株式投資と税制改正

日経平均株価は昨年の秋に比べ半年で50%以上も上昇し、ちょっとしたバブルの様相を呈しています。
株式に投資している方の中には、売却益が発生していたり、含み益がある方が結構いらっしゃるのではないでしょうか。
一般的に株式投資は、株価の値上がり益や配当収入を目的として行われますが、それらに関連して今年の3月に大きな税制改正が成立しました。

平成26年から株式売却にしても配当にしても、儲けに対する税率が1割から2割へと倍増することになります(復興税は除きます)。
これまで11年間続いていた軽減税率が終わることになりました。
そこで、税制が変わる前はやり方次第で税金の損得が出やすくなりますので、以下の3つのケースで節税方法を考えてみたいと思います。

①含み益が多い方
おそらく今年中に売却して含み益を減らしておいた方がよいでしょう。
来年以降に売却を持ち越すと税金が倍になりかねません。

②含み益と含み損が同じくらいある方
判断が難しいですが、含み益のある株式は益出ししておいた方が良いかもしれません。
一方、含み損は来年以降の売却益や配当所得との相殺が効果的です。
また、1年間分の配当所得相当の売却損を作って、配当から天引きされる税金を還付してもらう方法はお勧めです。

③含み損が多い方
含み損が多い方は、特に対策の必要はないと思います。
②と同様に、年間配当分の売却損を作る方法は有効です。

ちなみに、含み益が多いけどずっと保有していたいという方は、一度売却して、再度購入する方法もあります。
こういった取引(益出し・損出し行為)をクロス取引と呼びますが、会社と違い個人では認められています。
売買手数料もネット証券であれば、1取引で1,000円もかからなかったりします。

来年から税金が倍増することが確定したので、年末に向けて含み益を抱えた株主の駆け込み売りが殺到するかもと個人的に思っています。
(※株式投資は自己責任でお願いいたします。)