「美濃和紙あかりアート展」

 先日、岐阜県美濃市で開催される美濃和紙あかりアート展に行ってきました。美濃和紙を使用した照明が、「うだつの上がる町並み」に並べられ、夜はライトアップされます。長良川や板取川が流れる美濃市は、良質で冷たい水や和紙の原料である楮(こうぞ)が豊富で和紙の生産地として栄えてきました。奈良時代の戸籍用紙に使用されたのが始まりのようです。

 照明は全国公募したもので、一般部門と小中学生部門があり、全部で450点ほど並んでいました。和紙というと柔らかくて暖かい光を想像しますが、丸くて硬い石の質感や、鋭利なクリスタルの角を表現していたものもありました。また、和紙の折りや重なりが、立体感や複雑な陰影をつくり出していました。一般部門では、なぜこのように見えるのか、どのような構造になっているのかなど、興味深く考えさせられる作品がたくさんありました。

 小中学生部門は点灯するとカラフルなものが多く、動物や人、モノなど、想像した形というよりは実際に目にしたり触れたものが多いように感じました。柔道をしている様子を表現した照明は大会への思いが伝わり、絵本から飛び出したような列車の作品は、春の花や陽気、はずむようなリズムが感じられます。分かりやすくて見てすぐに思いが伝わるような作品が多く、一般部門とはまた違った楽しさがありました。

 日没前は作品自体がよく観察でき、点灯後と全く見え方が違うため、両方見るのがオススメです。町並みでは他にも、臨時売店や街角コンサートなど様々なイベントが開催されたり和紙の小物を扱うお店やカフェもあるので、休憩したり有意義に時間を過ごすことができます。毎年10月のイベントですが、関市では刃物まつりが開催されますので、日中は刃物まつり、午後はあかりアート展に是非お出かけになってみてください。