合には、原則としてすべて課税されました。
しかし今回の見直しにより、「学資に充てるため給付される金品のうち、通常の給与に加算して受けるものであって、法人の役員や使用人の親族等に給付されるもの以外のものは非課税」と明文化されました。
これにより、税務調査で争点になりやすかった看護学校に通学している学生に対し、授業料や入学金などを負担した場合の取り扱いについて明記されることになりました。

 ただし、「通常の給与に加算して受ける・・・」必要があるため、例えば通常の給与を減額し、その減額分を学資金として受け取った場合には非課税となりません。
また、就学中の子弟をもつ役員や使用人に対して、その就学のために支出する金品は家族手当と同様の性質を有することから学資金であっても給与所得として課税対象になります。

 一方で、仕事に直接必要な技術や知識の習得、免許や資格等の取得費用については、今まで通り、その費用が適正であれば給与課税しなくてもよいことになっています。
会社の成長に積極的な取り組みを評価される制度が増えるといいなと思います。

「講演会のお手伝い」

 先日、イベント企画業をしている友人に頼まれて、講演会の運営を手伝いました。200人規模のホールを借りて行う大々的な講演会のため3ヶ月程前から少しずつ進めてきました。

 まずは、講演者の選定とスケジュール調整から始まります。
 今回はターゲットを女性に向けていたので、”おもてなしプランナー”として東京で活躍されている方をお招きし、その極意や秘訣についてお話していただきました。                       
 それが決まると、会場探しやチラシ、チケットの準備、入金確認後のチケットの発送などなど・・・。
  また、開催日が近づいてくると、当日の会場の準備に入りました。
 会場内の見取図から受付の配置や人の誘導の手順など、自分が今までに参加した講演会のことを思い出しながら、何が必要で何をしてもらえると嬉しいかを考えながら進めていきました。
 開演時間の直前に人が殺到するのを回避するために、開場から開演時間までを音大生によるミニコンサートでおもてなしをして、早めに会場へ足を運んでもらえるような工夫もしました。

 試行錯誤しながら進めてきた準備でしたが、おかげで当日は大きなハプニングもなく、無事に終えることができ、ほっと一安心しました。
 なかなか出来ない貴重な経験ができ、自分にとっても勉強になるとともに充実した時間を過ごすことが出来ました。
 講演会の開催に限らず、知らないことは不安も大きく、手を出し難いのですが、いざ関わってみると楽しいことのほうが多いということを身をもって経験できました。

「第一印象の重要性」

先日、マナー講師をしている友人と久しぶりに会う機会がありました。
近々名古屋でセミナーを開催するとのことで、その第1回目のテーマ『第一印象の重要性』について少し話を聞かせてもらいました。

人は第一印象でその人のイメージが出来てしまい、そのイメージはその後ほとんど変わらないそうです。
その事実を知れば、いかに第一印象というのが重要かと分かり、嫌でも自分の第一印象に意識を向けるようになります。

人は第一印象を五感の中から自然に感じ取るものですが、統計上は以下のような割合になっているそうです。
視覚からの印象が8割
聴覚からの印象が1割
残りは嗅覚・触覚・味覚です。
私が一番驚いたのは、初対面の場合は特にその人の話す内容はあまり印象に残らないという事実です。
第一印象の8割を占める視覚がその人のほとんどを形成してしまい、あとは自分で作り上げたイメージで話を聞いてしまうのだそうです。
確かに、初めてお会いした方と話をする場合には、その内容よりもその人がどんな人かを探るほうに意識をもっていかれるのは納得できます。
そのため、逆にいえば服装やメイクなどで自分の印象を作り上げることもでき、仕事上ではそういった戦略を立てることもできるようです。

新年度を迎え、新しい人との出会いも多い時期となりました。
第一印象の重要性を再認識するとともに、私自身も改めて考え、行動していきたいと思いました。

「実態で判断する」

先日お客様から、「駐車場を借りて賃貸借契約書を作成したのですが、印紙はいくらですか?」との質問がありました。
そもそも契約書への貼付印紙の金額は、契約期間や契約金額等はもちろん、その記載の仕方によっても異なるため書面を確認して判断する必要があります。
また同じ駐車場といっても、駐車する場所として更地を賃貸借したのであれば、印紙税がかかります。
一方、駐車場として整備されている場所を賃貸借する場合は施設の貸付に該当するため、印紙税はかかりません。
一口に駐車場の賃貸借といっても、課税の有無が異なってくるため、実態を把握することが重要だと再認識した出来事でした。

印紙というと契約書に貼付するものと思われがちですが、単に文書の名称(タイトル)や形式的な記載文言で判断せず、実質的な意義に基づいて判断することが重要です。
よって、仮契約書などの名称が付いていても、それが課税文書としての要件を満たしていれば印紙が必要になります。

また、契約書は月日が経過すると実態にそぐわなくなることがあります。
契約内容に変更が生じた場合には、速やかに契約書の内容を見直すとともに、改めて結び直す配慮が必要です。
何か問題が起きたときには契約書に立ち返り判断がなされるものです。
自社の身を守るためのツールであることを再認識するとともに、定期的に見直しされることをお勧め致します。

「事業継続計画」

先日、BCPコンサルタントをされている方のセミナーに参加しました。

BCPとは、Business Continuity Planningの略で、事業継続計画のことです。
企業が自然災害等の緊急事態に遭遇した場合、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは、早期復旧を可能にするために、普段から行うべき活動のこと。
すなわち、緊急時における事業継続のための方法、手段等を取り決めておく計画のことです。

セミナーでは、今まさに大地震が起きた場合を想定し、自分が社長という立場だったとしたら、地震発生から5分後、10分後…にいったい何をするだろうかという体験をしました。
例えば、社内にいる従業員に対しての指示や営業で外回りをしている従業員への連絡、また従業員の家族の安否確認など、すべきことを優先順位を付けて的確に行うことは容易ではないと実感しました。

緊急事態は突然発生しますので、常日頃から不測の事態を想定しておくことが最重要事項となります。
その時に、即座に行動に移せるかどうかも大切な要素です。
セミナー講師の方も、従業員の生命と会社の財産を確保したうえで、中核となる事業の継続または早期復旧することで顧客からの信用と従業員の雇用を維持し会社を存続させることは、企業の社会的使命であると言われていました。

平時において、有事を想定しての行動は容易ではありません。
しかし、いざというときに備えておくことは、企業のその後の明暗を分けるほどの価値をもちます。
今一度、見直してみてはいかがでしょうか。

 「お気軽にご相談ください」

先日、今年から個人事業を始めたという方からご連絡があり、弊社にお越しいただきました。こちらから出向くことも可能ですが、初対面ということもあり、弊社を直接見て雰囲気を少しでも知っていただくことで安心感が生まれればとの思いからです。

 ご自身で会計ソフトを購入されネットで検索しながら、仕訳もある程度まで入力したものがあっているかどうか見てほしいとのご依頼でした。中身を拝見してみると、かなり複雑な処理がされており、間違いではないのですが、これでは手間がかかりすぎてしまうのでは・・・という印象でした。仕訳の誤りを指摘しつつ、あわせて入力パターンについてもお伝えしました。個人事業の方であれば、お金の流れは預金か現金か事業主自身のいずれかに限られますので、そこを軸に処理していくことで単純でミス無く処理が可能になると思います。

 また、メールや電話とは違い、顔を突き合わせることで会計処理のみではなく、業務についてのお困り事なども話していただけました。さらに、来年以降のことにも話しがおよび、今後の売上見込みをお聞きしつつ、税額算定の仕組みや資金繰りなど前向きなご提案をさせていただきました。

 近頃は、ネットで検索すれば、たいていのことは答えが見付かりますが、そこに行き着くまでの道のりや、その後の展望については各々の状況に応じて全く異なります。お話を伺いつつ、その方に最も適した方法をご提案できればと思っております。より良い方法が見付かるかもしれませんので、些細なことでもお気軽にご相談いただければ嬉しく思います。