『年下の奥様は年金がお得!?』

 あまり知られていない公的年金の一つに「加給年金」というものがあります。
 扶養手当のようなもので、サラリーマンだった夫が65歳になった時、65歳未満の奥様や高校生以下の子供がいれば、奥様が65歳、子供が高校卒業まで、1人につき年間約22.5万円が夫の年金に上乗せされる制度です。
 さらに、奥様分の加給年金には、特別加算額16.5万が加わるので、夫の年金への上乗せは年間約39万円になります(いずれもH27年の金額)。

 制度上、夫が65歳になった時から奥様が65歳になるまで受給できるので、10歳年下の奥様がいれば、夫が65歳以降に受け取る加給年金の総額は10年で390万円にもなります。それ故、年下奥様はお得といわれているのです。
  厚生年金の加入が20年以上など条件がありますので、ご夫婦での役員報酬の設定、社会保険の得喪、退職時期を調整できる場合は是非、年金の加入歴を加味していただきたいものです。
 
 他にも厚生年金に44年加入すると「長期加入者特例」といって65歳までの年金が約75万ほど増えるのです。うっかり43年加入で退職とならないように気をつけないと損してしまいます。
 最近では、役員だけでなく定年延長などで一般社員でも該当するケースが増えてきました。
 定年後、年金を満額受給するために会社で社会保険に入らず嘱託勤務するケースがありますが、「長期加入者特例」に該当するか否か知っていれば損得計算がガラリと変わるのですが・・・誰も教えてはくれません。
 ちなみに条件を満たせば「加給年金」と「長期加入者特例」は両方受給できます。

 社会保険は不平等感がある(?)制度なので常に改正案が出ております。
 特に年金は改正の繰返しで複雑になっており、知らないと損する制度が多々ありますが、知らないため「損したことに気付かない」人が多いようです。権利も時効5年で消えていきます。
 ご紹介を簡単にしましたが、加入歴は年金定期便でも確認できますし、年金相談センターなどに足を運んでいただけると親切に教えていただけます。是非ご利用してみて下さい。