現金の管理をなくす

現金の管理や経理処理に時間がかかっていませんか?

担当者の方にとっては、時間のかかる面倒な仕事という印象が強いのではないでしょうか。
実際、生産的な仕事ではないので、できればない方がよい業務という位置づけになると思います。
また、扱う金額が多額な場合には、横領等の不正を誘発する要因ともなりますので、経営者においても気になる存在です。
そこで、このやっかいな業務を減らす(できれば、なくす)方法をご紹介したいと思います。

<現金業務を減らす方法>
①従業員の経費精算を振込にする。
経費の立替精算をその都度現金で行っている会社は多いと思います。
これを例えば月1回締め日を設定して給与とともに振り込むようにすると、手数料も余分にかからず、精算作業も月1回にまとめることができるのでその点でも効果的です。
もし、多額の立替が発生する時は、あらかじめ給与振込時に仮払いしておけば良いと思います。

②現金で支払いをしているものは振込や引落に変更する。
現金集金の業者が来る度に、金庫を開けて支払い対応をするのは面倒だと思いますが、実際には銀行振り込みや口座引落しに変更できるものがほとんどだと思います。
もしダメな場合は、小切手払いにすると良いと思います。

③必要に応じてクレジットカードを利用する。
面倒な精算作業がなくなりますので、多額の立替が発生する可能性の高い役員の方におすすめです。
ただし、カード利用控えは原則保管が必要です。

上記のように変更することで、売上等の現金回収がない会社であれば、試算表の「現金」勘定をなくすことができます。現金取引がなくなれば、会社の経理の透明性も高まるでしょう。実際、会計事務所がチェックする上でも、現金取引が少ない方が安心できます。
また、現金回収がある会社でも入金管理だけになれば、随分手間が減るのではないでしょうか。
「現金」の特に出金部分をなくすことで、時間(人件費)の節約と不正等のリスクを減らすことができます。
従業員の同意を得られれば、特にコストも発生しない方法ですので、おすすめいたします。

by 加古宗利

災害と税務上の救済措置

東北地方太平洋沖地震により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
また、被災された方々、ご家族の方々に心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧復興をお祈りいたします。

災害にあわれた方には、税務上において、様々な救済措置が設けられていますので、ご紹介いたします。
復旧復興の一助にして頂ければと思います。

・各種申告・納付期限の延長
青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県の方については、平成23年3月11日以後に到来する申告等の期限が、全ての税目について、自動的に延長されます。
また、上記以外の方も、災害が原因で申告等が困難な場合は、申請により延長が認められる可能性がありますので、所轄税務署にご相談下さい。

・被害がある場合の所得控除・税額軽減等
災害によって、住宅や家財などに損害を受けたときは、雑損控除と災害減免法による税金の軽減免除のどちらか有利な方法を適用可能です。

・消費税の届出書
課税事業者や簡易課税制度の選択に関する届出書について、特例が認められています。

これら以外にも、様々な救済制度が設けられていますので、所轄税務署にお問合せ頂ければと思います。

また、震災に対し寄付をされている方も多いと思います。
これについては、災害に対する義援金等で、国や地方公共団体に支払ったもの、また最終的にそれらに拠出されることが明らかなものは、個人では2,000円を超える金額(ただし、上限あり)について寄付金控除が、法人では全額が損金にできます。
特に、寄付金控除を受けられる方は、平成23年の確定申告で領収書等が必要となりますので、大切に保管してください。

上記内容は流動的な部分もありますので、最新の情報は国税庁のホームページをご確認頂ければと思います。

by 加古宗利

会計情報を公開して業績アップ(実践編)

前回、会計情報を公開することによるプラスの効果を私自身の経験から説明させていただきました。この効果は、会計事務所に限ったことではなく、ほとんどの会社で期待できるものだと感じています。
そこで、今回は実践する上でのポイントについて書いてみたいと思います。

情報公開する際のポイントは以下の4つです。
①公開内容を選定する
損益計算書の大枠を公開することからスタートすると良いと思います。
無理に個別の役員報酬額などをオープンにする必要はないと思いますが、少なくとも売上高、粗利益(率)、人件費合計とその他費用合計、経常利益が分からないと全体像を把握しにくいと思います。
②情報を理解するための研修を行う
せっかく公開してもそれを正しく理解できないのであれば、意味がないどころか逆効果になる可能性もあります。
簡単な仕組み(どうすれば利益が増えるか)について理解できるよう研修をするべきだと思います。
(石田会計も研修のお役に立てれば幸いです。)
③権限委譲をすすめる
経営感覚を持ってもらうためには、従業員の裁量を増やして、自ら判断・行動した結果を直接受け止められるようにします。これにより、責任感と達成感を感じることができます。
④成功報酬でやる気を喚起する
目標が達成できたら、あらかじめ決めた方法で賞与等で還元すると、モチベーションが高まると思います。また、なるべく多くの従業員に還元できる方法が良いと思います。

会計情報を公開することは、リスクやプライバシーの問題を伴う部分があり抵抗もあるかと思います。
しかし、会社の置かれている状況を知らないでいると、従業員の誤解や無責任、無関心を生みます。
例えば、経営者が「会社は赤字だから給与は上げられない」といくら説明しても、会社の収益構造を知らない人において、「赤字なのは経営陣の責任だ」とか「役員が給料をもらいすぎなんだ」といった誤解を招きかねません。
また、従業員が会計情報を正しく理解し、従業員一人ひとりが経営に関心を持つことができれば、経営者では気づきにくい無駄をなくすことができたり、現場からの改善提案の増加が期待できると思います。

思い返してみると、業績の良い会社ほど情報公開度が高い印象が強いので、そこには大きな関連性があるのではないかと思っています。
従業員と「Win-Win」の関係を築けるように、まずは損益計算書の大枠から公開してみてはいかがでしょうか。

by 加古宗利

会計情報を公開して業績アップ

御社では、決算書等の会計情報を従業員にどれくらい公開していますか。
上場企業では会計情報は一般に公開されるため、従業員が会社の状況を把握することは容易です。
しかし中小企業において、経営者以外の従業員が把握しているケースは多くないと感じています。
会計情報を共有した上で、全員参加型で経営をしていく手法をオープンブックマネジメントといいますが、そのプラスの効果を私の経験からご紹介したいと思います。

石田会計では事務所の会計情報のうち、大部分がオープンにされています。
そこには、「スタッフが経営感覚を持って行動するように」という意図が所長の石田にあるからです。
事務所内ではリアルタイムに売上や経費のデータを把握できるため、職業柄か、収益力を高めるためにはどうしたらよいかを考えるようになりました。
他のスタッフを含め、「事務所が効率よく仕事をするためにはどうしたらよいか」を考える風土があります。
実際に、スタッフから頻繁に改善提案がされ、良い提案はすぐ採用してもらえる環境でもあるため、不必要なストレスを感じなくなりました。
(以前は、現場の意見が聞いてもらえず、我慢していたことがありました。)
採用された改善提案については、基本的に任せてもらえるため、責任感とともに達成感を得ることができます。
また、収益力向上によるスタッフへの還元方法も決められているため、そのモチベーションもかなりのものです。

私は、石田会計以外の会計事務所を複数経験しておりますが、こんなに会計情報を知ることができる職場はありませんでした。
また、スタッフの満足度がこれほど高い職場は初めてですが、最近になって、情報公開度の高さがその一因ではないかと感じています。
従業員全員で知恵を出し合えることは、想像以上に会社経営に大きなプラスになると考えています。
次回は、その具体的手法について書いてみたいと思います。

by 加古宗利

今年の目標

今年の目標は『素直であること』です。
昨今のめまぐるしい環境の変化に対応していくためには、その時々で自分自身も適切な変化が求められることになります。しかし、経験を重ねるにつれて慣れた方法を優先し、良い方法とわかっていても変化を避けようとする気持ちになることが出てきました。
そこで、頂いたアドバイスや思いついた改善策は、「良い」と判断したら素直な気持ちで行動に移すようにしたいと思います。
昨年11月のHM通信にもありましたが、生物は「潜在的に変化を強く嫌っている」ということを常に念頭に置いて、仕事に取り組んでいきたいと思います。

by 加古宗利

倒産防止共済で節税

節税効果が高い割りに、利用されている会社が意外と少ないものに中小企業倒産防止共済制度があります。
これは独立行政法人が運営している公的な制度ですが、そもそもの目的は、取引先の倒産があった場合に一定額の借入を可能にし、連鎖倒産を防ぐことです。一方で、取引先の倒産がなくても途中で解約して解約手当金をもらうこともできます。
今回は、この解約手当金を使った節税方法をご紹介します。

まず、節税商品ですので掛金は全額が経費(損金)になります。掛金月額は5,000円~80,000円の5,000円刻みで自由に設定でき、途中で増額や減額も可能です。
また、解約手当金は全額が収益(益金)になります。この手当金は、掛金の納付実績が12ヶ月以上で発生し、40ヶ月以上で100%戻ってきます。
したがって、節税を目的にすると、利益が出ているときに掛金で利益を圧縮し、業績悪化や臨時経費が発生して赤字になったときに解約するのが基本となります。

ただ、現行制度では掛金積立額の上限が320万円しかないため、実効税率が40%とすると節税可能額が128万円しかありませんでした。しかし、平成23年10月までに改正が予定されており、現行案では掛金月額と掛金積立額のそれぞれ上限が2.5倍にアップすることになっています。
そうなると、節税可能額も320万円まで増加しますので、利用価値が大幅に高まると思います。

公的な制度のため信用リスクもほぼなく、また解約が自由であることや、1年分の前払いが経費にできる等使い勝手のよい商品ですのでお勧めいたします。加入条件も厳しくないため、大半の会社や個人事業主の方が加入できると思います。
加入手続きは金融機関や商工会にて行っていますので、ご興味のある方は一度相談されてはいかがでしょうか。

by 加古宗利

税金の前払いを回避する

中小企業の経営者の方のなかには、個人所有の土地や建物を会社に貸し付けていることがよくあります。
会社から受け取る賃貸料収入は不動産所得の元となり、通常、確定申告して納税することになります。
ただ、実際に賃貸料をもらえていればよいのですが、昨今の不況により会社の資金繰りが悪いため支払いが滞っているケースがあります。
原則として、税金計算上は入金がない場合でも収益は計上しなければならないため、入出金ベースでみると収入よりも経費や税金の支払いの方が多くなることがあります。
今回はこのような税金の前払いを回避する方法を紹介いたします。

次の前提条件を元に説明いたします。
(1)前提条件
 ①本来の賃貸収入:年間120万円
 ②実際の入金額:年間30万円
 ③経費の支払:年間10万円
 ④青色申告特別控除額:年間10万円(青色申告特別控除前の所得金額が限度額です)
 ⑤所得税と住民税の合計税率:30%

この場合、原則として下記のように税額を計算します。
(2)原則計算
・不動産所得 ①-③-④=100万円
・税額 100万円×30%=30万円
・キャッシュフロー ②-③-30万円=▲10万円
この場合、所得は発生しているものの、資金的にはマイナスになります。
ある意味、税金の前払いをしている状態です。

ところが、所得税法では一定の要件を満たした場合に、現金主義(入出金ベース)で所得を計算することが認められています。
この場合は税額計算は以下のとおりになります。
(3)現金主義計算
・不動産所得 ②-③-④=10万円
・税額 10万円×30%=3万円
・キャッシュフロー ②-③-3万円=+17万円
このように、現金主義を選択することにより、手元残ったお金(利益)以上に税金を払うことが防げます。
上記の場合、(2)と(3)における手元現金の差は27万円になりますが、これはあくまで1年間の金額で、5年になればその差は135万円にもなります。

一方、この計算方法には以下のようなデメリットもありますのでご注意ください。
・一年分を超える入金があると逆に納税額は増加する。
・青色申告特別控除額について65万円は適用できず、また、入金額が少なすぎると青色申告特別控除額10万円の権利が全額行使できないことがある。
ちなみに、メリットがある方のイメージ像は、事業所得がなく、賃貸収入が年間300万円以下で、入金額がそれよりも少ない人です。

そして、現金主義で所得計算するためには、以下の手続きと要件があります。
・手続き
 青色申告者で、通常は適用を受けようとする年の3月15日までに届出書を提出する必要があります。
・要件
 適用する年の前々年の不動産所得と事業所得の合計額(青色専従者給与を引く前)が300万円以下でなければなりません。
 (届出がされていても、2年前の上記2つの所得合計が300万円を超えていれば適用できませんので、300万円を超える可能性がある場合は、あまりメリットがありません。)

いずれにしても、納税額の増減は一時的なもので、最終的には清算されます。
あくまで、前払いを防ぐための方法とご理解ください。
来年の3月15日までに届出をすれば平成23年から適用できる可能性がありますので、ご興味のある方は一度担当者までご相談いただければと思います。

by 加古宗利

3年後の借入返済額はいくらですか?

商売をされていれば、多くの会社で運転資金・設備投資のための借入や分割払い契約等をすることがあると思います。これらの支払いは、利益(損益計算書)には反映されませんので、資金繰り上、絶対的に必要な情報となります。
しかし、上記のような質問に即答できる会社は意外と少ないことから、返済等を管理するものを作られている会社は少ないのではないでしょうか。
そこで、今回は借入返済予定表の作成方法について書いてみたいと思います。

(1)予定表を作成する
表の横軸に期間、縦軸に個々の借入等を表示します。
期間は、右に翌月がくるように表示します。
個々の借入は、毎月の返済額と返済後の残高を表示したいので1契約ごとに行を2段設定し、上段にその月の返済額を、下段に返済後の残高を表示します。
作成にあたっては、エクセル等の表計算ソフトを使用されると便利です。

(2)必要な情報を入れる
銀行名、毎月の返済額、返済後の残高等を表示します。
(ソフトで作成される場合は、返済後の残高はソフトで自動計算にすると良いと思います。)
また、実質的に返済のない借入(手形借入や当座借越)についても毎月の借入残高を把握するために必要ですので漏れなく記載してください。
さらには、現在の借入金利や固定金利か変動金利かなどの情報も重要です。
借入にあたって保証料の支払いがある場合は、その金利を含めた実質金利で表示します。

(3)借入以外も含める
設備等を割賦購入した場合のローン支払いについても借入同様に記載します。
設備投資にかかる支払手形があれば、それも含めてください。

(4)集計する
一番下に各月の返済合計と残高合計を表示します。
さらに、毎月返済ありの借入、返済なしの借入、ローンと種類別に小計もわかるようにするとよいです。

(5)変更があったらその都度更新する
新規の借入や金利等の条件が変更となった場合には、それを反映させて常に最新版にしておく必要があります。
また、古い一覧表は後で比較する上で残しておいてもよいと思います。

(6)利用方法
 ①毎月の返済合計の推移を確認し、資金ショートの可能性が高ければ追加融資や返済条件変更等を検討する。(作成することで早めの対策をとることができます。)
 ②金利を比較して、高いものを減らしてコストダウンできないかを検討する(別の金融機関でもっと低い金利で借りれないか等)
 ③設備投資の予定があれば、資金繰りが悪化しない時期を考慮する。(借入本数が減った後など)

このように、借入返済予定表は資金繰りや経営計画をたてる上でとても重要なものとなります。
また、将来的に借入残高が減っていくことが目に見えると、「早く返そう」とか「早く返すにはどうしたらよいか」といった前向きな意識変化もあると思います。(実際に作成したら、早く返すことに生きがいを感じてみえたお客様がいらっしゃいました。)
顧問会計事務所としても作成されていると話がスムーズですし、将来の資金繰りを把握されていることがわかって、正直安心します。
作成自体は簡単にできますので、予定表がない方はぜひご検討下さい。

by 加古宗利

役員借入金の対策はお済みですか?

中小企業の決算書を見ると、借入金の中に社長など同族関係者からのものが含まれていることがよくあります。資金繰りに困ったときには、銀行よりも身内から借りた方が手続きも楽ですし、金利コスト等を節約することができます。ただ、借りた後、返済されずに恒常的に残高が残っている場合が多いかと思います。
役員借入金には、節税や銀行向けの対策等がありますので、その方法をご紹介します。

(1)決算書の表示
役員借入金は負債ですが、銀行等では実質自己資本としてプラス評価される可能性があります。
そこで決算書を一目見てわかるように、銀行借入とは別に「役員借入金」の科目名で「固定負債」に表示すると良いと思います。

(2)役員報酬の役員借入返済への組替え
時々、次のような会社を目にすることがあります。
 ①会社は多額の赤字
 ②役員報酬が多額
 ③役員借入金も多額で、毎年残高が増加
会社から役員に対してお金が動く際に、役員報酬の場合は社会保険料や税金が徴収されますが、役員借入の返済であれば何も引かれません。
それならば、法人税等が発生しない程度に役員報酬を減額して、不足分を役員借入の返済へ変更したほうが資金の外部流出が防げます。

(3)私募債への組替え
社債として貸し付けて役員が利息をもらう場合には他の所得とは別計算になり、所得にかかわらず所得税・住民税の合計税率は20%となります。
現状の役員個人の所得税率が20%(合計税率30%)以上の場合には、役員借入金を社債(少人数私募債)に組み替え、利息をもらう代わりにその分役員報酬を減らした方が社会保険料や税金の節約になります。

(4)相続税対策
役員借入金はその役員の相続時に相続財産を構成しますが、その評価額は残高そのままの金額です。しかし、実際に返済できる見込みがない場合には、実質的に価値が低いものに対して余分な相続税が発生することになりかねません。
そこで、以下の方法で無駄な税金を減らすことができます。
 ①債務免除
 法人税の繰越欠損金の範囲内で債務免除することで、相続財産を圧縮することができます。さらに、自己資本も増加して銀行等の評価もアップします。
 ②増資
 役員借入金を資本金に振り替えることで、評価を圧縮することが可能で、さらに自己資本も増加して銀行等の評価もアップします。
ただし、地方税の均等割が増加したり、各種優遇税制の適用がなくなるケースもありますので注意が必要です。
 ③次の世代へ贈与
 贈与税には非課税枠が一暦年あたり110万円ありますので、他に贈与しているものがなければ、少なくともその範囲内で後継者等に贈与することはとても有効です。
また、その贈与された借入金を使って(2)のように後継者の役員報酬を減額して外部流出を減らすこともできます。

私はこれまで、上記のような対策をとらなかったため、ムダな税金を払っているケースをたくさん見てきました。
長い期間にわたって効果のある対策が多いため、なるべく早めに検討及び実行されることをお勧めします。

by 加古宗利

賭け事と税金

上場企業の黒字決算の増加や今夏のボーナスアップ等のニュースが流れるとおり、景気は少しずつ回復しているようですが、個人の財布は寂しいままの気がします。
そこで、宝くじや競馬など賭け事に一攫千金を夢見ている方もいらっしゃるかと思います。
幸運にも高額な当選金や払戻金を受けた場合に、税金がかかるのかどうかは気になるところです。

結論から言いますと、宝くじには税金がかからず、競馬の場合には一定額以上の時に税金が課税されます。
まず、宝くじは「当せん金付証票法」という法律に、所得税は非課税と規定されています。
例えば、年末ジャンボ宝くじの1等2億円の当選金を受け取っても税金はゼロで、丸々使うことができます。
同じようなものにスポーツ振興くじ(toto)があり、こちらも別の法律の規定により非課税とされています。

一方、競馬や競輪、競艇の払戻金は法律による非課税の規定はなく、一時所得に該当します。
一時所得は、「(収入-経費-50万円)×1/2」として計算され、計算後の金額が総合課税の所得として、給与所得等と合算されて税金の計算をすることになります。
上記算式によると、50万円超の払戻金を受けると、納税が発生する可能性があり、金額によっては、最高25%近くの税金が発生することになります。

それにしても、なぜ同じ公的なギャンブルなのに違いがあるのでしょうか。
この疑問は、払戻率を考えればよくわかります。
競馬の売上金のうち払戻金に充てられるのは75%ですが、宝くじの当選金の場合は45%程度と30%も差があります。
当選金以外の55%の内訳は、公共事業の資金となるのが40%、残りは経費となります。
公共事業の資金ということは、税金と一緒です。
つまり宝くじ等は、払戻しを受ける前に税金が天引きされているから、非課税となっているということなんですね。

よく「宝くじは買わないと当たらないが、買っても当たらない」と聞きますが、期待値として賭けたお金の半分も戻ってこないことを考えると納得できます。ハズレても、世の中の役に立っていると思えばよいのでしょうが。
ちょっと夢のない話になってしまいましたが、やはり堅実に働くのが一番かなと思いました。
(公共事業の資金調達目的とは言え、賭けたお金の半分も戻ってこないギャンブルが存在するのってすごいと思います。役所だからこそできるのでしょうが・・・。)

by 加古宗利