「相手の気持ちを汲んだ語りかけ」

先日清々しい気持ちになるニュースに出会いました。
サッカー日本代表がワールドカップの出場を決めた夜のことです。東京・渋谷駅前の雑踏警備にあたった警察官の誘導が、柔らかな語りかけでユーモアがあり、喝采を浴びて“DJポリス”と話題となっただけでなく、負傷者・逮捕者ゼロの功績で警視総監賞を受賞することになったという話でした。

私自身は混雑が予想される所に行くことは極力避けるタイプです。なので想像が及ばない部分がありますが、イベント終了後に皆が一斉に帰路に着く状況では、思い通りに動けずイライラもするでしょうし、盛り上がったままつい羽目を外してしまう人もいると思います。「赤信号みんなで渡れば怖くない」というブラックユーモア的な言葉があるように、集団の扱いは非常に難しい面があるのだと思います。

「歩道からはみ出さないで下さい!」「道を空けてください!」など、命令口調では、“したくてもできないんだ、せっかくいい気分なのにうるさいな”、と反発してしまうのが人というものかと思います。
「皆さんは12番目の選手です。チームワークをお願いします。駅の方へ進んで下さい。」
「目の前にいるお巡りさんも、皆さんが憎くて怖い顔をしているわけではありません。心の中ではW杯出場を喜んでいるのです。」
笑顔を誘う語りかけにはとても感心しました。スポーツ観戦によく行く友人にその話をしたら、「そういえば上手な人が時々いる。そういう時は和むんだよね。」、と言っていたので効果は大きいようです。

人の心に響く、琴線に触れることを心がけたオリジナルの言葉だったそうです。
大勢の人前で話す機会に限らず、相手の気持ちを汲んで語りかけることはとても大事なことだと思います。このような方が増えて欲しいと思うとともに、私自身も人とコミュニケーションをとる上で心がけたいと思える素敵なニュースでした。

by 松浦