『異文化とのお付き合い』

 イスラム圏の方との交流をこれまでそれほどしたことがありませんでした。
初めてイスラム文化と触れたのは、3年ほど前、旅行でトルコへ行ったときです。
学生時代の卒業旅行や、バックパッカーで欧州を訪れた際はキリスト圏ばかりでしたので、丸い屋根の礼拝堂と、数本の尖塔を備えたモスクが立ち並ぶ街に、新鮮かつ圧倒されたのを覚えています。

 先日、スリランカ出身の、イスラム教信者であるお客様から当法人のホームページを見てお問合せを頂きました。
名古屋で会社を設立したいが、何をすればよいか話を聞かせてほしい、とのことです。
まずはお話だけでも、と実際に事務所まで足を運んで頂き、2時間程度お時間を取って頂きました。
 ここでも非常に珍しいというか、初めて経験する出来事がありました。
 通常お客様と当法人会議室でお話させていただく際、お茶を提供させて頂いておりますが、そのお客様にお出ししたところ、「ラマダン中ですので結構です。」と丁寧な口ぶりで断られたのです。

 ラマダンについては『断食』程度の知識しかなかったため、調べてみると、
ラマダンとはイスラム歴の月のことであり、2016年は6月6日~7月5日であること。
1年のうちこの約1か月程度太陽が出ている時間の飲食を禁じる。
というものでした。
 日没後の飲食が認められていることは知りませんでしたし、また旅行者、妊婦、乳幼児等合理的な理由がある場合の日中の飲食が認められている柔軟性は面白く感じました。

 日本ではあまりイスラムの方と触れ合う機会が多くなく、イスラムに関する情報が乏しいですが、こうしたお客様との接点の中で、異文化の一部に触れることができ、知識を深めることが出来たので、貴重な体験となりました。