「シンプルに考える」

 世の中には、「非常に難しく見えるが、分かってみるとたいしたことでは無かった。」ということは多くあると思います。
 以前、難解な問題を抱え頭を悩ませており、時間だけが刻々と経過していたとき、ある方にこう言われたことをいまだに覚えています。
 「複数の事象を同時に考えて問題を解決できるのは天才。天才じゃないのなら、問題を分解してシンプルな問いの集まりにして、ひとつひとつに答えを出し、それを積み上げることで解決を図るべき。」
 今でも、困難な事象に出会ったときは一度立ち止まり、こう考えるようにしています。

 先日、担当させて頂いている会社で、「海外支店を出したいのですが何か留意すべきことはありますか?」と聞かれました。考えられることは山のようにあるのですが、思いつくままに回答しただけでは留意すべき点に漏れも生じるでしょうし、体系化しないと効率的な解決にも繋がらないと思い、一度問題を分解、整理することに努めました。

 まず、ゴールは、海外支店の会計を、日本と同じ会計基準で取り込むこと。そのためには入出金情報と、決算時点の未収、未払等の情報を得ること。未収、未払の情報は決算前後に請求書等を送って頂くとして、入出金情報を得るためには現地で銀行口座の開設が必要であり、海外支店の口座開設に関して規制は無いか確認を要する。また、海外口座にはどんな入出金が考えられるか。出金の権限は誰に与えるのか、等。
 上記のように分解、整理していくと、各時点時点で留意するべき点が見えてきました。

 実際に業務を行ってはいない私が一人で留意点を全て挙げることも困難であるため、問題を分解、整理したことで会社の方とも円滑に相談ができ、非常に有意義だったと思います。

 一見複雑な事象に出会い物怖じする前に、一度シンプルに考えられないか立ち止まることを今後も心がけていきたいと思います。