「柔軟に」

「売上を2倍にするにはどうしたらいいか?」

 これは「味の素」が売上で伸び悩んでいた時、社長が従業員に投げかけた課題です。
このエピソードをご存知の方も多いかもしれません。皆様だったらどんな答えを出しますか?

 私だったら「宣伝方法を変える…?製品を改良する…?」等が思いつきました。「味の素」の社長が従業員にこの問いを投げかけた際、優秀だった社員でも実現可能なアイデアは思いつかなかったそうです。しかし、ある女性社員が出したアイデアにより売上が実際に伸びたそうです(倍増までしたかは定かではないですが…)。

 そのアイデアが「容器のキャップの穴の大きさを2倍にする」というものです。 

 ちょっと拍子抜けな気持ちになりませんか?
「そんなことか!」と思う反面、実際にはなかなか思いつかないようなことだと思います。
「容器のキャップの穴の大きさを2倍にする」という時間も労力もほとんどかけない方法で売上が伸びる…!深いと思いました。

 このエピソードを知り、柔軟にシンプルな考え方が出来ることが難しく、大切であることを改めて感じました。困難に直面すると、どうしても考えすぎて難しく考えがちですが、時には頭をからっぽにシンプルに考えられることが意外と解決の近道に思います。
 仕事においてもプライベートにおいても「どうしよう」と思った時程、視野が狭くなりますが、柔軟にシンプルに考えられるよう一息おいて向き合っていきたいと思います。

色の効果

 私は色に興味があって、「色の雑学事典」(著者岩本知莎土、日本実業出版社) という本を買ったことがあります。
この本は色についての基本的な知識だけでなく、素朴な疑問や身近な事柄から、色との関係性を簡単な言葉で深く書いているのが良いと思いました。

 例えば、音階の「ド」は何色?という興味深い問いかけがあります。
ある心理実験によると、ドは赤を連想させるようですが、音色という言葉もあるように音と色には深い関係性があるようです。
楽譜の演奏記号で、フォルテシモ(極めて強く演奏する)は濃く重い色、ピアニシモ(ごく弱く演奏する)は淡く霞んでいるような色をイメージさせ、音の強弱は、色の濃淡に関わっています。
また、激しいリズムは暖色系(赤、橙、黄)の色を感じさせるなど、音のリズムは単独の色ばかりでなく、配色をもイメージさせます。

 色を興味深く楽しく学べる一冊ですが、色の効果というのは、日常様々な場面で使うことができると思います。

 仕事では、報告書作成の際、その内容やお客様によってテーマカラーを決めたり、一番伝えたい部分にアクセントカラーを使用したり、ベースの文字の色を黒ではなく、黒にテーマカラーを少し混ぜた色に変えて統一感を出したりすることができます。
また、接客業では特に、服装や身につける色によっても、相手に与える印象は随分異なってきます。

 家では、部屋を広く見せる配色にしたり、毎日の食事でも食欲をそそる色を使ったり、おいしく見えるように配置する工夫ができます。
また自分自身も、安らぎのグリーンである植物を置いてくつろげる空間を作ったり、元気がないときは黄色い花を少し飾って気分転換をするなど、色でコントロールすることができます。

 このように色の効果は日常様々な場面で活用することができそうです。
普段からもう少し意識をして、日常に色の効果をもっと発揮していきたいと思いました。