消費税は税抜経理がオススメ

会社の経営において、月次の利益は大切な指標ですが、消費税の経理方法によって利益に差が生じることをご存知でしょうか。
経理方法には「税抜」と「税込」の2つがありますが、例えば税抜60万円のものを仕入れて、税抜100万円で売却した場合の利益は税抜経理の場合、
 【100万円-60万円=40万円】と計算されます。
一方、税込経理の場合は、
 【105万円-63万円=42万円】となり、同じ取引を行なっていても利益にズレが生じます。

このズレの原因は消費税の納税額2万円ですが、これは通常決算時に経費計上されますので、それまでは正しい利益が把握できません。
本来、消費税は利益に影響させないことが大前提ですが、税込経理では消費税の納税額分が月次利益に影響を及ぼします。

このように、利益を正確に計算したい場合は税抜経理にした方が良いといえますが、それ以外にも税抜経理には次のようなメリットがあります。
<メリット>
①資産を購入した時に、すぐ経費になるものが多い
②交際費も消費税分が少なくなる
③償却資産税(固定資産税)が安くなる
④消費税の納税額が【仮受消費税-仮払消費税】で簡単に計算できる
⑤過年度との損益比較がしやすい

一方、以下のようなデメリットも。
<デメリット>
①経理処理がやや複雑で手間がかかる
②特別償却・税額控除の適用では、やや不利である
③税込経理から税抜経理へ変更すると、同じ売上額でも少なく表示されてしまう

このように、それぞれ特徴的な部分がありますが、その実質で考えますと圧倒的に税抜経理が有利だと思います。
今後、消費税率がアップしていくたびに、そのメリットも増えていくでしょう。
戻すことも可能ですので、税込経理を選択されている方は変更を検討してみてはいかがでしょうか。

by 加古宗利