「サービスについて考える」

ヨーロッパでは比較的、労働者権利が経営者利益よりも重視される傾向が強く、仕事観のみならず法律にも色濃く反映されています。
 
 情報通信の発達によりオフィスに縛られない柔軟な働き方が可能になり、即時対応・業務効率化でサービス向上に役立っています。その反面、即時対応が当然、という感覚を持った人が増え、帰宅後・休日の対応を余儀なくされるといった悩ましい問題もあります。
 フランスでは勤務時間外はメールチェックしない「つながらない権利」が今年から施行されていますし、日本でも一部の企業が実施しているようです。
 ドイツには認められた時間帯以外は店を開けてはいけない、という「閉店法」があり、労働時間の規制と、余暇の時間確保に役立っています。
 
 日本では、今まで労働者権利より経営者利益の優先傾向がありましたが、人手不足を背景に大きく変化しています。
 
 ニュースでも大きくとりあげられていますが、大手宅配業界が人手不足を理由に、不採算顧客先への条件見直し交渉をすすめています。
 飲食業も長時間労働改善のため、24時間営業の廃止、営業時間の短縮を進める企業が増えています。
 
 今後は、サービスを見直す企業が増えるので、今までのありがたみや便利さを改めて感じる機会も増えると思いますし、逆に自分にとって無くても支障がない過剰なサービスに気付くこともあると思います。
 サービスを求めることによる相手の負担への配慮、自分にそのサービスは必要なのか?必要なサービスに対して相応の金額を支払っているか?を個人レベルでも考えるいい機会なのだと思っています。