「外国の軽減税率」

 2015年10月に予定されていた消費税率10%への引き上げですが、1年半延期となり、2017年4月とすることが確定しました。

 消費税率の引き上げについては、生活への影響を抑えるために以前から軽減税率の導入が検討されています。軽減税率とは、生活必需品などに対して標準税率より低く設定される税率を言います。実際に日本で導入されるかは不明ですが、既に導入している国を参考に見てみると、食料品の中でもユニークな分類が見られました。

 例えばフランスでは、マーガリンは標準税率、バターは軽減税率です。
 一見、バターのほうが高価なので贅沢品として税率が高いのではないかと思いますが、マーガリンは企業によって生産されるのに対し、バターは酪農家が生産しているため、国内畜産業を保護する観点から軽減税率を適用しているようです。

 またカナダでは、ドーナツなどのお菓子を買うとき、5個であれば標準税率、6個であれば軽減税率です。
 その理由は、その場ですぐに食べるという「外食」に該当するかどうかを販売個数で判断して異なる税率を設定しているようです。
 
 最後にイギリスでは、ファーストフード店で買う温かいハンバーガーは標準税率、スーパーで買うひんやりとしたお惣菜は軽減税率が適用されます。
 同じお持ち帰り商品でなぜ税率が異なるのか不思議ですが、違いは温度にありました。注文に応じて温めた商品や保温機などで温め続けている商品には標準税率を設定しています。

 食料品だけでなく、様々な品目に対して軽減税率を設定していますが、こうして見てみると各国の特徴が出ていておもしろいと思います。
 生活への影響を配慮するだけでなく、国内産業を保護する目的など、国により様々な配慮があるのだと感じました。