会計情報を公開して業績アップ

御社では、決算書等の会計情報を従業員にどれくらい公開していますか。
上場企業では会計情報は一般に公開されるため、従業員が会社の状況を把握することは容易です。
しかし中小企業において、経営者以外の従業員が把握しているケースは多くないと感じています。
会計情報を共有した上で、全員参加型で経営をしていく手法をオープンブックマネジメントといいますが、そのプラスの効果を私の経験からご紹介したいと思います。

石田会計では事務所の会計情報のうち、大部分がオープンにされています。
そこには、「スタッフが経営感覚を持って行動するように」という意図が所長の石田にあるからです。
事務所内ではリアルタイムに売上や経費のデータを把握できるため、職業柄か、収益力を高めるためにはどうしたらよいかを考えるようになりました。
他のスタッフを含め、「事務所が効率よく仕事をするためにはどうしたらよいか」を考える風土があります。
実際に、スタッフから頻繁に改善提案がされ、良い提案はすぐ採用してもらえる環境でもあるため、不必要なストレスを感じなくなりました。
(以前は、現場の意見が聞いてもらえず、我慢していたことがありました。)
採用された改善提案については、基本的に任せてもらえるため、責任感とともに達成感を得ることができます。
また、収益力向上によるスタッフへの還元方法も決められているため、そのモチベーションもかなりのものです。

私は、石田会計以外の会計事務所を複数経験しておりますが、こんなに会計情報を知ることができる職場はありませんでした。
また、スタッフの満足度がこれほど高い職場は初めてですが、最近になって、情報公開度の高さがその一因ではないかと感じています。
従業員全員で知恵を出し合えることは、想像以上に会社経営に大きなプラスになると考えています。
次回は、その具体的手法について書いてみたいと思います。

by 加古宗利