「目的意識」

東京湾で50年ぶりに海水浴が解禁になったというニュースを見ました。テレビの映像では水の濁りがありましたが、猛暑を少しは和らげてくれるような気がしました。

 ところで、私の地元の篠島にも海水浴場がありますが、実は数少ないウミガメの産卵地でもあります。
 始まりは4年前の夏、ウミガメが砂浜で産卵し、海に帰っていくのが発見されました。
 それを機に、小学生が”篠島ウミガメ隊”と銘打って、ウミガメの産卵地である砂浜の清掃活動をし、ウミガメの産卵の保全に一役かっています。
 今までにも、「クリーンアップ大作戦」などと謳って、海水浴場をきれいにする取り組みは何度かありましたが、今回ほどの盛り上がりはありませんでした。やはり目的意識があるのと無いのとでは大きく違うようです。

 ウミガメが産卵上陸するための条件は、きれいな砂浜であるのは勿論のこと、砂の質や粒の大きさが産卵に適していること・沖合にウミガメの餌となる魚介類や海藻が豊富にあること・砂浜が広く、産卵場所が波に洗われる心配のないことなど。
 地元の海が、”きれいな海”だというお墨付きをもらえたようで、とても嬉しいです。
 その後、昨年にもウミガメがやって来ました。が、今年はまだ見られておらず、いつ来ても良いようにと、小学生がせっせと取り組んでいるそうです。

 先日、夏期休暇で帰省しました。観光客が多いこの時期には、花火やバーベキューなどで、どうしてもゴミが目立っていたのですが、ウミガメポスターを掲示したり、清掃活動を呼びかけることで、以前よりも明らかにきれいになっていました。ひとつのイベントとして取り上げることで、島民の砂浜の清掃という行為が、ウミガメの産卵の保全という目的意識に変わっているのだと思います。