「企業版ふるさと納税」

 現在のふるさと納税は、個人が限度額の範囲で寄付をした場合には、所得税や住民税から2,000円を超えた分が控除されることに加え、寄付をした自治体からお礼品がもらえるため、非常に関心の高いものとなっています。また、昨年は確定申告不要制度が開始されたこと、限度額が増えたことにより、利用件数、金額ともに拡大したようです。

 このふるさと納税が企業でもできる仕組みが平成28年度税制改正で検討されています。法人が国や地方公共団体に対して行う寄付は、現行の制度でも全額経費になりますが、今回の改正ではさらに法人税等から税額が控除される優遇制度を設ける予定です。つまり、寄付金として支出した金額が経費になり、かつ、税額も控除される制度です。税額控除を受けることができる金額は会社によって異なりますが、寄付をした金額の最大30%です。

 企業版ふるさと納税の対象となる寄付金は、自治体が行う事業のなかでも、地方創生につながるものでなければならず、事前に認定を受けたものである必要があります。詳細はまだ決まっていませんが、東京都や特別区など財政力の高い地方公共団体や、法人の主たる事務所が立地する地方公共団体への寄付は対象外で検討されています。

 平成28年4月1日以後に開始する事業年度より適用予定ですが、この制度ができることによって、企業にとってどのようなメリットがあるのか今後も注目するとともに他の改正事項についてもご案内していきたいと思います。