「健康経営」

「健康経営」とは、米国の経営心理学者が提唱し、従業員の健康が企業・社会の資本であることを認識し、従業員への健康投資を促す「しくみ」を作ることで、①生産性の低下防止、②医療費抑制、③収益性向上を目指すものです。
 まさに、心身の健康、ブラック企業対策、社会保障対策に有効ですので日本も推進しています。

 昨年から経済産業省は、東京証券取引所と共同で、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業を「健康経営銘柄」として選定・公表しています。
 世界的な数字以外の経営戦略を評価する流れ(PRI:責任投資原則)をくみ、健康経営が株式市場等において、適切に評価される仕組みづくりに取り組んでいます。
 
 そもそも「健康管理は個人責任だ」という意識や投資効果が5年、10年といった中長期になるので、後回しになりがちでしたが、株式市場での評価を気にする経営者の興味を引く、上手くできた制度で評判もいいようです。
 選定も2015年の第1回のみの予定でしたが、選定された企業が労働環境に優れた「ホワイト企業」として学生が就職志望先を選ぶ際の判断基準の1つとなったこともあり、反響が大きく、今年第2回が実施されましたので、今後も続きそうです。

「健康経営銘柄」は上場企業対象ですが、中小企業向けには「健康経営ハンドブック」が春に策定されており、優良事例やノウハウが紹介されています。
 借入の金利優遇、入札の加点項目にする自治体・民間企業も増えています。

 今後も「健康経営」のような、幸せな会社と従業員を増やす政策が出てくるといいですね。