「モラルの共有」

飲食店アルバイトが仕事中に悪ふざけしている写真をSNSに投稿したニュースは記憶に新しいと思います。
例えば仕事中に悪ふざけているAさん、Aさんを写真にとりツイッターなどSNSに公開したBさんはどちらが法的責任が重いと思いますか?

Aさん、Bさんは共に仕事中にちゃんと働いていない(労働義務違反)のですが、会社の名誉を害し、社会的評価を低下させた(誠実義務違反・業務妨害行為)のはBさんなので、Bさんの方が「悪質」とされ厳しい処分を受けることになります。
実務上は、Bさん懲戒解雇、Aさんは初犯なら普通解雇、常習犯あれば懲戒解雇も可能との処分になるようです。
気分的(?)にはAさんの方が悪い・・・とも思えるのですが法的には「悪ふざけ」は遅刻などの勤怠不良や成績不良などと同等とされ、懲戒解雇に至るには少し段階があると考えられるからです。

本人を罰しても、会社のイメージダウンにより売上減少など悪影響は避けられません。従業員である一個人に損害賠償請求するのはなかなか難しい話です。
 そもそも売上ダウンによる損失額の算定が難しく、アルバイトとはいえ従業員教育、人事管理など会社側の問題も厳しく追求されることになります。

従業員による不適切行為や過失による情報データの紛失、流出トラブルも急増しているため、後追いですが企業での対策が進んでいます。
損害に備え正社員だけでなく身元保証をとる範囲をアルバイトにも拡大する。ハード面ではネットワーク及び利用規定の整備、アクセスや使用パソコンの制限など。 ソフト面では従業員に対するモラル研修などが挙げられます。
「モラル」とは社会人として常識の範囲で・・・と思っていても個々人ではズレがあるので、会社の実情に合わせ、共有することはとても意義のあることです。
 ハード面は時間もお金もかかりますが、心理ソフト面での啓発はすぐにでもできるので、朝礼や会議などで定期的にモラルが共有できているか?の確認をすることは大切ですね。