「藤巻健史プロパガンダ」の思い出

もうずい分昔の話ですが、大学を卒業して就職した銀行で配属されたのは投資銀行部門でした。
当時その部門は若手が多く、行内では少し変わった雰囲気で、「一旗あげてやる」という熱気や緊張感に満ちた場所でした。
私は大学では金融を学んだものの、相場については全く分からないまま行内向けに為替や金利等の相場レポートを書かねばならず、いつも四苦八苦していました。

そもそも誰も先のことは分からないのが相場だと思うのですが、当時は「正解」がほしくてそれを探しまわっていました。
アナリストからの分析レポートや、ロイターやブルームバーグの情報端末等、情報はあふれんばかりにありましたが、その中で印象に残っているのが藤巻健史氏の「プロパガンダ」です。
藤巻氏は当時外資系投資銀行のJPモルガンにおり、トレーダーとして成功し名を馳せていました。
FAXに手書きで日々の雑記と共に、相場に対する見解が短い文章で走り書きされており、その個性的なスタイルが大変印象深く、面白く読むことができました。
部署に毎日のように届くそれを小さな楽しみにしていました。

今ではホームページでアップされる「藤巻プロパガンダ」を時々見ています。将来の日本経済のために小さな政府や円安を主張されており、新聞を斜め読みしているだけの私でも分かりやすく、勉強になります。
そしてそのたびに、短い銀行員生活でしたが、なにものかになりたくてもがいていた当時の自分を懐かしく思い出します。

増加する国債残高、マイナス金利や円高等、日本経済はこれからどうなっていくのでしょうか。
今後の状況にビジョンをお持ちのお客様も多くいらっしゃると思います。
機会がありましたらご教示いただけるとありがたいです。