株価評価

先日、未公開株式の時価評価を行う機会がありました。

未公開株式は上場会社と異なり市場で流通させることを目的としていないため、客観的な時価を得ることが困難です。そのため、企業の規模や業績、資産状況、あるいは株式保有者の会社に対する役割等、多くの観点から総合的に評価する必要があり、非常に複雑な計算を要します。また、各項目の判断を誤ると大きく株価が変わってしまうといった繊細でリスクの高い部分でもあります。

ただ、そこでリスクが高いと恐れるのではなく、リスクが高いからこそ自分の感覚に頼らず、数冊の本から類似の事例を探し、見解の共通部分を見つけ、最終的な自分の判断を形成した上で結論にたどり着くことが出来ました。
最も気を遣った部分は、その株式の評価を行う目的です。相続税の評価額を求めるべきなのか、売却したと仮定した場合の時価なのか、あるいは経営権に参入する目的での株式の購入なのか、その目的によって使用すべき前提や算式が変わってくるため、依頼のあった方の意向をヒアリングしつつ、社内でも経験者に相談したところでした。

日本の企業の大半が中小企業であり、株式を他人に譲渡したい、自己株式を購入したい、相続税はどれくらいかかるのか等、未公開株式の評価を行う機会は決して少なくはなく、また、経営者の方が気にされるポイントの一つだと思います。今回丁寧に対応出来、一つの事象を身に付けることができたことは、今後の自分の強みになると思います。
株価について気になるお客様がいらっしゃれば、進んで対応していきたい所存です。