納税のための預金、始めませんか

ご存じの通り、来年4月から消費税率が5%から8%にアップします。
となると、利益の有無にかかわらず、取引が変わらなければ納税額が6割も増加してしまいます。
さらにその一年半後には10%への増税が予定されていますので、ここ数年で消費税の納税額が倍増ということになるでしょう。

国税庁の統計によると、平成24年度に滞納となった国税5,935億円のうち、実に3,180億円(53.5%)を消費税が占めています。
つまり、消費税は最も滞納となりやすい税金といえます。
なかでも、平成9年4月の前回の増税直後には消費税の滞納額が急増していますが、増税による納税資金の確保ができていなかったことが原因と思われます。
納税が遅れると延滞税という経費にならない利息が発生してしまいますが、それを避けるためには必要な納税額の把握とその管理方法が大切です。

納税資金を確保する上で、まずは必要な金額を計算しなければなりません。
増税直後であれば、単純に前期の1.6倍でもよいと思いますが、消費税が税抜経理の方は、試算表から【仮受消費税-仮払消費税-予定納税額】と引き算をして、その時点の納税必要額が計算できます。

後は納税資金の管理方法です。
特に、増税直後は一時的に手許の資金が増加しますが、それは「預かっている消費税額」が増加しているためです。
預金残高に余裕があると気持ちがゆるみがちというような方は、納税用の別口座を設けた方がよいでしょう。
簡単に引き出さないように、定期積金にでもしておくと確実です。
これからの度重なる増税により納税資金の確保は重要度が増してきますので、早めの対策をオススメします。

by 加古宗利