「ハロー効果」

 「ハロー効果」とは人事考課など、ある対象を評価するときに、目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のことです。ちなみに「ハロー」とは、「後光が差す」と言う時の「後光」の意味です。

例えば、「高学歴の人は人格がすばらしい」、「英語ができる人は仕事ができる」、「○○だから良くない人」など思いこんでしまう心理効果です。
 人の評価は各々の観点ではなく、全体評価(目立つ特徴がプラスの場合は良い人、マイナスの場合は悪い人)で見ていることが多く、実験結果でもハロー効果は最も陥りやすい心理的傾向のようです。

 他にも下記のような人事考課者の陥りやすい心理的傾向があります。
・寛大化傾向・・・甘い評価になりがちなこと
部下を厳しく評価することに抵抗がある、他部署の社員より自分の部下の評価を上げたい、考課者としての自分に自信がない、考課基準があいまいな場合などに陥りやすい。

・中央化傾向・・・平均的に評価する傾向
優劣をつけることに抵抗があり、結果的に差が出ない。
上司が部下のことをよく理解していない場合、自分の考課に対して上位者に理由説明できない等、考課意義が理解できていない人が陥る傾向。

・論理誤差
例えば、社交的な人に営業力があると思い込むこと。
考課者が関係性があると思い込むと、関連するものの評価がいいと人事評価も良くなる傾向。

・自己類似性傾向
同じ学校の出身、同郷であるなど、自分と共通点・類似点がある部下を高く評価する傾向。

 評価が待遇に反映するものであれば、求められる公平性レベルは高いはずですが・・・人間は万能ではないので、評価はこのように不公平・非合理的である、と知ることも大切な勉強であると思いました。
考課項目を詳細にするなどの工夫以外にも、心理的な準備が必要ですね。