10月から名古屋に住んでいるのですが、不動産屋で今の家を探していた時に、すごく疑問に感じたことがありました。それは、「私鉄沿線はなぜ薦めない?」
今の家を探す時に、主な条件として不動産屋に伝えたことは、
・職場(名古屋駅)まで、鉄道を利用してドアtoドアで30分程度
・駅(地下鉄・名鉄・JR)から10分以内
・自家用車は所有していない
である。
不動産屋を2件回って紹介されたのが、各10件ずつぐらいだろうか。
資料をみて気づいたのだが、名鉄、JR沿線はほとんどない。
なぜなのか、担当者に聞いてみると、
「名古屋の人はJRはほとんど使わないですから…名鉄沿線は生活するには車が必要になりますし…やはり地下鉄が便利ですよ」と、不動産屋2件とも同様の返事が返ってきた。
中京圏=名鉄というイメージだったため、名鉄すらあまり薦められなかったことが意外だった。職業病だろうか…名鉄について興味が湧いたので、私の馴染みのある阪急・京阪神圏と比較してみた。
営業路線キロ 旅客収入 旅客収入/キロ
名鉄 444.2キロ 789億円 1.77億円
阪急 143.6キロ 901億円 6.27億円
名鉄の営業キロ数は、大手私鉄16社の中で、近鉄、東武鉄道に次いで第3位であり、大手私鉄ビッグスリーというところ。しかし、1キロ当たりの旅客収入は1.77億円と大手私鉄の中では15・16位ぐらいと輸送密度が低い。ということは、沿線の人口密度も低いだろうから、車を所有していないと不便という担当者の回答もあながち嘘ではなさそうだ。
中京圏(名鉄沿線)と阪急沿線の人口はというと…
(単位:万人)
名古屋 226 大阪市 266
豊田市 42 神戸市 154
岐阜市 41 京都市 147
やはりそうか。名古屋市は日本第3位の大都市ではあるものの、衛星となる都市が小さいため輸送密度が低いのだ。製造業に例えるなら、名鉄は多品種少量生産、阪急は少品種大量生産といったところかな。
車を所有していない私のことを思って、不動産屋の担当者が地下鉄沿線を薦めてくれたのだろう。ともあれ名古屋の住人になったことだし、岐阜、犬山、豊川など名鉄を利用して行ってみたいと思う。
by 長尾