「第一印象」

 人は全く知らない初対面の人を、信頼できるか、仲良くなれそうかなど判断することが大好きで、自分が判断したことを変更したくないようです。
「第一印象」が大切なのは誰もが知っていますが、わずかな偏った情報で人柄の全体像が形成されてしまい、修正が難しいから「大切」なのです。

「なぜ人は相手を判断したがるのか?」色々な実験・研究がなされています。
①Aさんは「知的で勤勉で、頑固です」
②Aさんは「頑固で、知的で勤勉です」と紹介した場合、①②で情報は同じでも伝える順番が違うだけで①はいい人、②は悪い人という印象を持ち、その後なかなか変更されないのです。
「知的→勤勉→頑固」という順番に情報が入ってくると、「頑固」は一般的にはマイナス要素にも関わらず、知的で勤勉なら自分の意見がしっかりいているから、頑固な面もあって当然だ、と解釈・理解し、「頑固→知的→勤勉」の順に情報が入ってくると、頑固な人は知的で勤勉でも対人関係で失敗し、社会で成功はしないだろう、とマイナス評価になるのです。
 これは「初頭効果」といい、人は後から入って来る情報は最初の印象に合う場合受け入れられやすく、合わないと捨て去られたり、変形されて都合よく取り込まれるのです。第一印象が変更されにくい理由でもあります。

 初頭効果以外にも相手への理解を邪魔するものがたくさんあります。
 偏見や先入観、「恋は盲目」に近い心理で悪いところが気にならなくなる場合、周囲(自分にとって権威者の場合は特に)の意見に左右され判断が鈍る、などが挙げられます。

 大切なことは、人の印象形成は公正ではないことを受け入れる、自分自身を知る、相手を早分かりしようとしない、感受性を磨くことだそうです。
 相手に与える印象を今一度省みるとともに、自分が相手から受ける印象をどのように解釈しているのか意識していきたいと思います。