サラリーマンの税制改正

平成25年から影響のあるサラリーマンの税制改正(所得税)をご紹介します。
基本的に増税傾向ですが、減税項目もあります。

まず増税のものですが、震災に伴う復興所得税の課税が始まり、昨年までの納税額に2.1%加算した金額となります(平成49年まで。ただし、所得税のみです)。
もう一つの増税は、給与所得控除の改正です。
給与所得は、給与年収から給与所得控除を差し引いて所得を求めます。
この控除額は年収により金額が決まっていて、昨年までは年収が増えると上限なく控除額が増える制度でした。
しかし、今年からは年収1,500万円以上の場合は控除額は一律245万円となりました。
そのため、給与が高額な方は年収が同じでも所得が増えますので増税となります(所得税と住民税の両方です)。
1月支給の給与から、給与の多い方は上記2つの増税の影響を受けています。

一方、減税のものですが、サラリーマンの必要経費を引く制度が使いやすくなりました。
「特定支出」といわれる必要経費が多いと、確定申告することで節税になることがあります。

必要経費として認められるものは以下の通りです。
①通勤費用
②転勤で引越しをした時の旅費や引越し代
③仕事上必要な研修費用や資格の取得費用(資格取得の有無は問わない)
④単身赴任で、自宅へ帰る際の旅費
⑤仕事上必要な新聞・書籍代
⑥スーツや作業服代(服装自由な職場はダメです)
⑦取引先との接待費や贈り物で自腹部分(職場内のものはダメです)
ただし、勤務先からその費用分としてもらえる金額は対象外で、また⑤~⑦は合計で65万円までが対象になります。
利用するには、必要経費の領収書を保存し、職場で仕事上必要だと証明をもらった上で確定申告をする必要があり、手続きがちょっと面倒な制度です。

年収等によって使えるかどうかや節税額が違いますが、手間を考えると必要経費の年間合計が少なくとも100万円以上ないと利用する価値は少ないかなと思います。
最近は増税の話題が多いですが、サラリーマンの必要経費として認められるものを頭の片隅にでも覚えておいて、いざという時に使っていただければと思います。

by 加古宗利