「和菓子作り体験」

 先日、和菓子作りの体験教室に参加しました。
 季節の和菓子を3種類、簡単なものから順に作っていきます。

 観光地ということもあり、参加者の半数以上は外国人旅行者の方でした。
 講師をしてくださる職人さんは、もちろん日本の方で、すべて日本語で説明をすすめていきます。外国の方は、職人さんの手元を映し出す大きなテレビだけ見て、はたして完成させることができるのかなと、心配になりました。

  和菓子作りには、専用の道具があり、それを使って様々な形を作っていくのですが、「外側に厚みのある、お椀のような形」とか、「放射線状に切り込みを入れる」など、聞けば容易に想像できますが、言葉が伝わらないと出来ないのではないかと思ったのです。

 ちょうど近くに引率者らしき人がいたので聞いてみると、その方も初めは、日本語で講師をされては全く言葉が通じないので無理だろうと思ったそうです。
 しかし、外国の方が初めての体験に強い興味をもつことで、言葉ではなく、その場の雰囲気や状況から伝わるとのこと。そのため、敢えて訳して伝えようとはしないそうです。
 また、先程の説明でお椀の形と言われた言葉を聞いて、日本人が独自に連想してしまうのとは違い、外国の方は講師の手元を見て、それを忠実に再現しようとするため、完成したものは意外にも日本人より上手だったりするそうです。

 たしかに、言葉で聞いてしまうと、自分の経験や知識の中から知っているものに置き換えてしまうことがあり、なるほどと思いました。言葉が伝わらない外国の方のほうが、日本人より上手にできることの意外性におもしろさを感じました。