「急な相続の依頼」

  先日、申告期限まで時間的猶予が少ない相続税の申告を終えた。
 お客様の関係者以外で、私が直接相続税の申告を引き受けるのは初めてだった。

 個人的には、お客様の関係者以外の相続税申告は、積極的に引き受けないほうが良いと考えていた。
 依頼人のお家のこれまでの過程や、財産の状況、家族の仲などの情報が全くない所からスタートするので、申告までに断続的に情報が出てきて、度々方針の転換をする必要が生じたり、何度も資料のやり取りをする必要が生じたりと、依頼人の方にも手間が余計にかかるなど、お互い良い結果にならない可能性があると考えていたからだ。

 今回、依頼人の方が相談に来られた時点で申告期限まで2ヶ月ほどしかなく、困っておられたこともあり引き受けることにした。
 姉妹間での公平な配分を第一に考えて欲しいとのことで、配分案から考えることになった。
 何度も足を運んでもらうのも申し訳ないと思い、想定される資料のリストを渡し、受け渡しが1回で済むように心がけた。
 また、家族の状況をヒアリングすると、2次相続も遠くない時期に起こる可能性があったため、今回の相続だけでなく2次相続まで合わせて相続税が低くなるような配分案を提案した。

 相続には様々なケースがあるので、何回も打ち合わせが必要なケースもあると思うが・・・署名書類や申告書控の受け渡しなど郵送でできることも、「取りに行ったほうが早い」ということで何回か来所されたが、それを除くと、資料の受け取り・方針の打ち合わせに1回、申告前の最終打ち合わせに1回の来所で済ませることができた。
 依頼人の方の手間はそれほどかからなかったのではないかということと、2次相続まで考えた配分案にもそれなりに満足していただけたようで、喜んで帰ってもらえたので私も満足感のある仕事だった。