「税務調査の話」

ここ1~2ヶ月で、法人税等の税務調査と相続税の税務調査の立会いをする機会があった。
税務調査を経験したことがない経営者の方にとっては、自身は何をしたら良いか想像が付かないのではないだろうか。

法人の税務調査を前提に話を進めると、税務署内で調査先と選定されると、税務代理権限証書を提出している場合には(通常は提出しているのだが)まず顧問税理士に連絡が入り、顧問税理士が社長などに連絡し日程調整をする。
調査対象の税目は、通常は直近3期間の法人税、消費税、源泉所得税となる。
それほど大きくない会社であれば、調査官が2名で2日ほどの調査となるだろうか。

通常は、初日に社長に対するヒアリングが行われ、
得意先のことや締め日、回収方法など売上・売掛金に関すること、
仕入先のことや締め日、支払方法など仕入・買掛金に関すること、
あとは在庫にどんなものがあるかなどが主に聞かれる内容だと思う。
初日の午後以降は、基本的に調査官は総勘定元帳や請求書などの証憑をチェックする時間になるケースが多い。

立ち会う税理士は何をするかというと、調査官から質問があればそれに答えるということが主な仕事になるので、体を動かすことは少ない。
ただ、質問などが何もない時でも、調査官が今どの資料を見て手が止まったかなどを観察して、質問されそうなことを予想して根拠や回答を考えたり、調査官の人柄や時と場合によって押すのが良いのか引くのが良いのかを考えたりと、頭の中では様々なことを考え結構疲れる作業をしている。
精神的疲労は普段の業務よりあるので、税理士の側からも税務調査がないに越したことはないのだが・・・税務調査が来るということになれば、誠意を持って対応をさせていただきます。