視覚化のメリット

会計事務所の仕事では主に金額を扱うため、必然的に多くの数字とにらめっこという日々です。
ただ、単なる数字の羅列だけでは内容を把握しにくいので、図やグラフを作成することで分析等をしやすくしています。
こういった視覚化のメリットは数字以外にもたくさんありますが、最近経験した事例を2つご紹介します。

(1)経理業務の視覚化
あるお客様で経理業務の効率化を検討していました。
経理業務といっても、小口現金や売上管理、給与計算等に細かく分かれますが、口頭での説明では全体像を把握するのは困難です。
そこで担当者に各業務ごとのフローチャート(流れ図)を書いてもらいました。
フローチャート化してみると理解しやすくなるだけでなく、仕事の無駄に気づいたり、効率化のアイデアを思いつくことができました。
さらには、経営者も業務内容を把握できるので、経理の現場で起こりがちな不正のリスクを減らす効果も期待できそうです。
担当者が退職した際の業務引継もしやすいといったメリットもあります。

(2)点在している不動産の視覚化
不動産オーナーの相続対策を検討していたときのことです。
土地を多数所有されていたため、面積や地番等の情報だけでは不動産の全体像が把握しにくく、なかなか良いアイデアが思いつきませんでした。
そこで、都市計画図を貼り合わせて一枚の用紙にまとめ、土地を持ち主別に色分け表示し、用途や評価額、賃貸情報(収入やコスト)を補足情報として書き込みました。
一枚の図にまとめることで、土地ごとの距離間や形、収益力が把握しやすくなり、売却する際の優先順位を考える上でも有益なものとなりました。

このように視覚化には、理解を助けるだけでなく、リスク対策になったり、効率化等のメリットも期待できます。
会社の業務において時間がかかりすぎているものがあれば、まずは視覚化してしてみてください。
きっと、問題点が浮かび上がってくると思います。