生活費と贈与

贈与税についての問題です。
以下の場合に、税金はかかるでしょうか。
①親が収入のない40歳の子供に生活費を毎月30万円渡している。
②私立大学の医学部の学費として、親が毎年1,000万円払っている。
③結婚祝いで、50人の方から200万円もらった。

上記の事例は個人間のお金のやり取りの話で、税金の世界では贈与税がかかるかどうかの判断になります。
答えは、全ての問題について、原則として贈与税の対象とはなりません。
贈与税には元々1人当たり年110万円の非課税枠がありますが、上記のケースではその110万円の中にも入ってきません。
というのも、贈与税にはその課税対象とならないものがあるためです。

そのなかで誰もが関係する例としては、以下の2つがあります。
・扶養義務者間で通常必要な生活費や教育費を贈与した場合
・お祝い金や香典等で社交上の必要性があり、通常の金額である場合
「通常」という表現になっており、金額の基準は明示されていませんが、基本的に常識的な範囲内であれば問題ないということでしょう。
ただし、使い切らずにお金が残ってしまうとその部分は贈与税の対象となりますのでその点はご注意下さい。

昨年の12月に国税庁から『扶養義務者(父母や祖父母)から「生活費」や「教育費」の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&A』が発表されました。
特に改正があったわけではありませんが、おそらく間違いが多いので、来年以降の相続税の増税を前に正しく理解してもらいたいという意図が感じられます。
ちなみに相続税の調査では、必ずといっていいほど亡くなった方の生活費がどれくらいであったか聞かれますので、今のうちに生活費がいくらなのかを再確認していただくとよいかと思います。