「相続税と贈与税の税制改正(一部)」

 去る1月末に平成25年度税制改正大綱が公表されました。
法人税については減税についての改正、所得税・相続税については増税・減税が混在した改正内容になっています。最終決定されましたら、石田会計からも詳細をお伝えしていきますが、一足先に相続税と贈与税の改正内容を一部ご紹介したいと思います。

 相続税の中で大きな改正の一つだったのが相続税の基礎控除の引下げです。
基礎控除とは相続財産がいくらまでなら税金が生じないという控除額を表します。
今までは5,000万円+1,000万円×法定相続人の数が基礎控除額として控除されていました。
今後は3,000万円+600万円×法定相続人の数が基礎控除額として控除されます(平成27年1月1日以降発生する相続より適用予定)。

 例えば父が亡くなり、妻・子が2人なら8,000万円まで税金が生じなかったのが4,800万円までとなります。今までよりも相続税を意識しないといけない人が増加するのは確実になりそうです。 ちなみに現在、死亡した人のうち相続税が発生している人は全国平均でおよそ4%といわれています。この改正により4%から6%に上昇すると見込まれています。
地域別にみると、東京では13.53%、愛知では11.82%、大阪7%になり、やはり大都市圏での影響は大きくなります。

 また贈与税では税率の見直しがされました。
20歳以上の者が直系尊属(父母・祖父母など)から贈与を受けた場合には基本的には税率は引き下げとなる方向です。(4,500万円超の場合は逆に引き上げになります)。
その他の贈与場合には1,000万円~1,500万円までの贈与の場合は税率が引き下がりますが、3,000万円超の場合には逆に引き上げとなります。(平成27年1月1日以降の贈与からの適用予定)。

 また直系尊属が孫(30歳未満に限る)に教育資金をまとめて贈与するような場合には、1,500万円までは贈与税がかからない枠が構築されました(平成25年4月1日~27年12月31日までの間に拠出されたものが対象予定)。ただし、一定の要件を求められます。

 今回の改正では基本的に相続税は増税傾向に贈与税は減税傾向にありましたので、相続税の生前対策として贈与を上手に活用することはますます大切になってきそうです。
気になることがありましたらご相談頂ければと思います。