「量をこなす」

 質より量、量より質という言い回しがあります。
ところでその、質より量、という表現には、何か低レベル・低品質なものだが、量で補う、ごまかすといったマイナスのニュアンスを感じます。少なくとも私はそう感じていました。

 最近、本とインターネット記事の全く別の話からですが、同じようなことを表現する言葉に出会いました。それはいずれも、「質は量の上に成り立つ。それも圧倒的な量の上に。」ということです。
 量と質はどちらか一方、というものではなく比例するものなので、選択するものではない、と。

 例えば仕事に関して、効率良くこなそう、と考えるのは大事なことです。ただ、「それを考えることや学ぶことは悪くないが、量をこなさないとそもそも効率良くという質はついてこないのだから、お手軽に質を求めるのは間違いではないか」、という内容にすごく共感しました。

 質を最初から求めると、失敗しづらいプレッシャーがあることから、
①最初から極力完璧であると思われるものを求めて時間を費やす
②失敗→反省・試行錯誤を繰り返し、慣れるという過程が少ない
③結局大した質にたどりつけない

 というサイクルに陥りやすいとのことです。

 その本は、読書に関するもの(質のよい読書をするためには?良書に出会うためには?といった内容が書かれていました。)からであったので、それに感化されて、読書量が増えました。
 以前私は、本は最後まで読み切らないと罪悪感を感じるタイプでした。そういう本があると新しい本を買おうかという時に、まだ読み終わっていない本がある…と躊躇していました。今は読みかけになっている本があっても気にしません。読破していなくても読みたいと思った一部分にでも触れたことに重点を置いているからです。
 まずは手にとって読んでみる本を増やそう!という気持ちです。そう考え始めてから本を買うことが楽しく、数冊まとめ買いすることが増えました。

 まずは機会をたくさん作って量をこなす。読書に関しては単純に楽しくもあるのですが、仕事にも活きる考え方であり、今後の知識と経験につながるものを蓄えるべく、質の追求とは別に、量をこなす意識も忘れずにいたいと思います。

by 松浦