ウナギ価格の高騰

先日、5年振りにお気に入りの鰻屋さんに行ってきました。
近年、ウナギの稚魚であるシラスウナギの不漁が続いており、価格は、1キロあたり248万円と2年前の約3倍、10年前の15倍以上の価格になっています。
価格高騰前の金相場と同程度と考えると、その高価さに驚かされます。
値段はどうなったのだろうと思いながらお店に向かいました。

さて、混雑する時間を外して来店したのですが、人気店だけあって、昔と変わらず行列ができていました。
30分ほど待って入店し、早速メニューを見てみると、値段は昔と比べて1.5倍以上になっていました。
ただ、他店がウナギの量を減らすなか、昔と同じくらいのボリュームを保っています。
味も美味しく、大満足でした。

ニホンウナギは、今年に入って環境省により絶滅危惧種に指定されました。
国際自然保護連合でも絶滅危惧種に載せるかどうかの検討を始めたとのこと。
また、完全養殖化は技術的には成功しているのですが、実用化にはまだ時間がかかるようです。
このままでは、ウナギが食べられない日が来るかもしれません。
そこで、愛知県はシラスウナギの漁期を短縮し、宮崎県と鹿児島県では一定の大きさ以下のウナギの捕獲を禁止するなどの取り組みを始めています。

会計時には高級料理だなあという気分になったものの、元々、良心的な価格設定のお店だったので、この値段でも経営的には厳しいのではないかと思います。
老舗の鰻屋が相次いで閉店するなか、今後もおいしい鰻料理をつくり続けてほしいと思います。

by 加古宗利