「古民家風」

「古民家風」という言葉をご存知ですか?

”古民家風カフェ”や”古民家風居酒屋”などというと、古い民家を改装してカフェや居酒屋にリフォームするというのが一般的なようですが、最近は、新築なのに敢えて内装を古民家風にするということも多いようです。

先日、内装業をされている方と話す機会がありました。
その方も、古民家風に造りあげることに特化した技術を持っており、初めて聞くことばかりで驚きの連続でした。
いわゆる古民家ですので、例えば壁や床の木材を使い込んでいるように塗装するのは勿論ですが、ここで職人さんの感性と技術が必要になるようです。
例えば、この家に人が何十年と住んでいたら、実際にその家はどのようになっているかを想像するのだそうです。
窓の位置から推測すると、柱のこの部分に陽が差し込むので、手前側の木は日焼けしてこんな色になるだろうとか、奥に行くにつれてだんだん色が変化していくだろうとか・・・。ここは人がよく手を触れる部分だから、他より変色が進んでいるだろうというように、日常生活をイメージして、より現実に近い古民家にしていくのだそうです。
そうすることで、造られた空間が、実際に年月を経て出来た空間に負けないものになるのだそうです。

敢えて古風に造るということに違和感を感じていましたが、その技術や努力を聞いてみて、それも一つの芸術なのかなと、受け入れることができました。温かみがあり、味わい深く、ゆったりとした気持ちにさせてくれるというのも理解できるような気がしました。本物以上に本物らしく造ることが、本物に見せるコツのようです。。。