「異文化との出会い」

先日、名古屋市内にある愛知県芸術劇場でストラディバリウスのコンサートが開かれていたので、妻とともに聴いてきた。
私は、管弦楽器に関わったことは皆無に近いのだが、妻は昔チェロをかじったことがあり、オーケストラ好きということもあり誘われたのだ。

ストラディバリウスとは、ヴァイオリンやヴィオラ、チェロなどの弦楽器で、ストラディバリという人物によって製作されたものである。
弦楽器の世界で名器と言われているもので、最低でも数千万円、良いものになると数億円というものもあるようだ。

その名器と言われるものを聴いてみた。
いきなり聴いて素人にわかるものではないと思うのだが、ヴァイオリン1台でもホールに響き渡り、透き通ったような音色だった。名器と名手の音色に聴き入ってしまった。

アンコールの演奏前のことだった。これから演奏する曲の説明を日本語で話し始めた。そして名古屋で演奏できたことの喜びも。
ぎこちない日本語で、聴衆への感謝の気持ちを伝える姿がどこか愛らしく、聴衆の笑いを誘い、その後大きな拍手に変わった。名手たちと聴衆の一体感がさらに高まった瞬間だった。
プロだと思った。
オーケストラにまた行くのも面白いと思っていたが、機会があればこの管弦楽団の演奏を聴きに行こうという気持ちにさせられた。

どんな仕事でも、経験や知識、能力が必要なのは間違いない。
相手が機械であれば必要ないが、相手が人間であれば、一瞬の行動・言動など何でもいいから、人をひきつける何かを持てれば1段上のプロと言えるのだろう。
オリジナルのプラスαを持てるように。貴重な体験だった。