「時代の変化と税制」

少し前、某有名人が未婚の母となったことでニュースとなっていました。
立場上注目されることは避けられないでしょうに、まだ日本では少数派となることを選んだのには深い事情と決意があってのことと想像します。辛い時もあるでしょうが、個人的には子供の為にもいつまでも輝いているお母さんとして頑張ってほしいと思います。

さて、個人の所得税を計算する際に受けられる所得控除の中に、“寡婦控除(男性の場合は寡夫控除)”というものがあるのをご存知でしょうか?離婚や死別によって配偶者がいなくなった方で、扶養すべき子などがいる場合や所得が低い場合などに受けられるものです。

離婚や死別によって…とあるため、前提として“かつて一度は婚姻届を出したことのある人”に限られています。そのため、婚姻歴がない未婚の母(父)は、離婚等をしてシングルで育てている親とは同じ税制上の控除を受けることはできません。はたから見たら大変さは同じだと思うのですが…、興味深いですね。時代の変化に伴って、取扱いの変更を検討する必要性がでてきたものの一つなのではないでしょうか。

また、税務に関係する話題で最近気になるものに、“「非嫡出子の相続権の割合が嫡出子の2分の1である」という民法の規定に対し、最高裁で違憲判決が出るのでは?”というものがあります。
税金計算上の前提となる法律が変わると、遡ってやり直しをすることができます(限界はありますが)。この件で違憲判決が出れば、“いつ時点の相続から違憲とされるのか?どういう事例の場合が該当するのか?”と、今後の相続に限らず一旦確定しているものに対しても大きな影響があるため、動向が気になっています。

色々意見はあるのでしょうが、時代とともに人の価値観は変わります。事後の影響の大きさから判断を誤っては本末転倒となるのでしょう。
今後の動向と税制への影響を見守りたいと思います。