先日、ずっと行ってみたかった旭川市の旭山動物園に家族で行ってきました。
動物園の常識を覆す「行動展示」で有名ですが、その魅力を実感してきました。
動物園といえば、姿を見せる「形態展示」が多いのでパンダ・コアラなどスター性のある動物が集客のカギになります。
「行動展示」とは動物の生態やそれに伴う能力を、自然に誘発させて観賞者に見せるように工夫した展示です。
例えば、アザラシが下から上にスィーと垂直に泳げるマリンウェイ(円柱水槽)があります。
5分程マリンウェイの前にいればアザラシと数回目が合いますし、見ているのか見られているのかわからない感覚も新鮮です。
教えられた芸ではなく、もともと垂直泳ぎが得意なので楽しそうなのです。
地元の動物園にもアザラシがいますが、横たわっている姿や、水平に泳いでいる姿を上から見るだけで、のんびり過ごしてかわいいなぁ、という印象でした。
旭山の楽しそうなアザラシを見てからは、実は退屈なのではないか?マリンウェイがあれば、ほぼ静止状態のコアラに勝てるのでは?と思うのです。
私の中でアザラシといえば横たわった姿ではなく水中での垂直の姿が基本形になりアザラシ観も大きく変わりました。
経営難による閉園の危機に「利益第一」から「お客様の感動」に方向転換、動物本来の魅力を伝えることに徹し、動物ショーを行わない、など色々なポリシーがあるようです。 V字回復の来園者数は地域経済効果となり、全国の動物園に影響を与え、様々な賞を受賞しています。
数年前に行った、蒲郡にある「竹島水族館」も廃館の危機を水族館プロデューサーによる「ショボイを武器に」のコンセプトで起死回生し、一時は年間12万だった入場者数も今では30~40万人と人気スポットです。手作りのPOPや解説が工夫され、飼育員さんの魚への愛情が伝わるステキな水族館です。
何事も資金がないと不利なケースは多いと思いますが、経営危機をきっかけに違う角度からのアプローチ、差別化により大きなチャンスがあるのだと、大変考えさせられるものがあります。
年齢を重ねると感度が鈍る?ので、価値観が変わるような「感動」体験の機会は貴重ですし、ビジネスチャンスの大きなポイントなのだとしみじみ感じました。